公開日 2022年02月10日
更新日 2022年02月11日
わたしたちの生活や事業活動にはたくさんのエネルギー資源が必要です。
しかし、石油や石炭などの化石燃料と呼ばれるエネルギー資源は、無限にあるものではなく、また、これを燃やすことによって排出される二酸化炭素は、地球温暖化の主な原因となっています。さらには、これまで活用されてきた原子力発電も、福島第一原子力発電所の事故によって、状況が大きく変わっています。
こうした中、化石燃料や原子力に代わるエネルギーとして期待されているのが、再生可能エネルギー(※)です。
※このページでは、再生可能エネルギーと新エネルギー(再生可能エネルギーのうち、市場においていまだに普及が進んでおらず、普及促進のための支援が必要なエネルギー)という語を同じ意味で使用しています。
なぜ、再生可能エネルギーなのか
再生可能エネルギーは、自然界で繰り返されている力(太陽光、風力など)を利用するエネルギーの総称です。
再生可能エネルギーの特長
地球温暖化対策
石油や石炭などの化石燃料を燃やすことによって排出される二酸化炭素などの温室効果ガスは、地球温暖化の原因とされています。
地球温暖化がさらに進むと、気温上昇だけにとどまらず、ゲリラ豪雨などの異常気象、熱中症などの健康被害、農産物などの品質低下など、わたしたちの生活にさまざまな影響を及ぼすと考えられています。
一方、再生可能エネルギーは、化石燃料と違い、二酸化炭素をほとんど排出しないことから、地球温暖化対策の有効な手段の一つとなっています。
※会津若松市の地球温暖化対策については、こちらのページをご覧ください。
エネルギー資源の確保
化石燃料は、使い続ければいつかは無くなってしまう限りある資源であり、さらに、日本はその大部分を外国からの輸入に依存しています。
一方、再生可能エネルギーは、太陽光や風力、水力などの自然の力を利用しているエネルギーであり、使い続けても枯渇する心配がなく、永続的に利用することができます(=再生可能)。
こうしたことから、今、再生可能エネルギーに注目が集まっています。
再生可能エネルギーの種類
再生可能エネルギーの種類として、次のようなものがあります。
発電分野
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太陽光発電【外部サイト】
太陽の光エネルギーを太陽電池で直接電気に換えるシステム。家庭用から大規模発電用まで導入が広がっています。 -
風力発電【外部サイト】
風の力で風車を回し、その回転運動を発電機に伝えて電気を起こします。陸上に設置されるものから洋上に設置されるものまであります。 -
水力発電・中小水力発電【外部サイト】
水力発電は河川などの高低差を活用して水を落下させ、その際のエネルギーで水車を回して発電します。現在では農業用水路や上水道施設などでも発電できる中小規模のタイプが利用されています。 -
地熱発電【外部サイト】
地下に蓄えられた地熱エネルギーを蒸気や熱水などで取り出し、タービンを回して発電します。使用した蒸気は水にして、還元井で地中深くに戻されます。日本は火山国で、世界第3位の豊富な資源があります。 -
バイオマス発電【外部サイト】
動植物などの生物資源(バイオマス)を直接燃焼したり、ガス化したりすることによって発電します。木質バイオマス、農作物残さ、食品廃棄物など様々な資源をエネルギーに変換します。
熱利用分野
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太陽熱利用【外部サイト】
太陽の熱を使って温水や温風を作り、給湯や冷暖房に利用するシステム。国内でももっとも普及しているのは戸建住宅用太陽熱温水器ですが、ホテル、病院、福祉施設など業務用建物でも使用されています。
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温度差熱利用【外部サイト】
地下水、河川水、下水などの水源を熱源としたエネルギー。夏場は水温の方が温度が低く、冬場は水温の方が温度が高い。こうした水の持つ熱をヒートポンプを用いて利用します。 -
バイオマス熱利用【外部サイト】
バイオマス資源を直接燃焼し、廃熱ボイラから発生する蒸気の熱を利用したり、バイオマス資源を発酵させて発生したメタンガスを都市ガスの代わりに燃焼して利用します。
再生可能エネルギーをめぐる本市を取り巻く状況
国や県の動向
国では、令和3年10月に策定した「第6次エネルギー基本計画」【外部サイト】の中で、温室効果ガス排出量削減に向けた方策として、再生可能エネルギーについて「経済的に自立し脱炭素化した主力電源化を目指す」とし、最大限に導入を掲げています。
県でも、令和3年12月に策定した「福島県再生可能エネルギー推進ビジョン2021」【外部サイト】において、2040年度頃を目途に県内エネルギー需要の100%に相当するエネルギーを再生可能エネルギーから生み出すことを目標に掲げています。
固定価格買取制度(FIT)【外部サイト】
再生可能エネルギーの固定価格買取制度(略称:FIT)は、再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度で、平成24年7月に開始されました。
電力会社が買い取る費用の一部を電気の利用者から賦課金という形で集め、今はまだコストの高い再生可能エネルギーの導入を支えています。
この制度により、発電設備の高い建設コストなども回収の見通しが立ちやすくなり、より普及が進むと見込まれています。
なお、平成21年11月から実施されていた太陽光発電の余剰電力買取制度については、2019年11月以降、10年間の買取期間が順次満了を迎えています。詳しくは、資源エネルギー庁のウェブサイト【外部サイト】をご覧ください。
- 固定価格買取制度の対象となる再生可能エネルギー
太陽光発電、風力発電、中小水力発電(出力30,000kW未満)、地熱発電、バイオマス発電
※最新の買取価格は、資源エネルギー庁のウェブサイト【外部サイト】をご覧ください。
再生可能エネルギーの普及促進に向けた会津若松市の取り組み
本市では、古くから猪苗代湖や阿賀野川水系を利用した水力発電所が稼働しています。また、現在ではメガソーラー(出力1,000kW以上の太陽光発電所)や木質バイオマス発電所、風力発電所などのさまざまな再生可能エネルギー発電施設が稼働しています。
市では、自然環境の保護と事業活動の調和を図りながら、再生可能エネルギーの普及促進を進めることで、自らの地域でエネルギーをつくり出し、消費する「エネルギーの地産地消」を目指し、持続的発展が可能なまちづくりを推進しています。
「会津若松市第2期環境基本計画(改訂版)」(計画期間:平成22年度から令和5年度)
市では、平成26年3月に策定し、平成31年3月に改訂を行った「会津若松市第2期環境基本計画(改訂版)」において、数値目標を定め、再生可能エネルギーの普及促進に向け、さまざまな施策に取り組んでいます。
再生可能エネルギーの普及促進に向けた数値目標
再生可能エネルギーの普及促進に向けて、市域の一次エネルギー需要(市内におけるエネルギー消費量)に占める再生可能エネルギーの供給量の割合や発電施設の設備容量について、平成22年(2010年)度を基準年度とした、令和5年(2023年)度の目標を定めています。
年度 |
基準年度 (平成22年(2010年)度) |
中間目標 (平成30年(2018年)度) |
目標 (令和5年(2023年)度) |
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供給量の割合 | 39% | 51% | 57% |
設備容量 | 165,709kW | 206,321kW | 236,205kW |
年度 |
平成23年 (2011年)度 |
平成24年 (2012年)度 |
平成25年 (2013年)度 |
平成26年 (2014年)度 |
平成27年 (2015年)度 |
平成28年 (2016年)度 |
平成29年 (2017年)度 |
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供給量の割合 | 38.4% | 40.5% | 41.4% | 44.2% | 46.9% | 50.6% | 55.8% |
設備容量 | 166,646kW | 173,639kW | 175,297kW | 195,876kW | 199,142kW | 202,029kW | 202,628kW |
(単位:左軸kW、右軸%)
再生可能エネルギーの供給目標値
再生可能エネルギーの普及促進のための施策
これらの数値目標を達成するため、市では、主に次のような施策を推進しています。
- 小水力発電の推進
・ 民間事業者による小水力発電施設設置の推進と環境保全対策の実施
※ 「小水力発電事業可能性調査」(平成26年度実施)の結果については、こちらのページをご覧ください。
- バイオマスエネルギーの活用の推進
・ 民間事業者によるバイオマス発電・バイオマス熱利用の推進と環境保全対策の実施
※ 「ペレットストーブ」導入の取り組みについては、こちらのページをご覧ください。
- 太陽エネルギー利用の推進
・ 公共施設への太陽光発電・太陽熱設備・蓄電設備導入促進
・ 民間事業者による太陽光発電施設設置の推進と環境保全対策の実施
- 風力エネルギー利用の推進
・ 民間事業者による風力発電施設設置の推進と環境保全対策の実施
- 温度差熱利用の推進
・ 道路等への温度差熱利用による融雪設備の導入促進
・ 公共施設への温度差熱設備導入促進
・ 温泉や工場などの廃熱活用の検討
- その他の未利用エネルギー等の利用の検討
・ 地熱バイナリー、雪氷、その他の未利用エネルギーの活用検討
・ 水素エネルギーの活用検討
- 自然環境と事業活動の調和
・ 再生可能エネルギーに関する情報提供、情報収集の強化
※ 再生可能エネルギーに関する補助制度等(事業者・団体向け)の情報は、こちらのページをご覧ください。
・ 再生可能エネルギー施設における環境保全等に係る取り組みの促進
・ 再生可能エネルギーに取り組む事業者等との意見交換の場の設置
市有施設への再生可能エネルギー設備導入(令和2年度までの実績)
市では、市有施設の新築や改修を行う場合、再生可能エネルギー設備の導入を進めています。
太陽光発電 |
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太陽熱利用 |
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バイオマス発電・熱利用(消化ガス) |
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バイオマス利用(ペレットストーブ・薪ストーブ) |
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風力発電 |
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温度差熱利用 |
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- 防災拠点としての利用
北会津支所や上下水道局庁舎では、太陽光発電設備のほかに、電気自動車用急速充電器、電気自動車から庁舎に給電するための設備(V2H)、蓄電池などを整備しています。
平常時には、電気自動車を環境にやさしい公用車として活用できるようにするとともに、太陽光発電による電気の「地産地消」を行っています。一方、災害時には、電気自動車の公用車利用だけでなく、電気自動車から庁舎への給電、太陽光発電と蓄電池を活用した非常用電源の確保など、防災拠点としての機能を果たします。地球温暖化防止に役立つ再生可能エネルギーと二酸化炭素を排出しない電気自動車の活用により、防災体制強化にもつながっています。
横浜市及び京都市との「再生可能エネルギーの活用を通じた連携協定」の締結
市では、地域の活力を最大限発揮する「地域循環共生圏」(※)の理念に基づき相互の連携を強化しながら、脱炭素化の実現に向け、再生可能エネルギーの活用を通じた取組を推進するため、平成31年(2019年)2月、横浜市と、令和3年(2021年)9月、京都市と、それぞれ連携協定を締結いたしました。
※「地域循環共生圏」:各地域がその特性に応じた地域資源を活かし、自立・分散型の社会を形成しつつ、近隣地域と地域資源を補完し支え合うことで、地域を活性化させるための考え方。環境省により、「第五次環境基本計画」(平成30年4月閣議決定)にて提唱されました。
横浜市との連携協定の内容
- 再生可能エネルギーの創出・導入・利用拡大に関すること
市内で発電された再生可能エネルギー電気を、横浜市内の市民、事業者、公共施設等へ供給するスキームの検討を連携して行います。 - 脱炭素化の推進を通じた住民・地域企業主体の相互の地域活力の創出に関すること
市内と横浜市の住民や企業が再生可能エネルギーの供給等を通じて交流を深め、地域活力の創造につながる取組を検討します。 - 再生可能エネルギー及び地域循環共生圏の構築に係る国等への政策提言に関すること
再生可能エネルギーの連携や温暖化対策を通じた地域循環共生圏の創造を進めるにあたり、得られた課題等について、必要に応じて横浜市とともに政策提言を行います。
※本市のほか、東北地方の12市町村(青森県横浜町、岩手県久慈市、岩手県二戸市、岩手県葛巻町、岩手県普代村、岩手県軽米町、岩手県野田村、岩手県九戸村、岩手県洋野町、岩手県一戸町、郡山市、会津若松市)が、同時に横浜市と連携協定を締結しました。
京都市との連携協定の内容
再生可能エネルギーの創出・導入・利用拡大に関すること- 市内で発電された再生可能エネルギー電気を、京都市内の市民、事業者、公共施設等へ供給するスキームの検討を連携して行います。
- 脱炭素化の推進を通じた住民・地域企業主体の相互の地域活力の創出に関すること
市内と京都市の住民や企業が再生可能エネルギーの供給等を通じて交流を深め、地域活力の創造につながる取組を検討します。
「会津若松市農山漁村再生可能エネルギー導入促進基本計画」の策定
市内の再生可能エネルギー発電施設のご紹介
民間事業者による主な再生可能エネルギー発電施設について、以下でご紹介しています。
市では、これらの発電施設を見学し、再生可能エネルギーについて学ぶ「再生可能エネルギー見学バスツアー」を、毎年度実施しています。
※ 令和元年度のツアーの様子は市民環境教室「再生可能エネルギーバスツアー」のページをご覧ください。
太陽光発電
ナリ会津太陽光発電所 |
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大戸町第1・第2発電所 |
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会津若松メガソーラー発電所 |
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会津若松太陽光発電所 |
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太陽光発電所 |
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郡山堰地区発電所 |
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小水力発電
戸ノ口堰小水力発電所 |
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風力発電
会津若松ウインドファーム |
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バイオマス発電
グリーン発電会津 会津河東発電所 |
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関連リンク
- 会津若松市産業資産利活用推進協議会「会津地域の産業観光ガイド」【外部サイト】
- 福島県エネルギー課【外部サイト】
- 資源エネルギー庁「なっとく!再生可能エネルギー」【外部サイト】
- 資源エネルギー庁「再エネコンシェルジュ」【外部サイト】
お問い合わせ
- 会津若松市役所 環境生活課 環境グループ
- 電話:0242-39-1221
- FAX:0242-39-1420
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