あなたの血圧は大丈夫ですか?

2022年6月10日

血圧とは

 血圧とは、心臓から全身に送り出された血液が血管の壁を押すときの圧力です。よく、血圧の「上」や「下」という言い方をしますが、「上」は心臓が収縮して血液を全身に送り出すときの圧で収縮期血圧といい、「下」は心臓が拡張した時で拡張期血圧といいます。
  血圧の値はいつも一定ではありません。これは、常に自律神経が血圧を調節しているので、緊張や不安などのストレス・運動・疲労・睡眠不足等は血圧を上昇させます。その一方で、安心・安静・深呼吸・排尿・食事摂取等は血圧を低下させます。そのほかにも、血圧測定時の環境によっても変動しますし、日内変動もあります。常に変化する血圧は、病院受診時や健診時だけの値では判断が難しいので、家庭での血圧測定が重要です。

 

高血圧が及ぼす影響

  高血圧は、血管を少しずつ傷つけていますが、血管は痛みを感じないため、自覚症状がありません。そのため、サイレントキラー(沈黙の殺人者)ともいわれています。自覚症状がないのは、身体の中で何も起きていないわけではなく、血管は傷ついています。

 血圧が高い状態が続くと、常に血管の壁に高い圧力がかかっているので、血管の壁はそれに耐えようして、次第に厚く硬くなり、動脈硬化が進行してしまいます。その結果、脳梗塞・脳出血・くも膜下出血などの脳血管障害、心筋梗塞・心不全などの心疾患を引き起こす可能性があります。

 

血圧の基準について

高血圧治療ガイドラインが2019年4月に改訂されました

高血圧の管理・治療の指針となる「高血圧治療ガイドライン」が5年ぶりに改訂され、「血圧の分類」と「血圧の降圧目標」について大きな変更が行われました。

血圧分類の改訂

血圧分類のなかでも、高血圧と診断される前の分類が大きく変更されました。

血圧が高くなるほど、それに比例して脳卒中や心筋梗塞などが起こるリスクが高くなることがわかっています。

具体的には、「上の血圧が130から139mmHg」の方が多く、その方々が脳卒中や心筋梗塞を発症しやすいこと、また、上の血圧が「120mmHg未満」に抑えられていれば、脳卒中や心筋梗塞のリスクが大幅に下がることもわかっています。

 

改訂された血圧分類については、こちらをご覧ください。

降圧目標の改訂

降圧目標とは、収縮期血圧が140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上で高血圧と診断された方が、治療によってそこまで下げることを目指すべき血圧の値です。

 

○高血圧治療ガイドライン2019による降圧目標

  • 75歳未満の場合:130mmHg/80mmHg未満
  • 75歳以上の場合:140mmHg/90mmHg未満

 

 今回の改訂では、より厳格な降圧目標が定められました。

ただし、高齢者では、血圧を下げすぎるとふらつき、転倒のリスクがあるなど、お一人おひとり状況が異なりますので、かかりつけ医の先生とご相談ください。

 

高血圧の基準

 高血圧の基準は、病院で測定した場合と家庭で測定した場合で異なります。

高血圧治療ガイドラインが改訂となりましたが、高血圧の基準については変更ありません。

 

  • 病院で測定した場合

 収縮期血圧が140mmHg以上、または拡張期血圧が90mmHg以上

  • 家庭で測定した場合

収縮期血圧が135mmHg以上、または拡張期血圧が85mmHg以上

 

成人における血圧値の分類(高血圧治療ガイドライン2019)

 

分類

診察室血圧(mmHg)

正常血圧 120以下 かつ 80未満
正常高値血圧 120から129 かつ 80未満
高値血圧 130から139 かつ/または 80から89
Ⅰ度高血圧 140から159 かつ/または 90から99
Ⅱ度高血圧 160から179 かつ/または 100から109
Ⅲ度高血圧 180以上 かつ/または 110以上

 

分類 家庭血圧(mmHg)
正常血圧 115未満 かつ 75未満
正常高値血圧 115から124 かつ 75未満
高値血圧 125から134 かつ/または 75から84
Ⅰ度高血圧 135から144 かつ/または 85から89
Ⅱ度高血圧 145から159 かつ/または 90から99
Ⅲ度高血圧 160以上 かつ/または 100以上

 

ご自身の血圧がどの分類に当てはまるか確認してみてください。

 

会津若松市の現状

 高血圧は、最も患者数の多い生活習慣病であり、日本に約4300万人いると推定されています。これは日本人の3人に1人は高血圧であるという状況です。

 本市の特定健康診査受診者で見ると、治療中の方も含め、約半数の方が高血圧であると言えます。

 高血圧の状態が続くと、血管に負担がかかり、心疾患・脳血管・腎障害(人工透析)へのリスクが高まります。自宅血圧の測定を習慣づけ、自分の普段の血圧を把握し、予防と改善のために、生活を見直してみましょう。

 

【本市の特定健康診査における血圧の経年結果】

血圧測定の

結果割合(%)

正常値

保健指導判定

(高値血圧)

受診勧奨判定値

(Ⅰ度高血圧以上)

平成28年度 44.2 33.9 21.9
平成29年度 46.4 31.5 22.1
平成30年度 45.8 30.4 23.8
令和元年度 46.5 29.8 23.7
令和2年度 44.1 30.9 25.0
令和3年度 45.6 30.5 24.0

  出典:健康増進課統計

 

お住まいの地区の健康の状況を確認してみましょう。(特定健康診査結果)

 特定健康診査の結果を、本市全体分と、各地区ごとにまとめてあります。

 あなたの地区の、血圧の実態はいかがでしたか?

健康課題を解消するためには、みなさん一人ひとりの改善が必要です。

地域健康かるて(R2)   地域健康かるて(R元)

 

 

自宅で血圧を測りましょう!

 高血圧は放置すると、命の危険を及ぼす病気ですが、その一方で自分で見つけることができる病気です。

 まずは血圧測定を毎日行い、自分の血圧がどの位なのか確認し、記録する習慣をつけましょう。

血圧測定のポイント(1日2回がおすすめです)

それぞれ2回測定してみましょう。

 

●起床後1時間以内

  • トイレをすませてから
  • 服薬する前に
  • 朝食前に
  • 座った状態で1~2分安静にしてから

 

●就寝前

  • 飲酒や入浴の直後は避ける
  • 座った状態で1~2分安静にしてから

 

 

生活習慣の改善ポイント

まずは、ご自身の生活習慣を見直すことから始めてみましょう。

ご自身の生活習慣を振り返り改善することは、高血圧症の予防だけではなく、治療開始後にも重要になります。

 基本は、食事と運動です。

決して難しいことではないので、無理せず、ご自身で取り組みやすいところから始めてみましょう。

適度な運動

普段の生活習慣を振り返っていただいた際に、運動不足を感じている方もいらっしゃるかと思います。

この機会に、ご自身に合った運動習慣をみつけ、生活の中に運動を取り入れていきましょう。

 

下記のページをご参考ください。

メタボリックシンドローム解消のための運動

運動の前後や、生活のすきま時間にストレッチを行いましょう

 

すでに高血圧症と診断されている方は下記もご参照ください。

厚生労働省:高血圧症を改善するための運動(外部リンク)

 

減塩

高血圧といえばすぐに「減塩」と結び付く方も思います。食生活の中でも特に「減塩」が血圧と関係していることは多くの研究でわかっています。

食習慣の乱れや食事の偏りを見直し、少しずつでも改善することによって高血圧予防、重症化予防に結び付けることができます。

 

下記のページをご参考ください。

厚生労働省:栄養・食生活と高血圧(外部リンク)

減塩に取り組んで血管を守りましょう(市ホームページ)

 

お気軽にご相談ください!

 「生活改善ってどうすればいいの?」「食事と運動って言うけど具体的なことがわからない」「健診は受けたけど結果の見方がわからない・・・」「健診でわかることってどんなこと?」などの、生活習慣や健診結果のことについては、お住まいの地区の担当保健師が対応しますので、ご活用ください。

 

健康に向けて取り組みたい!

市では、會津LEAD(リード)を健康づくりの合言葉に、1人ひとりが生活習慣病に対する意識の向上と、生活習慣の改善を推進し、生活習慣病のリスクである肥満を予防・解消するために取り組んでいます。

健康づくりプロジェクト「會津LEAD」(市ホームページ)

 

お問い合わせ

  • 会津若松市役所 健康増進課
  • 電話番号:0242-39-1245
  • ファックス番号:0242-39-1231
  • メール

 

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