離乳食で成長に必要な体作りをしましょう(後期食)

公開日 2021年12月28日

 離乳食を始めた頃は、トロトロしたものでも口からこぼれてしまうことが多かったのが、毎日食べる練習を重ねてきたことで、9か月以降には、形のある食材でも上手に口に取り込んでゴックンできるようになってきます。

 動きも増えて、活動量も多くなってくるので、より成長に必要な材料を、離乳食で取り入れる必要が出てくるため、ここでは、後期食のポイントをお伝えします。

離乳食の回数は?

 9か月を過ぎると、これまで以上に活動量が増えるため、必要なエネルギー量も増えてきます。また、全身の発達に伴って、筋肉や骨も育ってきます。

離乳食も、2回食ではエネルギーや、体を作るたんぱく質だけでなく、様々な栄養素が足りなくなるため、3回食へステップアップしていきましょう。

3回食に進める目安

  • 月齢が9か月になった
  • 離乳食が口に入ったとき、口を左右に動かして食べている
  • 形がある(かたまりになっている)食べ物を歯ぐきでかんで食べようとしている

歯が生えていなくても、食べ物を口の中でよせて、歯ぐきでつぶすことが出来る時期です。やわらかくて形のあるものを取り入れましょう。

 

離乳食の時間帯は?

 3回目は、これまで授乳の時間だったところに、離乳食を追加してみましょう。

 2回食はこれまでと同じ時間で、追加する1回は、家庭の生活リズムに合わせて取り入れましょう。その場合、消化の負担を減らすためにも、遅い時間にならないように気を付けましょう。(大人も同じで、夜遅い飲食は、消化するのに時間がかかります)

  • 例 保育園に通っていて、2回は園で10時と14時に食べられるが、帰りが19時→朝の授乳の時間に、離乳食を追加する
  • 例 保育園に通っていて、朝に家で1回、10時に園で1回食べてくる→帰ってからの授乳の時間に、離乳食を追加する
  • 例 お家でお子さんを見ているので、10時と14時に2回食べている→14時の後の授乳の時間に、離乳食を追加する
  • 1日の離乳食の時間と授乳の量の目安
 

【6時】

【10時】

【14時】

【18時】

【22時】

①授乳200ml

①離乳食 + ②授乳 50ml

②離乳食 + ③授乳50ml

③離乳食 + ④授乳50ml

⑤授乳200ml

 

 食事のリズムを身に付けるためにも、授乳や離乳食は、だいたい同じ時間に与えられるよう、早寝・早起きを習慣にして、日中お散歩や遊びで動きを取り入れ、おなかのすく生活リズムを整えましょう。

 

離乳食の内容と1回の量は? 

 食事は、体を作る材料になります。そのため、成長に必要な食材を、必要な量取り入れることが大切です。

 毎食、バランスが整っているかを意識して食事をそろえましょう。(離乳食が完了してからの幼児食や、大人の食事も同じです!)

食べる経験を重ねることで消化する力が育ち、食べられる食材が増えてきます。

主食(1食当たりの目安量)

  • 5倍がゆ(80gから100g) 
  • 食パン(6枚切りなら約半分)
  • うどんやそうめん(乾麺で約15g)

主菜(1日の中で重ならないように取り入れましょう)

卵(1食当たりの目安量)

  • 全卵(2分の1個)

 全卵を消化する力がつきました。(少量ずつ増やしましょう)

魚(1食当たりの目安量)

  • 白身魚、赤身の魚、青背の魚、ツナや鮭の水煮缶(15g)

 赤身や青背の魚の脂を消化する力がついたので、食べられる魚の種類が増えます。刺身から一切れ取り分けたり、水煮の缶詰を活用したりすると簡単です。

肉(1食当たりの目安量)

  • 鶏肉、豚もも肉(15g)

 鶏むね肉や、鶏や豚のもも肉の脂を消化する力もついてきました。かみ切ることは難しいので、食べやすい大きさにして、とろみをつけるなどしましょう。

大豆製品(1食当たりの目安量)

  • 絹ごし豆腐、木綿豆腐、高野豆腐、納豆、生揚げ(40g)

 納豆はひきわり納豆くらいの大きさに、生揚げはまわりが固いので除いたものを、高野豆腐もすりおろしたりしてあげましょう。

野菜(1食当たりの目安量)

緑黄色野菜(15g)

 免疫力をあげたり、細胞の材料となるため、季節の緑黄色野菜を中心に毎食取り入れましょう。

淡色野菜(15g)

 加熱するとほんのり甘みがあり、つぶしやすい野菜が多いので、季節の野菜を中心に毎食取り入れましょう。

芋(1日30g)

 じゃがいも、さつまいも、里芋などを、1日に30gを目安に取り入れましょう。

油脂類(1日の上限の量)

あぶら(6g:小さじ1強)

 無塩バターや植物油を取り入れてみましょう

 

固さはどのくらい?

 離乳食後期になると、舌が左右に動かせるようになるため、口に入ったものを前歯でかじりとったり、舌で左右に歯ぐきに送り、つぶすことができるようになります。

 そのため、離乳食後期の固さの目安は、歯ぐきでつぶせる固さ(バナナが目安)です。お子さんの口の動かし方を見ながら、進めていきましょう。

 前歯で自分に合う一口量をかみきる動きも出てくるので、少し大きめの食材を取り入れて、自分でかみきる練習をすることも大切になります。離乳食をあげる側が、一緒に「カミカミ、もぐもぐ」など声をかけながら、楽しい雰囲気で食事をしましょう。また、口の中の食材を飲み込んでから、次の食材を入れてあげることで、丸のみなどを防ぐことが出来ます。

 

味付けは?

 これまでは、だしやたんぱく質、野菜のうま味を生かした素材中心の味でしたが、後期食になると、内臓機能が少し育ち、ほんの少しの味つけをしても処理できるようになります。しかし、大人と比べ、赤ちゃんの塩分や糖分等を処理する力は、まだまだ未熟なため、味付けはほんの少量にしましょう。

 濃い味付けは体に負担がかかるだけでなく、野菜等の素材本来の味を練習している離乳食の進みが悪くなることも考えられます。

 かつお節や昆布などのうま味を活用しながら、素材の味を活かした離乳食を基本に進めましょう。

砂糖(3g:小さじ1) 処理する力が弱いので、無理に与える必要はありません。与えるときは、上限量に気を付けましょう。

塩分(1g程度:しょうゆなら小さじ1程度) 砂糖と同じく、取りすぎは内臓の負担になります。無理に与える必要はありません。

 

食後の授乳量は?

 胃の大きさは、個人差はありますが、ミルクを1回200ml飲むお子さんであれば、胃の大きさはおおよそ200mlと考えます。

 授乳だけの時も、離乳食が入っても、胃の大きさは変わらないので、離乳食を食べる量が増えると、食後の授乳の量は自然と減ってきます。母乳の方は、量は見えませんが、食後の授乳の時間が短くなったり、集中して飲む時間が短くなった、などが考えられます。

 この時期になると、1日に必要な栄養の約70%を離乳食からとるようになるため、離乳食と食後の授乳の割合は、離乳食が多くなり(4分の3程度)、食後の授乳は約50ml(4分の1程度)になっていきます。

 食後の授乳量が減らない場合は、離乳食の量が少ない、離乳食の形態があっていない等がないか、振り返ってみましょう。

フォローアップミルクは必要?

 フォローアップミルクは、生後9か月から使用できる、育児用ミルクです。不足しがちな鉄分が強化されていますが、離乳食がバランスよく順調に進んでいれば、フォローアップミルクを与える必要はありません。

 離乳食が進まず鉄欠乏のリスクが高い場合や、適当な体重増加が見られない場合には、医師に相談した上で、必要に応じてフォローアップミルクを活用すること等を検討しましょう。

 

赤ちゃん用のお菓子、飲み物について

 市販されている赤ちゃん用のお菓子や飲み物には、「生後○か月ころから」などの開始月齢が書いてあるため、その月齢がきたら「必ず与えないといけない」と感じている方もいるかもしれません。しかし、これらの菓子類や飲み物には、砂糖や食塩が含まれているものが多く、糖を処理するすい臓や、塩分を処理する腎臓などに負担がかかるため、与える必要はありません。

 この時期に限らず、離乳食が完了して乳児食、幼児食になっても、お菓子や糖分を含んだ飲み物は不要です。

 

手づかみ食べが盛んな時期です

 手の使い方や口の動かし方が上手になり、“自分で食べたい!”という欲求もわいてくる時期のため、個人差はありますが、離乳食の時に自分から食事に手をのばし、口に運ぶ「手づかみ食べ」が見られるようになります。

 はじめのうちは、口に入る前に手でぐちゃぐちゃにしたり、口のまわりだけでなく顔や頭まで汚れることもあり、一見遊んでいるようにも見えますが、これは「この食べ物はどんな感触?」「どうしたら口に入れられる?」と食べ物の形や感触を自分で経験しながら学んでいるのです。この経験を積み重ねることで、自分の一口大がわかったり、どうしたら口にうまく入れられるか、といった手と脳の連動運動が上手になっていき、スプーンやフォーク等の道具を使って食べることにもつながっていきます。

「手づかみ食べ」への意欲が見られたら、離乳食をつかみやすい形態で準備したりして、手づかみ食べをさせてあげましょう。汁物や納豆などの、汚されたくないな、という食材の時は、介助用とは別のスプーンを持たせてあげるなどして、やりたい欲求を満たしてあげましょう。

 また、「汚れるから」と手づかみ食べを禁止するのではなく、汚れても良いように、床に新聞紙やビニールシートを敷いたり、服の袖をまくる、汚れても良い服に着替えるなどの、汚れてもよい環境づくりをすることも大切です。

 しかし、遊び食べも盛んになる時期のため、食への意欲が見られなくなり、遊びになったら「ごちそうさま」をして食事を切り上げましょう。食事時間は全体で15分から20分くらいが目安です。

 「手づかみ食べ」への意欲が見られないお子さんは、ゆでた野菜をスティック状にしたものなどの持ちやすいものを手に持たせてあげるなどをしながら、時期が来るのをおおらかな気持ちで見守りましょう。

 

離乳食に関するお問い合わせ

離乳食のお悩みやご相談がありましたら、健康増進課までご連絡ください。

  • 会津若松市役所 健康増進課 保健指導グループ
  • 電話番号:0242-39-1245
  • ファックス番号:0242-39-1231
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