河川の環境保全の取り組み -復活!川の生き物-

公開日 2020年09月17日

更新日 2020年09月25日

 

 本市では昭和57年(1982年)に下水浄化工場が稼動し、生活排水の処理が本格的に始まりました。

 当時はほとんどの家庭の生活 排水が道路側溝や小川を通して河川に排水されていたため、市街地では川が汚れ、魚などは住めない状況になっていましたが、その後、下水道や合併浄化槽が普 及し、生活排水が未処理のまま川に排出されなくなるに連れて、年々河川の水質は改善してきています。

  平成10年(1998年~)代には市街地周辺部の河川でザリガニや小魚が確認されるようになり、最近は市街地の狭い水路でもザリガニや小魚が泳ぐ姿が見られたり、湯川の中流域(市街部)でもホタルが見られるようになってきています。

 

動画 街なかに戻ってきた魚

  

 

 

 

 

 川が汚れて一度はいなくなった魚たちが、街なかの小さな水路に戻ってきています。

 

 皆さんの家の近くにも戻っているかもしれませんよ。

 

 

 

 

 

 

 

目次

  下記の項目をクリックするとその項目までジャンプします。

    

1 湯川水系河川の水質の推移

湯川水系BODグラフ昭和56年から平成31年まで.jpg ※画像をクリックすると拡大表示されます

湯川水系の水質(BOD平均値)の推移をグラフにしました。

グラフを見ると、ほとんどの河川で継続して水質が改善していることがわかります。

 

 

※BODとは

 BODは、直訳すると「生物化学的酸素要求量」になり、水に含まれる有機物を微生物が取り込む(食べる)ときに一緒に使われる酸素量のことを意味します。

 水中にいる好気性(酸素を使って生きている)の微生物は、水中の有機物を取り込んでエネルギー源、栄養源としますが、その際には水中の酸素も使います。

 そして消費される酸素の量は微生物が取り込む有機物の量に比例して増加します。

 ですから、消費される水中の酸素量(BOD)が多い、ということはそれだけ有機物の量も多いことになり、水が汚れていることになります。

  

 市内主要河川のBOD(昭和59年から平成31年まで)の推移表.pdf(32KB)

 

  平成30年度の水質調査の結果では、環境基準を超過した地点はなく、概ね良好な水質が保たれています。しかし湯川に流入する古川、黒川排水路等の流域でまだ下水道が普及していない地域があり、生活排水の影響で湯川への流入箇所周辺では水質が局地的に悪化することがあります。

 きれいな河川を維持するために、下水道への接続がまだのご家庭では接続をお願いいたします。

 

 ※上のグラフでは城西橋が古川御旗町が黒川排水路になります。

 ※下水道関連のページはこちら

 ※猪苗代湖のページはこちら (猪苗代湖の水環境保全の取り組みなど)
 

2 戻ってきた生き物たち

 

○市街地の水路

 昭和の終わり頃の市街地の小川は、生活排水で汚されて魚や水生生物が棲める状況ではありませんでしたが、最近は下水道の普及により水質が改善し、市街地のちょっとした水路でも水辺の生き物が見られるようになってきています。

 

 この写真にも、生き物が写っているのがわかりますか?


 


 

  •  

 

 

 

 上の写真をズームアップするとアメリカザリガニがいました。

   

 あなたの家の近くの小川はどうでしょうか?

 水辺の生き物が戻って来ているかもしれません! ぜひ探してみてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○湯川を飛ぶホタル                                             

 湯川の中流域ではホタルが飛び交う姿が見られます。

 

 黄色っぽい点や線はすべてホタルです。

 中央にうっすらと湯川の流れが確認できます。

 

 最近は、国道118号より下流の湯川でもホタルが確認されるようになりました。

 市街地でもホタルが見られるようになったらうれしいですね。

  

 

 

 会津若松市には他にもいろいろな種類の魚が棲んでいますが、「身近な生き物大図鑑」というホームページで、いろいろな魚を写真付きで紹介していますので、 こちらもぜひご覧ください。

 

 「身近な生き物大図鑑」のページはこちら

 

 

 

3 みんなで実行しよう!水環境保全への取り組み

 

  •  川が汚れると見た目が汚いだけでなく、ユスリカなどの虫が大量に発生したり、悪臭が発生して窓が開けられなくなるなど、生活する上での環境が悪化します。
  •  私たちのかけがえのない水環境を守っていくためには、みんなで協力していくことが大切です。

 

 ★鶴城小学校の児童が作った、川とそこに棲む魚を守ることを訴えるポスターです。詳しく調べられていて、思いが伝わってくる内容です。

 

  • 川を汚す原因は?


   川を汚す原因で最も多いのは生活排水と言って台所の洗い物やお風呂、洗濯機などの排水で、全体の半分がこの生活排水になります。(図1:河川などの汚濁の原因)
  また、生活排水の中でも台所から出る汚れは全体の半分近くになります。(図2:1日1人当りの負荷割合)

  下水道や合併浄化槽につないでいないと、人が出す汚れの約70パーセントを占める生活雑排水(図2)は処理しないまま近くの川などに流れることになります。

   ※下水道や浄化槽については、こちらの下水道関連のホームページをご覧ください

 

   図1                                     図2    
汚濁の原因    負荷割合

  • 家庭での取り組み
  • 下水道や合併浄化槽を使用する
  • 浄化槽の維持管理を適切に行う   ※浄化槽を適切に管理をしないと汚水はきれいになりません。
  • 調理くずや食べ残しを流さない
  • 食用油は絶対に台所などに流さない   ※油を流すと排水管がつまる原因になります。
  • 食器等の油汚れはふき取ってから洗う

 

  • 地域での取組み
  • 水路にごみや刈り取った雑草などを流さない
  • 地域や川の清掃活動などに積極的に参加する

 

 ◎今後も引き続き、生活排水対策にご協力をお願いします。

 

4 市内の主要な河川と水質調査地点

水質調査地点図市街地.png

                                               

                  

                     

 

  会津は「山紫水明の地」といわれますが、本市は決して水が豊富というわけではありません。

河川の上流部に位置し、山間部からの湧き水のような小さな流れが集まり河川となっているのが現状で、主要河川である湯川や不動川なども水量は多いとは言えません。

 

 そのため本市では、戸ノ口堰の水が市街地を経由して郊外の水田に送られていたり、門田堰の農業排水が住宅地の水路を経由して河川に流れ込んでいるなど、農業用水として利用すると同時に、環境維持用水としての役目も果たしています。

 

 ですから本市では、水田などの農業用水は事業場排水や生活排水の影響を受けやすく、水路や河川の水量は水田稲作で水を使わなくなる秋から春にかけて著しく減少するという特徴があります。

 

 

 左の図は市内を流れる主要な河川と水質調査を行っている地点を表しています。

 太い枠で囲まれたのが河川・水路名で、細い枠で囲まれたのが調査地点になります。

 

 

 ※番号が振ってあるのは環境生活課で行っている調査地点で、番号がないのは下水道課で調査をしている地点です。

 

 ※6.溷川合流前と6.倉橋は1年おきに交互に調査しています。

 

 

 

お問い合わせ

 

  • 会津若松市役所 環境生活課 環境グループ
  • 電話:0242-39-1221
  • FAX:0242-39-1420
  • メール送信フォームへのリンクメール