○会津若松市自治基本条例

平成28年6月29日

会津若松市条例第17号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第3条)

第2章 まちづくりの主体としての役割及び責務(第4条―第7条)

第3章 情報共有によるまちづくり(第8条―第10条)

第4章 参画及び協働によるまちづくり(第11条―第15条)

第5章 市政運営(第16条―第19条)

第6章 国、他の自治体等との連携及び協力(第20条)

第7章 条例の検証(第21条)

附則

会津若松市は会津盆地の東南部に位置し、周囲には広大な山々や猪苗代湖が隣接しており、四季折々の表情豊かな自然にあふれています。また、鶴ケ城を有する城下町として長きにわたり豊かな伝統や文化が脈々と受け継がれ、「ならぬことはならぬ」という言葉に代表される什の掟や會津藩校日新館の道徳教育による人材育成によって培われた會津人の心が今も息づいているまちです。

私たちは先人達が汗を流し築いてきた歴史を誇りに思い、會津人としての自律心を胸に、子どもから高齢者まで誰もが幸せに暮らしていけるまちを築き、次の会津若松市を担う世代へと引き継いでいかなければなりません。

そのために、私たち市民や議会、市長等が市政運営に関する情報を共有しながら、まちづくりへの主体的な参画や協働により公共的な課題の解決を図っていくことや、年齢や性別、障がいの有無等の互いの違いを認め合い多様性を尊重すること、ともにまちづくりを担う人材の育成に努めること、地域の歴史や文化、自然といった大切な資源を守り、伝え、生かしていくことといった考え方を基本としながら、私たち自身がまちづくりの主役であることを自覚し、まちづくりへの意欲をもって一人ひとりが他を思いやり、支え合うことで人と人とのつながりを大切にする、いきいきとしたまちづくりを進めていくことが必要です。

そうした考えのもと、私たちは自らの意思で自治による自主自立のまちをつくることをここに決意して、自治の基本となるこの条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、会津若松市における自治の基本的な理念及び仕組みを定め、市民、議会及び市長等の果たすべき役割を明らかにするとともに、まちづくりに関する基本的な事項を定めることにより、自治の確立を図り、もって自主自立のまちを実現することを目的とする。

(条例の位置付け)

第2条 この条例は、会津若松市における自治の基本を定めるものであり、市民、議会及び市長等は、この条例の趣旨を尊重するものとする。

(定義)

第3条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 市 基礎自治体としての会津若松市をいう。

(2) 市民 市の区域内に住所を有する者をいう。

(3) 市民等 市民及び市の区域内において働き、学び、又は活動する個人又は団体をいう。

(4) 市長等 市長、上下水道事業管理者、教育委員会、選挙管理委員会、公平委員会、監査委員、農業委員会及び固定資産評価審査委員会をいう。

(5) 参画 市の政策の立案、実施、評価及び見直しの各段階における意思形成に関わること並びに様々な公共的な活動に関わることをいう。

(令元条例69・一部改正)

第2章 まちづくりの主体としての役割及び責務

(市民の役割及び責務)

第4条 市民は、地方自治法(昭和22年法律第67号)に定める権利及び義務を有するほか、市政に関する情報について、公開及び提供を求めることができる。

2 市民は、まちづくりの主体であることを認識し、権利の行使に責任をもってまちづくりに参画するよう努めるものとする。

(議会及び議員の役割及び責務)

第5条 議会及び議員の役割及び責務に関し必要な事項は、会津若松市議会基本条例(平成20年会津若松市条例第19号)に定めるところによる。

(市長等の役割及び責務)

第6条 市長は、市民の信託を受けた執行機関として、地方自治法に定める権限を公正かつ誠実に執行するものとする。

2 市長は、市民の代表として、広く市民の意見を聴き、及び市民の実情を把握するとともに、自らの発言及び行動に責任を持って市政運営に当たるものとする。

3 市長等は、地方自治法その他の法令に定める自らの権限の執行について、市民及び議会への説明責任を果たすものとする。

(市職員の役割及び責務)

第7条 市職員は、市民の生活の向上のため、法令を遵守し、及び使命感を持って、公平及び公正に職務を遂行するものとする。

2 市職員は、多様化する地域課題の解決のため、不断の自己研鑽に努めるものとする。

3 市職員は、組織横断的な視点に立って職務を遂行するものとする。

第3章 情報共有によるまちづくり

(情報の提供及び共有)

第8条 議会及び市長等は、それぞれ保有する市政に関する情報の提供により、市民との情報共有に努めるものとする。

2 議会及び市長等は、前項の情報の提供に当たって、適時、適切で分かりやすい内容となるよう努めるとともに、提供の手法について不断の改善に努めるものとする。

3 市民は、市政に関する情報の積極的な把握に努めるものとする。

(情報公開)

第9条 議会及び市長等は、市政に関する情報の公開を保障するため、会津若松市情報公開条例(平成15年会津若松市条例第1号)で定めるところにより、必要な措置を講じるものとする。

(個人情報保護)

第10条 個人に関する情報の収集、管理及び利用について、議会は会津若松市議会個人情報の保護に関する条例(令和4年会津若松市条例第24号)で、市長等は個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)で定めるところにより、必要な措置を講じるものとする。

(令4条例25・全改)

第4章 参画及び協働によるまちづくり

(参画)

第11条 市民は、自発的かつ主体的なまちづくりへの参画に努めるものとする。

2 議会及び市長等は、市民がまちづくりに参画する意識の高揚及び参画する機会の創出に努めるものとする。

3 市民等、議会及び市長等は、会津若松市男女共同参画推進条例(平成15年会津若松市条例第29号)で定めるところにより、男女平等の意識づくりに努めるとともに、男女共同参画社会の形成を推進するものとする。

(コミュニティ及び協働)

第12条 市民は、コミュニティ(居住する地域、関心又は目的を共にし、自主的に形成される組織及び集団をいう。以下同じ。)の活動を尊重するとともに、積極的な参画に努めるものとする。

2 市民、議会及び市長等は、コミュニティへの参画意識の高揚に努めるものとする。

3 市民及び市長等は、コミュニティの活動への関わりを通じ、市長が別に定める協働に関する指針等に基づき、協働(それぞれの立場を信頼、尊重し、特性を活かし必要に応じて補いながら、それぞれの力を結集し、公共的な課題の解決又は目標の実現に向けて取り組むことをいう。以下同じ。)を推進するものとする。

4 市民及び市長等は、前項の規定により相互に協働の意識を高めるとともに、協働の機会の創出に努めるものとする。

5 議会及び市長等は、地域におけるコミュニティの活性化を図るため、地域の実情を踏まえ、地域のことを市民が自ら考えて実行できる仕組みについて検討するものとする。

(市民意見の公募)

第13条 市長等は、条例並びに第16条第1項に規定する総合計画及び行政の各分野における計画(次項において「条例等」という。)の案の策定に当たり、必要な事項を公表し、市民等の多様な意見の提出を広く求めるよう努めるものとする。

2 市長等は、前項の規定により提出された意見を検討し、条例等の案を決定するとともに、当該提出された意見に対する市長等の考え方を公表するものとする。

3 市長等は、前2項に定める市民意見の公募について、その周知に努めるものとする。

4 前3項に定めるもののほか、市民意見の公募に関し必要な事項は、別に定める。

(市民の意見等への対応)

第14条 議会及び市長等は、前条に定めるもののほか、市民の意見、要望等を把握するための機会の創出に努めるものとする。

2 議会及び市長等は、前項の意見、要望等に対して誠実に対応するものとする。

(審議会等への参画)

第15条 市長等は、市民の意見を市政に反映させるため、市長等が設置する審議会等への市民からの公募による委員の参画に努めるものとする。

2 市長等は、審議会等への市民の参画について周知するとともに、前項の公募に当たり、様々な立場の市民が参画できるよう努めるものとする。

3 前2項に定めるもののほか、審議会等への市民の参画に関し必要な事項は、別に定める。

第5章 市政運営

(総合計画)

第16条 市長は、市政の総合的かつ計画的な運営を図るための中長期的な計画の基本理念、基本目標、政策、施策等を体系的に示した基本構想及び基本計画等を内容とする総合計画(以下「総合計画」という。)を策定するものとする。

2 市の政策、施策及び事務事業は、総合計画に基づくことを基本とする。

3 市長は、総合計画を策定するに当たっては、市民の意向を反映した内容とするため、その策定過程において市民の参画の機会を設けるよう努めるものとする。

4 市長は、基本構想及び基本計画の策定、変更又は廃止に当たっては、議会の議決を経るものとする。

(行政評価)

第17条 市長は、効果的かつ効率的な市政運営を図るため、行政評価により総合計画の進行管理を行うものとする。

2 市長は、前項の行政評価の結果に基づき、事務事業の改善及び見直しを図るとともに、当該行政評価の結果を分かりやすく公表するものとする。

3 市長は、第1項の行政評価を行うに当たっては、その客観性、信頼性及び公平性を確保するため、第三者による評価の手法を取り入れるものとする。

(財政運営)

第18条 市長は、最少の経費で最大の効果を挙げる市政運営を図るため、中長期的な視点により、健全な財政運営を行うものとする。

2 市長は、総合計画及び行政評価を踏まえた予算編成及びその執行に努めるものとする。

3 市長は、財政状況を分かりやすく公表するものとする。

(危機管理)

第19条 市長等は、市民等の生活の平穏を守るため、災害等の危機に的確に対応するための体制を整備するとともに、その体制が機能するよう周知を図るものとする。

2 市民等は、災害等の発生時において、自らの安全の確保を図るとともに、相互に協力して災害等への対処に努めるものとする。

3 市民等、議会及び市長等は、危機管理の意識の高揚に努めるものとする。

第6章 国、他の自治体等との連携及び協力

第20条 市は、国、他の自治体及び関係団体との適切な役割分担のもと、単独では対処できない課題、共通する課題及び広域的課題を解決するため、相互の連携協力に努めるものとする。

第7章 条例の検証

第21条 市民、議会及び市長等は、この条例の内容について、社会経済情勢の変化等を勘案し、適宜検証するものとする。

2 市長は、前項の検証の結果を勘案し、必要があると認めるときは、所要の措置を講じるものとする。

3 市長は、前項の措置を講じるに当たっては、市民の意見を反映するよう適切な措置を講じるものとする。

4 市長は、前3項の規定による検証等の結果について公表するものとする。

この条例は、公布の日から施行する。

(令和元年12月23日条例第69号)

(施行期日)

1 この条例は、令和2年4月1日(以下「施行日」という。)から施行する。ただし、第2条の規定(会津若松市水道事業給水条例第2条第1項及び第5条の改正規定を除く。)、第9条中会津若松市下水道条例第8条の3の改正規定及び次項の規定は、公布の日から施行する。

(準備行為)

2 この条例の施行日以後の下水道事業の実施に関し必要な準備行為は、施行日前においても行うことができる。

(令和4年12月19日条例第25号抄)

(施行期日)

第1条 この条例は、令和5年4月1日から施行する。

会津若松市自治基本条例

平成28年6月29日 条例第17号

(令和5年4月1日施行)

体系情報
第1編 規/第1章
沿革情報
平成28年6月29日 条例第17号
令和元年12月23日 条例第69号
令和4年12月19日 条例第25号