【河東地域づくり委員会】河東地域 全53集落を対象とした集落点検の結果を報告します

公開日 2026年02月06日

令和6年6月10日から12月5日にかけて、河東地域集落支援員が53集落の区長に聞き取り調査をしました。その内容をお知らせします。なお、内容は集落支援員の考察です。

  • 集落点検とは:行政と連携し、集落が抱える課題や集落の魅力を点検し整理すること
  • 集落点検の目的:集落の現状や課題、あるべき姿等について、河東地域づくり委員会において話し合いを行い、集落の維持・活性化に向けた取り組みに活用する。また、令和8年度からの第2期河東地域づくりビジョンの策定へ反映することで、地域の活性化につなげる

以下の内容は一部抜粋です。詳細は、PDFをご覧ください。集落点検報告(R8.2.6)[PDF:2.28MB]

【集落行事】どのような集落行事があるのか

人足作業

 草刈り・堰ざらい・水路清掃・ゴミ拾い・農道補修・水路補修・立ち木伐採など多岐に渡る作業が行われています。中には、土地改良区からの委託を受けたり、多面的機能発揮促進事業を活用して作業を行ったり、また参加者への還元を行ったりしている集落もあります。人口減少や高齢化、ライフスタイルの変化により、人足作業を維持していくのに苦慮している状況もあります。可能な範囲で行ったり、外部への委託を視野にいれたりしている集落もあります。

祭り・祭礼

 各集落に祭られている神社での例大祭や風祭りなどが、多くの集落で行われています。コロナ禍で祭り後の直会などが簡素化したり、行われなくなったりした集落も散見されます。一方で盆踊りを復活させたり、集落住民の交流を深めるために、新たな祭りを開催したりするなどしている集落もあります。

歳の神

 農家の減少により、わら集めが困難になったり、組み立ての手間などの負担や開催場所の荒廃などの環境の問題から、開催を取りやめたり、取りやめを検討したりしている集落があります。一方で、子どもたちの楽しみや伝統の継承といった観点から存続に向けて対応しているところもあります。働き方の多様化により、参加しやすい休日に開催するなど工夫をしているところもあります。

村休み

 村休みは農作業の労をねぎらい、集落の連帯感を高める機能を持っていたと思います。しかし、離農や兼業化の増加などの社会構造の変化により、村休みの日数を絞ったり、村休み自体をやめたりした集落が多くなりました。集落のコミュニケーションを図るために、集落行事の日を村休みに位置付けるなど工夫をしている集落もあります。

集落行事と連帯感:集落行事は、集落の連帯感を様々な形で醸成すると考えられます

  • 人足作業:集落の住民が共に汗を流し、協力して一つの目標を達成する機会を提供します。このような共同作業を通じて、住民間のコミュニケーションが活発になり、相互理解や協力意識が深まると思われます。
  • 祭り・祭礼:集落の歴史や文化を共有し、一体感を育む機会となります。準備段階から多くの住民が関わり、役割を分担することで、集落の一員としての意識が高まると考えます。共に喜びや楽しみを分かち合うことで連帯感が生まれます。

 各集落の意向にもよりますが、集落行事の維持に向けて、貢献できる部分でのサポートの検討が必要と思います。

【伝統文化・史跡】どのような伝統文化があるのか。また、どのような史跡があるのか

 伝統文化として、集落内の社寺の祭りを挙げる集落が多くありました。過去にはあったが現在は無くなった伝統文化としては、彼岸獅子や歳の神、盆踊りなどが挙げられました。無くなった理由としては、コロナ禍で休止したが、そのまま行事が取りやめになってしまったことや、担い手を確保できず継承されなくなったことなどが挙げられます。
 史跡は無しと答える集落が多数となりました。すでに現存していないものがあり、認知度が低い傾向にあるようです。
 伝統文化や史跡は、各集落はもとより、河東地域全体の魅力にも関わる事柄であるので、様々な場面で周知を図ることが大切と思われます。
 

【各種団体】どのような団体があるのか

 青年会や婦人会の組織率が低位となっています。若い世代の地域外への流出が進行しているものと思われます。それに伴って、子どもの減少により育成会の組織率も50%未満となっています。子どもたちの活動が多様化していることや親世代の負担感の増大なども要因となっているように思われます。老人クラブは、高齢化により事務を担えなくなり解散するケースや、市への登録をしないで緩やかに繋がり、活動しているところも増えています。若い世代と高齢者が交流できるイベントなどを通じて地域コミュニティの活性化を目指す必要があると思われます。

【商店・企業】どのような商店・企業があるのか

 多くの集落で、商店・企業の数が少ない、あるいは存在しない状況が見られます。特に食料品など日常生活を支える商品を扱う商店がない状況です。運転ができない一人暮らしの高齢者の中には交通量の多い道を、徒歩や自転車、シニアカーで遠い距離にある店へ買い物に来ている状況もあります。
 地域には長年に渡り、ものづくりの根幹を支えてきた企業があります。また、磐梯河東インターチェンジの近くにある河東工業団地には、発電や製造を主とする企業が立地しており、河東地域内外の若い世代が生き生きと働いています。

雇用

 企業は雇用機会を地域住民に提供するとともに、若い世代の都市部への流出を抑止・緩和する役割を担っているものと思います。

地域活動への協力

 集落の中には、商店・企業からの協力金を得て、集落運営に役立てているところがあります。

地域活動への関与

 集落の伝統文化への関わりとして、集落内に伝わる社の祭礼を執り行ったり、近隣集落を招いて、新年会など懇親を深める行事を開催している企業があります。

商店・企業を取り巻く今後

  • 集落内に商店がなくなり、高齢化がさらに進むと、買い物に出るのもままならなくなることから、移動販売や買い物支援が必要になり、それに伴う形で、地域内交通の「みなづる号」も移動手段の一つとして、注目度が増すものと思われます。
  • 河東工業団地をはじめ、魅力的な企業が立地しており、さらなる雇用機会の創出と若い世代の流出への抑止効果が期待されます。

その他

 土地の活用という側面で、太陽光発電事業者は集落と関わっていますが、転々と事業者が変わり、関係が困難になってきているケースがあるようです。

【公共施設】公共施設はあるのか

 全集落に集会施設があります。また、一部の集落には農村公園があります。集会施設の中には、施設の老朽が顕著で、修繕や建て替えが必要なところがありますが、集落住民の意見の集約が必要だったり、費用の問題を懸念されたりしている集落もあります。また、エアコンが無く、夏場の利用が困難な集落もあります。
 農村公園にある遊具の劣化が進行しているところがあります。遊具の更新がされず、安全の観点から使用禁止にしているところがあります。また、高齢化や人口減少などで公園内の草刈りなどの維持管理に苦慮している集落もあります。

公共施設の役割と課題

地域のコミュニケーションの場

 コロナ禍があり、集落にある集会施設の利用が少なくなり、集落の総会のみの使用と回答されたところが複数ありました。

  • 防災拠点や交流スペース、地域活動の場など、多目的に活用することで、施設の重要性を再確認する必要があると考えます。祭りの復活や趣味の同好会などで、利活用を促進する動きも見られます。
  • 集落には無くてはならない施設であることから、修繕や建て替え、設備の更新、維持管理については、集落のみで抱え込まず、行政と連携し打開を図る道を探ったり、助成事業の活用を模索したりするなど、行動を起こす必要があると思われます。

【交通手段】交通手段を持たない者が出かける際の交通手段について
      最寄りの公共交通の乗降場所はあるか(駅・バス停)

 通院や買い物の際の交通手段は、「家族の車に同乗」が多数を占めました。一人暮らしの高齢者は、近所の方が送迎をしてくれたり、近所の方に買い物を頼んだりと、助け合いの姿が見られます。最寄りに路線バスのバス停があるとの回答が比較的多くありましたが、高齢者にとっては、バス停までの距離が遠く移動がたいへんであることや、時間に縛られるなどで、路線バスは、通学を除くと利用は少ないようです。また、地域内交通の「みなづる号」は、通院や買い物に利用される方が限定的となっています。

【交通手段】地域内交通「みなづる号」について

 「みなづる号」の認知度は低い状況です。また集落の乗降場所は知っていても利用経験のある区長はいませんでした。聞き取りの中で挙がった「みなづる号」に対する意見・要望は以下の点に集約されます。

思い立ったときに利用できない:事前予約制で帰りの時間が読めない場合は予約が難しい

  • 当日予約ができないか。また、高齢者が予約しやすい方法にできないか。
  • 予約無しでも利用できる運行形態(定時巡回など)にできないか。

集落内に設定されている乗降場所までの移動が困難である。

  • 高齢者にとっては、数十メートルの移動でも難しい場合がある。
  • 戸口から目的地、目的地から戸口への運行が理想だ。

そもそも運行地域外である。

  • これから運転できなくなることを考えると集落に「みなづる号」は必要だ。
  • 同じ地域内で「みなづる号」が運行されていないことは一体感を欠く。

運行が河東地域内で止まっている。

  • 会津中央病院や竹田綜合病院など、地域外の目的地への運行をできないものか。

交通手段の現状と将来

 現状では、自家用車が主な交通手段ですが、高齢化が進むにつれて、運転が困難になる人が増えることが予想されます。そのため、地域内交通である「みなづる号」の充実が重要になると考えます。
 地域住民のニーズに合った運行形態の検討や予約方法の改善、無料体験乗車会の企画を通してPRの強化を図るなどして、高齢者が安心して暮らせる地域づくりを目指す必要があると思います。

【防災】集落内で防災上危険だと思うものはあるか

水害・水路の問題

 ハザードマップで水害の危険性を示されている集落は、自主防災組織を設立して活動したり、設立に向けて集落内の意見集約を図ったりしているところもあります。水路の問題は、恒常的なものではなく、草木やゴミによる詰まりなどによるものがほとんどで、深刻な状態ではないようです。多くの集落では、人足作業などで、水路の清掃や点検が定期的に行われています。

獣害

 熊やイノシシ、シカなどによる被害を、防災のくくりとして挙げられるところがあります。最近は出没情報も増えてきており、農作物の被害のみにとどまらず、住民の安全を脅かす脅威となってきています。

空き家

 空き家の倒壊や部材の飛散が懸念されています。不審者や動物の侵入や、放火の危険性も問題視されています。

火の見やぐらの撤去に伴う集落の放送設備の移設

 火の見やぐらに設置されている集落の放送設備のスピーカーの移設を迫られている集落があります。防災を呼び掛ける際にも活用される集落内放送ですが、費用の問題などから、なかなか移設が進展しない現状があります。

自主防災組織設立に関して

 必要性を感じている意見がある一方、「災害が少ない」「避難などの災害対応の経験がない」「高齢化が進んでいる」などの理由から設立に消極的な意見や様子見の姿勢を示されるところもあります。組織の維持や担い手不足を懸念する声、集落の役員が組織の役員を兼務することによる負担増を懸念する声も上がっています。

消防団活動

 消防団員の高齢化や後継者不足が深刻になってきています。それに伴って、消防機器があっても操作方法が分からず、いざというときに使用できなくなるのではないかと心配をされる集落もありました。

自主防災組織設立に関する意向・意見(主なコメント:コメントは集落点検時のもの)

考えていない

  • 組織を立ち上げて維持できるかが問題だ。継承する若手がいない。
  • 集落役員が、複数の役職を担っているのでこれ以上増えるのは厳しい。
  • 特段、想定される災害がない。
  • 人口減少や高齢化で設立は難しい。

様子見

  • 集落の意見集約が必要。集落の業務をこれ以上増やさないでほしいという意見もある。
  • 災害の経験がないので何をやってよいのか分からない。

必要性は感じる

  • 必要性は感じているが、優先度の高い事案の対応がある。
  • 小型ポンプの返還や屯所、火の見やぐらの撤去、消防団の再編などを考えると今後、設立を検討する必要性が出てくるかもしれない。

集落へ提案してみる

  • 来年3月の総会で提案してみる。今年度で区長を退くが、設立の気運が集落で高まれば、関わっていく旨、伝えるつもりだ。婦人会と炊き出しなど連携できればよいと思う。

設立に向けて準備中

  • 設立に向けて集落で根回し中。市危機管理課の出前講座の受講を検討中。

設立し活動中

  • 設立当初は補助金で防災リュックを購入し、各戸へ配布した。令和6年度は、11月に二つの組を対象とした避難訓練を行う予定だ。
  • 設立を重く、難しく考える必要はない。集落の危険箇所の共有や地域として互いに目配りができる関係を築くことを目的にすればよい。まずはスタートして、順次変えていければよいと思う。

【将来】10年後に集落の人口・世帯数はどうなっているか

 多くの区長が人口と世帯数の減少、特に若者の流出と高齢化の進行、そして空き家の増加を予想しています。一部の集落では現状維持と予測されていますが、全体として、人口や世帯数は減少傾向と思われます。

【将来】集落の担い手(集落・農事組合役員等、各種団体(消防、育成会、老人クラブ)構成員)はいるか

 集落の役員や農事組合、消防団、老人クラブといった各種団体のメンバーの減少や後継者不足が深刻化しています。特に、若い世代からは、仕事との両立の難しさや、役員の負担の大きさなどが課題として指摘されています。団体の統合や、近隣地域との連携の必要性を話された区長もいました。多くの集落で組織の維持が困難になる可能性があると思われます。

【将来】集落の伝統文化は継承されるか

 若い世代(青年会など)の関与や人口減少などが、継承を左右する要因として挙げられています。一部の伝統文化は継承される一方で、担い手不足や時代の変化により廃止の危機にひんしているものもあります。集落の生活習慣や祭礼など、維持可能なものは継承され、負担が大きいものは自然消滅する傾向にあるようです。若い世代への伝承や集落全体の連携が今後の課題と思われます。

【将来】単一集落でできなくなることはあるか

 高齢化や人口減少により、すでに大字単位や近隣集落と合同で参加することになっているスポーツ行事への参加や、消防団活動が困難になってきたりしている状況が改めて浮き彫りになりました。また、農道や水路の管理、堰の管理、草刈り作業などの人足作業が困難になり、作業範囲の削減で対応している集落や一部委託を視野に入れているところもありました。集落間の新たな連携のあり方を検討する必要があるかと思われます。

【その他】そのほか集落で課題や問題はあるか

 前出の設問で、ほぼ集落の課題や問題として、人口減少や高齢化、若い世代の流出、担い手不足などが確認され、他に追加として特筆するものはありませんでした。

多面的機能発揮促進事業の多面的機能支払への取り組みについて

 前出の各種団体の設問の「その他」に、中山間地の八田地区を除く、堂島・日橋地区において、当事業への取り組みを回答される集落が数多くありました。集落で実感している利点と懸念は以下に集約されました。

  • 事業に取り組んでいる:15集落
  • 取り組みをやめた  :3集落
  • 取り組み検討中   :1集落 

利点

  • 事業からの還元があり人足作業への参加意欲が向上
  • 集落の環境保全活動の推進
  • 集落の活性化とコミュニケーション向上
  • 地域活動の資金確保

懸念事項

  • 事務処理が煩雑
  • 事務処理ができる方が限られているので、取り組みの継承に不安
  • 事業内容の理解が難しい

 数多くの利点があるものの、多くの集落で、事務処理が煩雑で、特定の方に頼っている状況があります。この点が足かせとなり、取り組みをやめた集落もあります。多くの集落が取り組める様に、報告業務の簡素化の検討や、継承に向けた研修を行うなどが必要と考えます。

集落の良いところはどのようなものか

 高齢者住宅の除雪の助け合いや集落行事への参加協力、良好なコミュニケーションが図られているなど、「人」との関わりを集落の良いところと回答するところが数多くありました。一方で、若い世代が集落に定着し、子どもたちの声が聞こえて活気があることが良いところと回答したのは五つの集落にとどまりました。

集落のありたい姿はどのようなものか

 子どもたちや孫世代が生活を継続できる生活基盤があってほしいといった集落の継承を挙げられる集落が多くありました。高齢化に伴い地域内交通の充実や必要性を回答された集落もありました。集落の良いところに挙がった、協力的で、助け合いや声掛けがある良好な人間関係が続いてほしいと望まれる集落もありました。若い世代の定着の希望・要望についても切実となっています。

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