公開日 2025年11月20日
令和7年度税制改正により給与所得控除の見直しや、各種扶養控除等に関する所得要件の引き上げ、特定親族特別控除の新設が行われました。
これらの改正は令和7年1月1日から12月31日までの所得を基礎とする、令和8年度個人住民税(市・県民税)から適用されます。
なお、所得税で適用される「基礎控除」や「給与所得控除」に関する見直し、「特定親族特別控除」の創設については、国税庁ホームページをご参照ください。
給与所得控除の見直し
給与所得者に適用される給与所得控除の最低保障額が、10万円引き上げられます。
給与収入金額が190万円を超える場合は、給与所得控除に変更はありません。
なお、この改正に伴い、家内労働者等の事業所得等の計算の特例における必要経費に算入する金額の最低保障額も、同じく10万円引き上げられます。
| 各種所得控除名 | 改正前 | 改正後 |
|---|---|---|
| 給与所得控除 | 55万円 | 65万円 |
| 家内労働者の特例における必要経費に算入する最低保障額 | 55万円 | 65万円 |
各種人的控除等に関する所得要件の引き上げ
各種人的控除等に関する所得要件が10万円引き上げられます。
|
各種人的控除の要件 |
改正前 |
改正後 |
|---|---|---|
| 扶養控除の合計所得金額の要件 | 48万円以下 | 58万円以下 |
| 同一生計配偶者の合計所得金額の要件 | 48万円以下 | 58万円以下 |
| ひとり親の生計を一にする子の総所得金額等の要件 | 48万円以下 | 58万円以下 |
| 勤労学生控除の合計所得金額の要件 | 75万円以下 | 85万円以下 |
※個人住民税の非課税基準に変更はありませんので、扶養親族等に該当する被扶養者であっても被扶養者に個人住民税が課税される場合があります。
特定親族特別控除の新設
生計を一にする19歳以上23歳未満である親族の合計所得金額が58万円を超えた場合でも、合計所得金額に応じて段階的に控除が適用されます。
| 特定親族の合計所得金額 | 控除額(住民税) |
|---|---|
| 58万円超 95万円以下 | 45万円 |
| 95万円超 100万円以下 | 41万円 |
| 100万円超 105万円以下 | 31万円 |
| 105万円超 110万円以下 | 21万円 |
| 110万円超 115万円以下 | 11万円 |
| 115万円超 120万円以下 | 6万円 |
| 120万円超 123万円以下 | 3万円 |
注意事項
- 特定親族特別控除の対象となる親族は、控除が適用されますが扶養親族等に該当しません。そのため、扶養親族の人数により判定する市民税・県民税・森林環境税の非課税基準の計算に扶養人数として含まれません。
- 特定親族特別控除対象の被扶養者1人について、複数人が重複して特定親族特別控除の適用を受けることはできません。
(例)合計所得金額60万円の子(20歳)をもつ両親が、それぞれ子を扶養して特定親族特別控除を適用することは認められません。
住宅借入金等特別控除にかかる措置の期間延期
子育て世帯等に対する住宅ローン控除の拡充の期間延期
次のいずれかの条件に該当した場合、認定住宅等の新築等をして令和6年中に入居した場合に住宅ローン控除の借入限度額を上乗せした措置について、令和7年中に入居した場合にも延長されました。
- 19歳未満の扶養親族を有する方
- 夫婦のいずれかが40歳未満の方
| 住宅の区分 | 改正前 | 改正後 |
|---|---|---|
| 認定長期優良住宅・認定低炭素住宅 | 4,500万円 | 5,000万円 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 | 4,500万円 |
| 省エネ基準適合住宅 | 3,000万円 | 4,000万円 |
また、新築住宅の床面積要件を50㎡から40㎡以上に緩和する措置(合計所得金額1,000万円以下の年分に限る)について、建築確認の期限が令和7年12月31日に延長されます。
詳しくは、国土交通省ホームページをご参照ください。
- 国土交通省ホームページ(外部サイト)
よくある質問
収入が給与のみの場合、給与収入がいくらまでなら税法上の扶養に入れるのか
令和7年中の配偶者や扶養親族の給与収入が123万円以下であれば、令和8年度の市・県民税において、配偶者控除や扶養控除の適用を受けることができます。
※配偶者控除について、扶養者の合計所得金額が1,000万円を超える場合は適用は受けられません。
※扶養親族に該当する被扶養者であっても、被扶養者に個人住民税が課税される場合があります。
収入が給与のみの場合、給与収入がいくらまでなら勤労学生控除を受けられるか
令和7年中の給与収入が150万円以下であれば勤労学生控除を受けることができます。
基礎控除額は変更されるか
個人住民税について、基礎控除額の改正はありません。所得税の基礎控除額のみ変更です。
公的年金等の控除額は変更されるか
公的年金等の控除額は変更ありません。給与所得控除のみ変更です。
市民税・県民税・森林環境税の非課税基準は変更されるか
市民税・県民税・森林環境税の非課税基準は変更されません。
本市の非課税基準は以下のとおりです。
- その年の1月1日現在で、生活保護法による生活扶助を受けている方
- 障害者控除、寡婦控除、ひとり親控除の適用を受けている、又は未成年者で前年の合計所得金額が135万円以下の方
- 同一生計配偶者又は扶養親族がいない方で、前年の合計所得金額が38万円以下の方
- 同一生計配偶者又は扶養親族がいる方で、前年の合計所得金額が次の計算額以下の方
28万円×(扶養親族数+1)+10万円+16万8千円