両生類(りょうせいるい)<目次>

公開日 2014年12月16日

更新日 2017年01月17日


インデックス

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有尾目 無尾目
サンショウウオ科   イモリ科 ヒキガエル科 アマガエル科

トウホクサンショウウオ

ハコネサンショウウオ アカハライモリ アズマヒキガエル

ニホンアマガエル

 

 

 

 

 
無尾目
アオガエル科 アカガエル科

シュレーゲルアオガエル

モリアオガエル カジカガエル ツチガエル

ウシガエル

  
 
 

両生類の概要について   文:菅原 宏理氏

両生類の概要

 水中で進化をとげてきた生き物のうち、陸上に生活の場を求めたものが両生類です。
 両生類には、一生尾をもつサンショウウオやイモリの仲間(有尾目)と、成体になるとき尾がなくなるカエルの仲間(無尾目)があります。成体の皮膚には鱗(うろこ)がなく、分泌される液体によって体内の水分の蒸発を防いでいますが、乾燥には弱く、水辺から遠く離れて生活することはできません。また、水中で体外受精を行うこともその理由のひとつです。このように両生類の生活には水環境がとても重要で、生活範囲は限られており、適する環境が失われると、その地域にいた両生類が一斉に姿を消してしまうことがあります。また、特にカエルの仲間は他の陸上生物の餌となることが多く、生態系の中で重要な位置を占めています。
  日本で現在確認されている両生類は、60種程度です。

 

会津若松市における両生類の概要

  会津若松市における今回の調査ではサンショウウオ科2種、イモリ科1種、カエル科12種の合計15種が確認されました。両生類の調査は他の生き物に比べ十分に行われてきたとは言えません。水資源の豊富な会津若松市での今後の調査に期待します。
    地域によっては天然記念物とされている、モリアオガエルが多く生息しています。これは「山間部のため池」という貴重な環境が多く残っているためです。ここにはかつては市内全域に数多く生息していたものの、現在そのすみ家を追われて数を減らしつつあるイモリも安定して生活しています。また、トウホクサンショウウオの産卵場としても貴重です。このような環境を大切にしていく必要があります。
    また、市内には識別が難しいトノサマガエルとトウキョウダルマガエルの両種が生息しており、分布の境界である可能性があります。

 

『会津若松市身近な生き物(両生類)』の概要

 「会津若松市 身近な生き物」に選定された両生類は13種です。
 両生類は水辺を中心として生活していること、また、水田に依存するようになった種も多くあることから、古来から常に人と身近な生物でありました。
 アマガエルやトノサマガエル、トウキョウダルマガエルなどは文字通り「身近な」生き物で、目にする機会が多くあります。ツチガエル、イモリなどはかつての水田に適応し広く分布していましたが、農業形態の変化から生息域を減らしつつある生物です。アズマヒキガエルやモリアオガエル、トウホクサンショウウオは豊かな環境の指標となり、ハコネサンショウウオやカジカガエルは清流の指標となる生き物です。シュレーゲルアオガエルを知る人は少ないですが、アマガエルと混同されており、意外に多く生息しています。ウシガエルは外来種で、この種が在来種に与える影響を注意深く監視する必要があります。クロサンショウウオは過去に報告はあるものの、今回は発見できませんでした。

 


参考文献


監修 阿部永 1994 日本の哺乳類 東海大学出版会
福島県 2003 レッドデータブックふくしまⅡ淡水魚類/両生・は虫類/哺乳類
小宮輝之 2003 フィールドベスト図鑑12 日本の哺乳類 学研
監修 日高敏隆 1996 日本動物大百科〈全11巻〉第2巻哺乳類I・II
子安和弘 1993 フィールドガイド 足跡図鑑 日経サイエンス

 

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