公開日 2025年12月15日
令和7年度みらいづ共創スターターズ
「みらいづ共創スターターズ」は、高校、大学及び社会教育施設が連携し、SDGs(持続可能な開発目標)や多文化共生などをテーマとして、高校生の持続可能な社会を実現しようとする資質の育成を図る事業です。
高校1年生14名が會津稽古堂に集い、国際協力の分野で活躍する講師の講義を受け、他校の生徒とのグループワークや会津大学で学ぶ留学生の皆さんとの交流などを通して、多様な人々と共に考え、共に行動すること(共創)の大切さを理解し、これからの自分たちに何ができるかを考えました。
講師
会津大学 企画推進室長/学長補佐/教授 麻野 篤 様
国際協力推進員 JICA福島デスク 松山 里美 様
国際協力推進員 JICA福島デスク 木田 真貴 様
プログラム(全5回 7月~10月)
- 第1回 7月13日(日) SDGsと国際協力の概要と意義
- 第2回 7月27日(日) 多文化共生について考える
- 第3回 8月19日(火) スリランカ人留学生との交流会
- 第4回 9月 7日(日) ジェンダー平等
- 第5回 10月5日(日) これからの自分を考える
第1回 SDGsと国際協力の概要と意義
元JICAの職員としてアフリカで活動されていた麻野先生と、JICA海外協力隊の隊員として活動されていた松山先生の体験談等を交えていただきながら、SDGsのポイントと国際協力の意義をわかりやすく説明していただきました。そして、まとめとして、本日の講義の印象的だったことや面白いと思ったことをグループ内で話し合ってもらいました。
麻野先生の講義
はじめてのグループワーク第2回 多文化共生について考える
まず、グループワークとして、近所に引っ越してきた外国人家族が、自治会活動に参加していないことに関して、何が問題で、どう対応するかについて各グループで話し合い、その結果を発表しました。そして、麻野先生から、「共に生きる」とはそれぞれが社会の一員としての役割をもつこと、絶対に譲れないことと歩み寄れることを峻別するためには、相互の理解が必須であることを教えていただきました。
また、松山先生から、外国人にできるだけ早く正しい情報を伝えるように考え出された「やさしい日本語」のポイント「ハサミの法則(はっきり言う、さいごまで言う、みじかく言う)」について学びました。
多文化共生のグループワーク
やさしい日本語の講義第3回 スリランカ人留学生との交流会
会津大学で学ぶ3人のスリランカ人が、1人ずつ各グループに入り、スリランカの観光、料理、教育についてプレゼンテーションを行いながら交流しました。 次に、日本に来て「困ったこと」、「びっくりしたこと」、「感心したこと」ついて質問し、受講生は、簡単な英語と前回学習した「やさしい日本語」を使って答えていました。
一方的に話を聞くという形ではなく、日本の慣習や文化を自分の言葉で外国人に伝えることによって、相互の理解や親密感が増し、貴重な体験となりました。
留学生によるプレゼンテーション
留学生と記念写真第4回 ジェンダー平等
ジェンダー平等について学ぶために、まず、ジェンダー不平等の事例を各グループで選び、その事例に対して何をしたらよいか思いついたものの数の多さを競うゲームをしました。そして、各国のジェンダーの事例と、ジェンダー・ギャップ指数や経済と政治における日本と外国の男女比の違いなどについて紹介していただきました。
また、麻野先生から、多様な視点を持つことの重要性とアンコンシャス・バイアスについて、さらに、昨今問題になっているホームタウン問題についての解説がありました。
ジェンダー不平等の事例を考える
ジェンダー不平等に何をしたらよいか発表第5回 これからの自分を考える
自分がやってみたいボランティア活動や社会貢献のための活動、SDGsの達成に役立つ活動について、「今すぐ行いたい行動」と「10年後の活動(仕事)」を書き出し、全員から発表してもらい、麻野先生から感想をいただきました。
また、松山先生と木田先生にJICAの海外協力隊に行って良かったことなどをフリートーク的に話していただきました。
そして、受講生からの質問として、互恵的利他主義によって他国との交流の結果、実際に日本で起こった問題に協力してくれた事例や、外国人が日本にくると治安の悪化は実際に起こり得るのか、などについて麻野先生から解説がありました。
10年後の活動を発表
海外協力隊についてのフリートーク講座が進む中で自分の中に芽生えた「問い」は、回を重ねるごとにより確かな「自分ごと」の課題意識になっていきました。それが、この講座のねらいである「世界とつながっている自分と出会う」ということでした。そして、全講座を通して「自分ごと」「持続可能な社会づくり」「共創」という考え方や価値観が共有されていきました。
社会の課題を「自分ごと」として実感すること、小さなことでも自分自身ができることを意識し実践すること、長期的な視点で社会全体が良くなる仕組みを作っていくこと、多様な人とつながりを作りながら共に考えて行動すること、これらのことがこれからの社会を生きるうえで重要であるということを教えていただきました。
国際協力の分野で活躍する講師の先生方の体験をもとにしたお話や、他校の生徒や留学生との交流から大きな刺激を受け、 高校1年生の皆さんがこれからの自分を考える良い機会となったようです。
受講生の感想(一部抜粋)
- 今回の講座を通して、自分の夢とSDGsを結びつけ、世界の課題をより自分ごととして考え直すきっかけになりました。
- 「みらいづ共創スターターズ」に参加して、自分自身の考えを改めて整理することで、これから私が何をすべきなのか明確にわかった。
- 自分の中でぼんやりとしていた問題が、講座を聞くことではっきりと見えてきたように感じます。
- この先、住みやすい暮らしを続けていくためにも、他人ごとにせず、自分でできることを考え、意識してSDGsに取り組もうと考える本当に良い機会となった。今回の学びを活かし、この先の学習へ十分に繋げたい。
- 今回参加してみて、学びを深めることはもちろん、新しい視点や将来への道を広げることができた。
- 高校生である今、自分に出来ることは少ないけれど、一つもないわけではないと講座を通して知ることができたから、少しずつでもSDGsの内容を達成するための活動をしていきたい。
お問い合わせ
- 会津若松市生涯学習総合センター【會津稽古堂】
- 電話:0242-22-4700
- FAX:0242-22-4702
メール- 郵便番号:965-0871
- 所在地:会津若松市栄町3番50号