依存症を知っていますか

公開日 2025年08月12日

更新日 2025年08月12日

依存症とは

  依存症とは、特定の何かに心を奪われ、「やめたくても、やめられない」状態になることです。また依存症に共通することは、家族とのケンカが増える、生活リズムが崩れる、体調を崩す、お金を使いすぎるなど何かしらの問題が起きているにも関わらず、依存行為をやめられない状態に陥っているということです。代表的なものは、アルコール、薬物、ギャンブルなどがあります。

 依存症は、誰にでも起こり得る病気です。脳機能の異常によるコントロールの障害であり、本人の意思や我慢により解決できるものではありません。家族や友人など周りの人が、依存症について正しい知識と理解を持ち、早めに治療や支援につなげていくことが大切です。また、周りの支えが依存症を予防し、回復につなげる大事な一歩となります。

  1. アルコール依存症
  2. 薬物依存症
  3. ギャンブル依存症
  4. ゲーム依存症/ネット・スマホ依存症
  5. 福島県依存症専門機関
  6. 自分や周りの人が依存症かもしれないときは

 

アルコール依存症

 アルコール依存症とは、お酒の飲み方(飲む量、飲むタイミング、飲む状況)を自分でコントロールできなくなった状態をいいます。飲むことがよくないこととわかっていても、次第に飲酒の制御が困難となり、本人や周囲の人々も気づかないうちに進行していきます。

アルコール依存症のスクリーニングテスト

 久里浜医療センターによって作られた日本人向けアルコール依存症のスクリーニングテストです。8~10項目を回答して自動計算することで、飲酒問題の有無を判定できます。

アルコール依存症の症状

  • 飲酒の量、時間(開始、終了)がコントロールできない
  • 飲酒したいという強い欲求がある
  • 「やめよう」・「減らそう」と試みても失敗に終わる
  • 以前と同じ効果を得るために飲酒量を増やさなければならない
  • アルコールが切れると離脱症状※1がおこる、離脱症状を軽減するために飲酒する
  • 飲酒のために、それ以外の楽しみや社交に使う時間が減る
  • 健康問題や家庭、職場で明らかな問題が起きているにも関わらず飲酒がやめられない

※1 離脱症状:落ち着きがなくなる、イライラする、不安、集中力の低下などの精神的症状と頭痛やめまい、しびれ、吐気、幻覚、興奮状態などの身体的症状を指します。

アルコール依存症の方の家族や周囲の人が気づく特徴

  • 飲んだ後を片付けする
  • 帰宅途中や家の中で酔いつぶれた状態の介抱をする
  • 本人の代わりに職場に欠席の連絡をする
  • アルコールに関することで口喧嘩や暴力が増える

 

薬物依存症

 脳に直接作用して高揚感などをもたらす薬物に依存し、その刺激がないと不快な精神的・身体的症状を生じる状態をいいます。好奇心から少量の使用なら大丈夫だと思っていても、使用するとすぐに耐性※2ができてしまうため、使用量が自分の意志でコントロールできなくなっていきます。薬物をうまくコントロールできていると思っている人でも、薬物の影響を受け続けると確実にコントロールする力を失っていきます。また、依存性のある薬物には大麻や覚せい剤などの違法薬物だけでなく、不安の症状の軽減や睡眠を助ける薬などもあります。どのような理由で薬物使用を始めたとしても、本人や周囲の人々も気づかないうちに進行してしまう病気です。また、アルコールとは異なり、隠れて使用する人が多いため、家族や周囲の人は全く気付いていない場合もあるかもしれません。

※2 耐性:薬物等が効かなくなり、同じ効果を得るのに量を増やさないといけなくなることを指します。もともとその薬物の効果を得るために少量で済んでいたものが、薬物を何度も使用するようになると、だんだん同じ量では効果が少なくなっていきます。

薬物依存症の症状

  • 薬物を使用する量、時間(開始、終了)がコントロールできない
  • 薬物を使いたいという強い欲求がある
  • 「やめよう」・「減らそう」と試みても失敗に終わる
  • 以前と同じ効果を得るためには摂取量を増やさなければならない
  • 薬物が切れると離脱症状※1がおこる、離脱症状を軽減するために摂取する
  • 薬物の為に、それ以外の楽しみや社交に使う時間が減る
  • 健康問題や家族、職場で明らかな問題が起きているにも関わらず、薬物がやめられない

薬物依存症の方の家族や周囲の人が気づく特徴

  • 最近生活リズム(食事や睡眠)が乱れている
  • 自室にこもっている(または家にいない)時間が増えた
  • 気分が不安定(イライラ、無気力など)なことが多い
  • 交流する仲間のタイプが以前と変わった

 

ギャンブル依存症

 ギャンブルとは、金銭等を儲けてより価値のあるものを手に入れる行為を指し、パチンコや競馬・競輪等があてはまります。ギャンブル依存症は、人生に大きな損害が生じるにも関わらず、ギャンブルをしたいという衝動が抑えられない状態をいいます。勝ちを追い求めて最後には掛け金のために、貯金を使い果たしてしまい、最終的には生活が破綻して深刻な事態に至ります。

ギャンブル依存症の症状

  • ギャンブルの頻度、使用金額がコントロールできない
  • 「やめよう」・「減らそう」と試みても失敗に終わる
  • ギャンブルのこと(例:資金繰り方法を考える)で頭がいっぱいである
  • ワクワクやドキドキなどの興奮を求めて掛け金を増えていく
  • ギャンブルができない状況や、やめようとするとソワソワ、イライラなどの離脱症状※1が起こる
  • 不快な気分(不安、悲しみ、無気力感、罪悪感)の時にギャンブルをしやすい
  • ギャンブルで負けたら、お金を取り戻すためにギャンブルをする
  • ギャンブルをしていることや、その損失を隠そうとしたり、嘘をついたりする
  • ギャンブルに必要なお金、借金の返済を他人に頼む
  • 家庭や職場、大切な人間関係において明らかな問題が起きているにも関わらずギャンブルがやめられない

 

 ゲーム依存症/ネット・スマホ依存症

 ネット・スマホ・ゲーム依存の問題が、スマートフォンやタブレット等の普及により増加しています。ストレス回避などのためにネットや動画、そしてゲームを長時間やることが習慣になってきていませんか。世界保健機関(WHO)が、オンラインゲームやテレビゲームのやりすぎにより日常生活が困難になる症状を「ゲーム障害」と定義しています。本人や周囲の人々も「ゲームにはまっている」と気軽に考えているうちに進行してしまうのがゲーム障害です。

 ゲームは、「いつでもどこでもできる気軽な気分転換」の手段となることが多く、特にインターネッㇳに接続されているオンラインゲームは、ゲームが絶えずアップデートされるため、終わりがありません。また、一緒にプレイする仲間や敵がいるため、そこに対人関係や競争が生じます。ゲーム障害は、ゲームに加え、対人要素が依存性をより高めます。

ゲーム依存症の症状

  • ゲームに関する行動(頻度、開始時間、終了時間、内容など)がコントロールできない
  • ゲームが最優先となり、学校や仕事、大切な人との関係が疎かになる
  • 現実の日常生活、社会生活で問題が生じていても、ゲームをやめられない

家族、周囲の人が気づく特徴

  • ゲームをするために睡眠や学業の時間を削る
  • 食事中や他人との会話中にもゲームをする
  • 体調不調が起こる
  • ゲームのことを注意されるとイライラする

家族でできる対処法

  • 話を聞いてみましょう

 依存症とは、「心のよりどころ」を求めて、自分を慰めるための行為である側面があります。不登校や家庭内不和等のストレスを解消する手段としてゲームにのめりこんでいる可能性があります。まずは、ゲームにのめりこむ理由やゲームの魅力をどう考えているのかを理解することが大切です。こうした理解がないままに、ゲーム機を無理やりとりあげたり、叱責することはむしろ逆効果です。

  • 楽しい時間を増やしましょう

 ゲームにのめりこむことで現実での不安やストレスを和らげている場合には、ゲームの代わりの解消方法や時間の過ごし方を考えることが大切です。特に子供の場合には、自分で考えることが難しいので、周りの大人が一緒に考えてあげることが必要となります。

  • ルールを一緒に考えましょう

 インターネットやゲームと安全に付き合うためには、守るべきルールを決めることが大切です。また、本人がそのルールを納得することが大切になります。具体的なルールには、「時間と場所を決める」、「課金等の限度額を決める」、「守れなかった時の約束事を決める」などがあります。

 しかし、ゲームにのめりこんでいる場合は、ほかの楽しみで脳が満足することに時間がかかり、家族の対応だけでは解決できないこともあります。そのようなときは、抱え込まず専門機関に相談をしましょう。

 

福島県依存症専門医療機関

 県では、依存症(アルコール健康障害、薬物依存症、ギャンブル等依存症)に係る医療提供体制の強化を目的に、依存症対策に取り組む体制の整った保険医療機関を選定・公表しています。福島県依存症専門医療機関(外部リンク)

アルコール健康障害

  • 寿泉堂松南病院 電話番号:0248-73-4181 住所:福島県須賀川市滑川字池田100
  • 社会医療法人一陽会 一陽会病院 電話番号:024-534-6715 住所:福島県福島市八島町15‐27

アルコール健康障害・ギャンブル等依存症

  • 医療法人大島クリニック 電話番号:024-934-3960 住所:福島県郡山市麓山2-6-18

 

自分や周りの人が依存症かもしれないときは

 福島県精神保健福祉センター(外部リンク)保健福祉事務所(外部リンク)では、精神科医師等によるこころの相談会を行っています。詳しくは、それぞれのホームページをご覧ください。その他に、依存症に関する自助グループや家族の会などがあります。

 依存症の自助グループ・家族会

  • アルコール依存症

 断酒会 詳しくは全日本断酒連盟ホームページ(外部リンク)

 アルコホーリクス・アノニマス(AA)アルコール依存症からの回復を目的とした自助グループ 等

  • 薬物依存症

 ナルコティクス・アノニマス(NA) 薬物依存症の本人のミーティング

 DARC(薬物依存症からの回復施設):福島県内には、磐梯ダルクがあります。

  • ギャンブル依存症

 GA(ギャンブラーズ・アノニマス)詳しくはGAのホームページ(外部リンク)をご覧ください。

 ギャマノンギャマノンのホームページ(外部リンク)

 NPO法人全国ギャンブル依存症家族の会詳しくは全国ギャンブル依存症家族の会ホームページ(外部リンク)

  • 公益財団法人ギャンブル依存症問題を考える会

国の依存症対策はこちら

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