インデックス
●くわしく見たい生き物の写真をクリックしてみよう!
魚類の概要について 文:成田 宏一氏
●魚類の概要
魚は、動物の仲間で、人間と同じ背骨をもつ脊椎(せきつい)動物です。一般的には、コイのようなかたい骨をもった類とサメのようにやわらかい骨をもった類、スナヤツメのようにあごをもたない類を含めて魚類と呼んでいます。
地球上に最初に現れた背骨をもつ生き物は今のスナヤツメのような、アゴをもたない仲間でした。その後、アゴをもったものが現れ、さまざまな種類に分かれていきました。大きく分けると、かたい骨をもったグループとやわらかい骨をもったグループの二つです。かたい骨をもったグループは、ひれを足に、エラを肺にと進化させ、陸上へ進出していきました。
魚類は、水中で生活するための特別な体のつくりをしています。敵から身を守り、体に水が入り込むのを防ぐ鱗(うろこ)、水中をすばやく進み、方向を変えるための鰭(ひれ)、水中の酸素をとり入れ、全てのエネルギー源とするための鰓(えら)、そして空気をためることのできる浮き袋などをもっています。
●会津若松市における魚類の概要
県内には76種の淡水魚が分布しており、そのうちの38種は市内でみられます。
多くの魚種が生息できる豊かな自然に恵まれて、古くからすみついていたるところで見られるのは、フナやウグイの仲間です。阿賀川の湧水域にはイトヨ(陸封型)がすんでいます。スナヤツメやドジョウ類は小川や水路で、ヤマメ、イワナの仲間やカジカ、アカザなどは速い流れの上流域でみられます。
琵琶湖産の放流アユに混ざってきたオイカワやヒガイ類など、会津に定着した種もあります。外来種のバスの仲間は積極的に駆除される程数が増えている一方で、希少な野生動物として福島県が選定した20種のうちウケクチウグイ、イトヨ(陸封型)などの6種が市内に分布しています。
市内に生息する魚種の多様性は、自然繁殖の場所が数多く残されていることや、放流により維持されています。
●『会津若松市身近な生き物(魚類)』の概要
市内に分布する38種の魚類のうち、29種が身近な生き物に選定されています。
よく知られているコイ、フナ類、ウグイ、アユ、ドジョウなどに加えて希少種のウケクチウグイ、イトヨ(陸封型)、スナヤツメ、アカザ、ホトケドジョウなどの多様な魚種が選定されています。
コイやフナの仲間は、生息する環境への適応能力が比較的高いことなどから、すみついている場所の改変などにより種の存続にまで影響することは少なく、いたる所でみられます。一方、希少種の分布域は限られています。スナヤツメやホトケドジョウの姿が見られるのは、砂礫底質(されきていしつ)のほんの一部の用水路です。
今回の調査で、多様な魚種が市内に生息していることが明らかになりました。これらの貴重な遺伝資源を、会津若松市の財産として守り、継代することが求められています。
参考文献
福島県内水面水産試験場 |
1985年 |
福島県内水面水産試験場研究報告(第5号) |
福島県内水面水産試験場 |
1975~1998年 |
福島県内水面水産試験場事業報告 |
福島県内水面水産試験場 |
2002年 |
福島県の淡水魚 |
(財)資源科学研究所 |
中村守純 1969年 |
日本のコイ科魚類 |
環境省 |
2003年 |
改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物-レッドデータブック-4汽水・淡水魚類
|
お問い合わせ
- 会津若松市役所 環境共生課
- 電話番号:0242-23-4700
- ファックス番号:0242-29-1618
- メール