放射線Q&A13:福島第一原発での燃料棒の取り出しは危険性はないのか?(26.2.4)

2014年2月7日

Q13:福島第一原発4号機での燃料棒の取り出しについて報道がありましたが、この作業はどのようなもので、放射能漏れ事故等の危険性はないのでしょうか。

 

 

回答

  

 

福島第一原発の事故後、2年8月が経ってようやく、4号機の燃料貯蔵プールから燃料棒の運び出し作業が始まりました。

 

現時点で私たちが望むことは、破損した原子炉建屋から燃料を一刻も早く安全な施設に搬出して、放射線や放射性物質の漏れがないようにして、安心させてほしいと言うことです。

 

しかし、この時一番心配なのは、搬出作業によって溜まっている放射性物質が漏れ出すなどの、被害を及ぼさないかと言う点です。

 

 

これについて少し考えてみましょう。4号機は、今どのようになっているでしょうか。

 

 平成23311日の地震当時、4号機は燃料を炉から出して貯蔵プールに保管し、停止した状態でしたが、3号機で発生した水素ガスが4号機建屋に流れ込み、ガス爆発を起こしたと考えられています。これにより建屋の損壊や貯蔵プールの水が溢れて一時的な減少はあったものの、燃料や貯蔵プールには大きな損傷は確認されておらず、また現在は貯蔵プールも補強されて、燃料は継続して冷却され、ほぼ安定した状態とみられます。

 

しかし、地震はたびたびありますし、また、施設は年と共に劣化が進むので、今後もこのような落着いた状態が長く続くと考えるのは安易すぎます。また、4号機は廃炉になったのですから、燃料を置いておく必要はなく、速やかに移動させるべきでしょう。

 

もし、何らかの原因で建屋が破壊され、貯蔵プールが大きく損壊した場合には、放射能の漏出の可能性が考えられます。

 爆発が起きたり、燃料が臨界状態になるにはいくつもの条件がそろう必要があるので、今回のように放射性物質が広い範囲に漏出することは考えにくいのですが、漏出の量やその状況を予想することは困難ですので、そのような事態が生じないように、出来るだけ早く、燃料を堅牢な施設に保管すべきであるということです。

 

では、燃料の搬出と移送の作業はどのように行われたのでしょうか。

 

  東電、原子力規制庁及びメディア等によりますと、原子力規制庁の原子力保安検査官ら数名の監視のもとに、1回目の作業は平成251118日~22日に行われ、未使用燃料22体を搬出して、作業の工程と安全性を確認したとしています。

 

2回目の作業は平成251123日~29日に実施され、この作業では、使用済み燃料22体を燃料移送容器(キャスク)に収納した後、プールから引き上げて建屋内で除染し、それをトレーラーで共用プールに移送しています。

 

作業の工程と実施方法は、平常時の使用済み燃料の交換作業に準じて行われたものと思われますが、今回は、震災で燃料に損傷ができていて放射能汚染が起こる可能性も考えて、細心の注意が払われたようです。

 

県公表の空間線量率を見ますと、作業開始の前日1117日から終了後の12月2日までの間、県内で線量が増加するなどの変化は全く見られず、また、原子力規制庁等から、放射性物質が漏出したという発表もありませんでしたので、漏出はなかったものと考えられます。

 

なお、これらの燃料は、新たな保管場所として作られた共用プール建屋に暫く保管され、最終的には、青森県六ケ所村の日本原燃株式会社の施設に移送されることになっています。また、4号機の貯蔵プールに残る燃料は、未使用が180体、使用済みが1,309体で合計1,489体ですが、東電はこれを今後約1年かけて搬出するとしています。

 

 

 

 

【回答者】会津若松市放射線管理アドバイザー・藤田保健衛生大学客員教授 下 道國先生

 Q&A目次へ戻る

 

お問い合わせ

  • 会津若松市役所 環境生活課
  • 電話:0242-39-1221
  • FAX:0242-39-1420]
  • メール送信フォームへのリンクメール