野生生物へ餌を与えたり、拾ったりしないでください

公開日 2022年03月31日

春から初夏にかけては、鳥類や哺乳類の出産、産卵、子育ての季節です。
5月ごろから県内各地でも親鳥がヒナにエサを運ぶ姿や、子どもを連れたキツネやタヌキなどのかわいらしい姿を見ることができます。
しかし、人間の誤った判断で、不用意に餌を与えてしまったり、野鳥のヒナや野生の哺乳類の子どもたちを拾ってしまったりすることで、本来の生態系を乱してしまうことがあります。野生生物に干渉せず以下の点に注意して、やさしく見守りましょう!

野生生物に餌を与えないでください

会津若松市にはキツネ、タヌキ、ツキノワグマなどの野生生物が数多く生息しています。
野生生物は自分の力で餌をとることができるので、人間が餌を与えないと死んでしまうということはありません。
人間が餌を与えてしまうと、野生生物が私たちが住むところへ簡単に寄り付くようになり、農作物や人に被害を及ぼしてしまうことがあります。
また、伝染病のリスクが増加するなど、野生生物にとってもよくありませんので、餌を与えてはいけません。
 

野良猫へ餌を与えないでください

ちかごろ、野良猫への不適切な餌やりが原因の苦情が増えています。かわいそうだからといって、野良猫に餌を与えていませんか?

動物を慈しむ気持ちはとても大切なものですが、猫は餌をもらえるところに居着き、そこを縄張りにして行動します。

きちんと管理をしないまま餌やりを続けていると、フンや尿、食べ残しなどで近隣へ迷惑をかけるばかりか、結果として不幸な野良猫を増やすことに繋がります。

猫は人に飼われるようになって約5,000年の歴史があり、人に飼われている状態があるべき姿です。

「野良猫をなんとかしたい!」という心優しい方は、安易な餌やりは行わずに、自分で飼ったり、里親を探したり、猫にとって一番良い方法を考えてみてください。

 

また、近年、特定の飼い主がいないものの、地域住民の認知と合意の上で、計画的な給餌や清掃、去勢を行い猫を共同管理する「地域猫」という活動も各地で行われています。適切な管理を行えば、猫による様々な問題を解消し、野良猫の数を自然に減らしていくことが可能となります。

しかし、地域住民との合意形成や、それぞれの地域の実情に合わせたルールづくりがなされなければ、地域住民と実施団体、猫それぞれの関係が悪化するほか、公衆衛生の悪化を招いたり、管理できないほど頭数が増加するなど、結果として不幸な猫を増やすことにもつながります。実施に当たっては、住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン.pdf(696KB)や「猫の適正譲渡ガイドブック(環境省)(外部サイト)」に掲載されている事例を参考に、単に餌を与えるだけではなく、里親探しや去勢手術の実施などを進め、最終的には飼い主のいない猫がゼロとなるような活動を目指しましょう。

 

※「地域猫」は野良猫ではなく、地域もしくは実施団体の「飼い猫」とみなされ、その責任は飼い主(地域もしくは実施団体)に帰属します。


猫の飼育について

猫を飼っている方は、室内飼育を心がけ、繁殖を望まない場合は、去勢手術を行いましょう。

また、動物を飼育する以上は最後まで責任を持って飼育してください。動物を遺棄した場合、動物の愛護及び管理に関する法律により罰せられる可能性があります。
詳しい飼育方法についてはこちらをご覧ください。住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン(環境省).pdf(720KB)

また、福島県においても猫の引取り数及び殺処分数を削減するためにも、猫を飼う上で知っておいてもらいたい重要なポイントをまとめたリーフレットを作成しております。詳しくは「猫を飼う上で知っていただきたいポイントをまとめた啓発リーフレット(外部サイト)」をご覧ください。

 

野生のヒナを見つけたら

羽が生えそろっているヒナは、巣から飛び立ったヒナ(幼鳥とも言います)で、親鳥に面倒をみてもらいながら、飛ぶ練習やエサの取り方などを学んでいます。
親鳥がエサを取りに行っている間は、1羽でいるものです。そのようなヒナは、まだうまく飛ぶことができず、枝から枝に移動している間に、地面に落ちてしまうことがあります。このようなヒナを見かけたら、ネコなどに襲われないように近くの枝先等にヒナを移して、そっと立ち去ってください。
親鳥は、ヒナのことを近くで見守っています。人間が近くにいると、かえって人間を警戒してヒナを助けにくくなります。決してヒナを拾って家に連れて行ったりしないでください。

野鳥のヒナが巣ごと落ちてしまったら

空き箱などを使い、巣・巣材ごともとの場所か、近くの安全なところへ、ガムテープなどを利用して固定したり、置いたりしてください。(ガムテープに鳥たちが絡まないようにしてください。)
多少場所が変わっても、親鳥はヒナを見捨てず、きちんと育てるはずです。

ヒナが巣から落ちてしまったら

人為的なことで落ちてしまった場合には、巣に戻してください。人為的な理由で落ちたのでなければ、そのままにしておくか、木の根元などに置いてください。ヒナの中にはもともと弱い個体で、生存競争に勝てず落ちてしまうのもあります。かわいそうに思えますが、それが自然の流れなのです。
自然の中の出来事には、人間があまり関わらないことが必要なときもあります。

哺乳類の子どもをみつけたら

キツネやタヌキ、カモシカなどの哺乳類の子どもたちも、親がエサを探しに出かけている間、山林や道ばた、時には人家の庭先や側溝の中で、親の帰りを待っていることが多いものです。
また、人間が近づいてきたことで、親が逃げてしまう場合があります。そのような時、子どもはじっと息をひそめて敵をやり過ごすという習性のものもいますので、動かないからといって、弱っている訳ではありません。
人間が近くにいると親は子どもの所へ戻ってこられません。すぐにその場を離れましょう。
なお、山中で子グマを見つけた場合には、近くに親グマがいる可能性が非常に高いので、速やかにその場から立ち去るようにしましょう。子グマを守ろうと親グマが現れて攻撃してくる恐れがあります。

  • 野生の鳥獣は、かわいいからと言って安易に家に連れ帰ったりしてはいけません。野生の鳥獣を人間の手で育てようとしてもうまく育ちません。また、法律(鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律)で野生鳥獣を捕獲・飼養することは、原則禁止されています。
  • 鳥獣とは、鳥類または哺乳類に属する野生動物をいいます。

お問い合わせ

野生生物の保護に関すること

  • 会津地方振興局 県民環境部 県民生活課
  • 電話:(平日)0242-29-5295
  • FAX:0242-29-5520
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野生生物に関すること

  • 会津若松市役所 環境生活課
  • 電話:0242-39-1221
  • FAX:0242-39-1420
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