公開日 2023年02月05日
更新日 2023年02月17日
「ペアレント・トレーニング」って?
怒鳴らず、叩かず、おどかさず、親が“待てる”ようになる親子のためのトレーニング。
子どもの問題行動を減らす、望ましい行動を効果的にしつけるための「スキル」をビデオや漫画といった視聴覚教材を見たり、話を聞いたり、試してみたりして、体得するプログラムです。
新型コロナウイルス感染症による様々な影響がある中、多くの保護者及び家庭教育支援者の皆さまが参加されました。
本ページでは、講座内容と受講者の感想をご紹介いたします。
講座の様子
令和3年度「地域で子育て支援研修講座」ペアレント・トレーニング~一緒に学びませんか~
講座の概要
新型コロナウイルスの感染流行による不安、環境の変化によって、親子ともにストレスが多くなっています。児童虐待やマルトリートメント(不適切な養育)なども問題になっている中、「ペアレントトレーニング」が有効であると注目が集まっています。
本講座では、6回のセッションでビデオなども使い、行動心理学の理論背景をもとにした「ペアレントトレーニング」を通して、親子関係がグッドサイクル(肯定的なしつけ)になるスキルを学びました。第7回は「親子でできる感アップ 育児支援のポイント」をテーマに、福島県立医科大学の後藤あや先生にご講演をいただきました。
講師
- 福島県立医科大学 後藤 あや 先生(福島県立医科大学 総合科学教育研究センター教授)【第7回講師】
- 生涯学習専門員 大橋淳子(学校心理士・親と子どものふくふくトレーニングトレーナー)【第1~6回講師】
各プログラムの内容・感想
第1回「わかりやすいコミュニケーション」
- 日時:6月23日(水) 午後2時から午後3時40分まで
- 内容:「子どもの行動を抽象的な言葉を使わずに、具体的に表現する方法」を身につけます。
~行動を具体的に言ってあげましょう~
NGワード:いつまでも赤ちゃんみたいに泣くのはやめなさい。どうしてできないの。
OKワード:○○ちゃん、そんな風に足をドンドンさせたり、泣いていたら、ママわからないわ。
~言葉をかけるタイミング、シチュエーションも大切です~
NG:お茶碗を洗いながら、掃除機をかけながら、○○しながら、お子さんに言っていませんか。
OK:子どもを見て、近くに行って話してみましょう。 - 受講者の感想(一部抜粋):「共感」が上手な祖母が子どもへの心をよくとらえているその意味がよくわかりました。子育ての中で、遠くから「ゲームやりすぎ!もうやめなさい!」と注意してもやめてもらえない毎日だったので、ゲームをしていない時に目を見て、静かに具体的に伝える方法で実践してみたいと思いました。
第2回「よい結果・悪い結果」
- 日時:7月28日(水) 午後2時から午後3時40分まで
- 内容:「親の対応に注目し、子どもの良い行動を増やし、子どもの悪い行動を減らす方法」を身につけます。
子どものとった行動だけに注目するのではなく、
状況(行動が起こったのはどのような状況だったのか)
行動(子どもの問題行動)
結果(その後どのようなこと、親のしつけ行動が起こるのか)
これら3つの一連のつながりに注目します。
~親のしつけ行動を変えると、子どもの問題行動に有効です~
良い行動の後には、子どもが良かったと思えるもの「よかった体験」を与えましょう。
悪い行動の後には、子どもがしまったと思えるもの「しまった体験」を与えましょう。 - 受講者の感想(一部抜粋):悪い事をした時の接し方について悩んでいました。しつけをしても、同じことを繰り返すのでどうしたらよいかと…。一方的に怒ってしまう。話を聞いてあげることなく責める環境が原因がなあと思いました。自分の気持ちに余裕がないとなかなか上手に接することができないかもしれませんが、今日学んだことを意識して取り組んでいこうと思います。
第3回「効果的なほめ方」
- 日時:8月12日(木) 午後2時から午後3時40分まで
- 内容:子どもが良いことをしたとき、効果的にほめる方法を身につけます。
- 「効果的なほめ方」とは、子どもが行った良い行動に対し、親がそれを認め、子どもの心にそうことです。
~ほめ方のステップ~
1.称賛を与える
2.望ましい行動を表現する
3.理由を述べる
4.良い結果を与える
~ほめ方を使うポイント~
・行動の後にすぐほめる(60秒ルール)
・小さいステップをほめる - 受講者の感想(一部抜粋):子どもの良い行動を「すごいね。えらいね。」といった言葉でけだなく、具体的な理由等も伝えることで、今後の行動にもつながっていくことが学べました。
ペアレントトレーニングの本を読んで夫婦で取り組んでいましたが、こういう場合は?という場面が多くあり、上手くほめることができませんでした。講座を受けてわからないところや新しいスキルをいくつも発見でき、最近怒ることがすごく減ってきました。今まで何が正しいしつけわからず、振り回されていましたが、怒らずにやるべき対応がはっきりしてとても楽になりました。
第4回「予防的教育法」
- 日時:9月15日(水) 午後2時から午後3時40分まで
- 内容:「前もって、子どもに言ってきかせる方法」を身につけます。子どもの発達レベルを把握し、親の子どもへの過剰な期待を修正していく方法を身につけます。
- どういった場面で使うのか
1.子どもが何か新しいことをしようとしているとき
2.問題があったことで、それをもうしないでほしいと思うとき - 言って聞かせるステップ
1.子どもにしてほしいことを説明する ※子どもの気持ちに共感しながら具体的にやってほしいことを話す
2.理由を説明する ※子ども側に立った理由を話す
3.練習する ※楽しく、短く、励ましながらやってみる - うまく行う一番のポイントは「落ち着いて行うこと」
~落ち着くヒントプラン~
・5秒待つ
・良い方に考えよう
・子どもと勝負しない
・子どもの言葉や態度に感情的に反応しない ※子どもだから表現できないんだなぁ~寛容な心で接する
・今問題となっていることだけに焦点を当てる ※「この前もそうだったでしょう」と引き合いに出さない
・親が悪いと思うときは、子どもにきちんと謝る ※親がお手本となることが大切 - 受講者の感想(一部抜粋):頭ごなしに「○○しなさい」よりも、ステップを踏むことによって子どもにも伝えやすいとわかりました。「落ち着くヒントプラン」を心に、もっと子どもに寄り添って子どもの理由を考えてあげる、大人の都合だけで動かないようにしたいです。
第5回「問題行動を正す教育法」
- 日時:10月13日(水) 午後2時から午後3時40分まで
- 内容:子どもの問題行動に介入する方法を身につけます。
- 受講者の感想(一部抜粋):ロールプレイで実際の問題を考えた際に、言葉かけや対応方法等で悩みながら考えました。普段からこういう状況になった時はどうするか?ということを考えながら自分なりにシュミレーションするのも大事だと気づきました。
ヘルプが上手になると楽になると聞いて、その通りだと思いました。先日、小学校の先生に娘の対応でよく話すことができ、理解してもらえた上で助けてもらい、心が軽くなりました。かんしゃくや暴れる行動が「氷山の一角」だと知れて、突然怒りだしていたのではなく、色々なストレスがあっての爆発だったと理解できました。
第6回「自分自身をコントロールする教育法」
- 日時:11月10日(水) 午後2時から午後3時40分まで
- 内容:子どもが感情的になって反抗したり、泣き叫んだりするなど、親子の緊張が高まる場面での対処方法を身につけます。
- 受講者の感想(一部抜粋):1回目から一つ一つのステップを丁寧に学べたことで分かりやすかった。ビデオやロールプレイで具体的な取り組みやたくさんの方の視点を知ることができ、学びや気づきにつながった。子ども自身のコントロールもだが、自分自身のコントロールにも視点をあてることで、どんな状況に弱いのか、どうすれば落ち着けるのかを知ることができ、より落ち着いて対応できるようになったと思う。
日本のママは、頑張り屋が多いです。母となったとたん、常に母でいることを強いられているような感覚もあります。他人の目や世間体を気にせず、ヘルプ上手になれるといいなと思います。子どもとの「今」を楽しみながら、自己犠牲ではなく子育てを満ち足りたものにしたいです。
和やかな雰囲気での話し合い
第7回「親子でできる感アップ 育児支援のポイント」
- 日時:12月1日(水) 午後2時から午後3時40分まで
- 内容:「Show&Tell」をはじめとする、場面場面での子どもへの対応・声かけのアクティビティ体験をしました。
好きなことを聞いたり、共感したりしてあげると、子どもたちは自信をもつことができます。
親子で話し合って小さい目標を作り、共同で作業をする「小さな成功体験」を積み重ねていくと、「できる感」が育まれると教えていただきました。 - 会場:生涯学習総合センター(會津稽古堂) 研修室2・3
- 講師:福島県立医科大学 総合科学教育研究センター 後藤 あや 先生
- 受講者の感想(一部抜粋):楽しいお話ありがとうございました。NGワードはすんなりでてくるのですが、なかなかOKワードが出てこず、小学生の話を聞いて驚きました。今後家庭で使ってみようと思います。
子育てに関する本や講座はだいたい「どこかで聞いたことがある」内容が多かったのですが、今日は「初めて聞いた・知った」「今日から生かせそう」「誰かに教えてあげたい」内容ばかりでした。自分自身もこれから関わる子育てに関わる人にも一人でも多くの人に伝えていきたいなあと思いました。
「子どもから見た世界観を大切に」というお話の通り、子どもに寄り添うことの大切さを改めて感じました。保育士として働いていますが、子育ての保護者の視点、子どもの視点での見方についても学ぶことができ良かったです。機会があれば、園や子どもクラブでも親子で聞くことができたらと思いました。
声かけのNGワード、OKワードを考え中
どっちだとできそう?青と黄のカードで意思表示
お問い合わせ先
- 会津若松市教育委員会 生涯学習総合センター(會津稽古堂)生涯学習グループ
- 住所:会津若松市栄町3番地50号
- 電話番号:0242-22-4700
- ファックス番号:0242-22-4702
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