公開日 2024年10月01日
更新日 2024年10月01日
地方公共団体の財政状況については、財政指標や地方債残高、財政調整基金などにより判断され、それぞれの指標には適正範囲や危険水準といえる基準が設けられています。
しかし、ある財政指標については、全国の多くの地方公共団体が適正範囲にあったり、逆に、別の財政指標では多くの地方公共団体が適正とはいえない水準であったりすることから、特定の地方公共団体のみの分析では、本市の財政状況との正確な比較や分析ができません。
ここでは、類似団体との比較により、本市の財政状況について説明します。
類似団体について
- 決算統計においては、各地方公共団体間の比較を行うために、人口や産業構造により地方公共団体を類型分類しています。
- 市町村の類似団体の区分は、指定都市、中核市、特例市、特別区はそれぞれ1区分で、その他の市町村の類似団体は、人口と産業構造(産業別就業人口の構成比)により、一般市については16類型、町村については15類型に分類されています。全国的な比較を行う場合、この類似団体のなかでどのような位置にあるか比較を行うことが多くあります。
- 人口や産業構造は、社会情勢や経済情勢、市町村合併などにより変動するため、類似団体についても異動があります。
- 本市の類型区分は「III-3」で、類似団体は62団体です。
本市の位置づけ
区分 | 一般市 |
---|---|
人口 | 117,376人(令和2年度国勢調査) |
第II次、第III次産業 | 95.3パーセント |
第III次産業 | 69.5パーセント |
類型 | III-3 |
規模からみた比較
標準財政規模とは、地方公共団体が合理的かつ妥当な水準で行政を行うための標準的な一般財源の規模を示すものです。標準財政規模で比較すると本市は21位であり、類似団体の平均値を上回る規模となっています。
健全化判断比率からみた比較
- 健全化判断比率とは、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」に基づき定められた、実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率、将来負担比率の4つの比率をいいます。
- 比率ごとに、早期健全化基準、財政再生基準が定められ、この基準をもとに健全段階、早期健全化段階、財政再生段階の3つの段階に区分されており、早期健全化段階や財政再生段階になった場合には、それぞれの仕組みに従って財政健全化を図ることになります。
- 実質赤字比率及び連結実質赤字比率については、全ての団体で赤字はありませんでした。
- 実質公債費比率については、類似団体中34位、将来負担比率については、類似団体中54位に位置しています。
財政指標からみた比較
- 実質収支比率は、標準財政規模に占める実質収支の割合で3~5パーセント程度が適正規模とされています。本市は9.5パーセントとなっており、類似団体中5位に位置しています。
- 財政力指数とは、標準的な行政需要に自らの財源でどれだけ対応できるかを表す指標で、普通交付税算定時の基準財政需要額に占める基準財政収入額の割合の過去3カ年の平均値です。1.0に近づくほど財政力が高く財源に余裕がある状態となり、1.0を超えると普通交付税の不交付団体となります。本市は類似団体中43位に位置しています。
- 経常収支比率とは、財政構造の弾力性を示す比率で、経常一般財源の経常的経費への充当率を示しています。本市の数値は類似団体中4位に位置しています。
- 歳出の性質別分類の比率については、義務的経費比率が類似団体中28位に位置しています。
地方債、財政調整基金、減債基金からみた比較
- 地方債とは、公共施設や道路、水道、下水道などの整備に充てた借入金のことで、市が借り入れる地方債については市債といいます。この残高が大きくなると、返済する元利償還金も大きくなることを意味するため、少ない方が望ましいといえますが、一方で、公共施設の整備に必要な財源でもありますので、適正な規模に管理することが重要です。本市の地方債現在高は類似団体中43位に位置しており、実質公債費比率は類似団体の平均よりも高い状況にあります。
- 財政調整基金は、年度間の財源不足に対応するため、決算剰余金などを積み立て、財源が不足する年度に活用する貯金のようなもので、一般的に、標準財政規模の10パーセント程度が適正とされています。本市の基金現在高は、類似団体中47位に位置しています。
- 減債基金とは、市債の償還に必要な財源を確保し、将来にわたる市財政の健全な運営のために積立てているもので、本市の基金残高は類似団体中33位に位置しています。
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