地域福祉推進アンケート結果について

公開日 2024年02月28日

 本年7月から8月にかけて実施しました「地域福祉推進アンケート」の結果についてお知らせします。

地域福祉推進アンケート概要

調査の目的

 複雑化・複合化する地域生活課題に対する効果的な支援体制を構築するため、支援を行うべき対象者像やニーズ、それらに対応する福祉サービスをはじめとする社会資源の状況などの実態把握に加え、地域福祉活動への効果的な支援や「第3期会津若松市地域福祉計画」(令和8年度~令和12年度)の円滑な策定に資することを目的として、アンケート調査を実施しました。

 

調査の方法

調査対象者数

  調査対象者数及び調査方法について、住民基本台帳から抽出された満18歳以上の市民2,000人を対象として、郵送によるアンケートを実施しました。

  なお、令和4年に成人年齢が18歳に引き下げられたことから、対象年齢を前回(令和元年)アンケート時の20歳以上から、18歳以上としました。

10歳代 20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 60歳代 70歳代以上
64人 320人 320人 320人 320人 320人

336人

調査期間

 令和5年7月14日から8月4日までの3週間(8月14日到着分まで集計)

回答者数

 回答者数は530名で26.5%の回答率

その他

 集計では、回答の比率を小数点第2位で四捨五入しているため、各項目の合計が100.0%にならない場合があります。

 

アンケート調査結果まとめ

 今回の調査結果において、地域福祉計画の認知度は11.1%であり、高い状況とは言えない状況です。

 当該計画は、福祉分野の上位計画に位置付け、分野横断で地域生活課題の解決を図る共通の理念や取組を定めたものであります。これらの推進にあたりましては、地域住民や関係機関との連携が必要不可欠であることから、今後更なる広報・啓発が必要であります。

 地域の変化に目を向けますと、地域福祉計画に規定する「健康づくり」や「地域福祉に関する理解」、「福祉サービスへの関心」、「福祉に関する相談体制」などの様々な項目おいて、前回計画策定時と比較して良くなったとの意見をいただき、一定の成果が見られたところです。一方で、「地域活動やボランティアへの参加」や「地域で人が集まる活動」などでは、以前より悪くなったと感じた方が多い状況にありました。

 また、「福祉に関する相談体制」については良くなったとの意見もありましたが、課題を抱える方が、本来相談したい「市」や「専門職」などへつながっていない現状が見られたことから、「断らない相談窓口」の実施やアウトリーチによる相談支援の強化を図る「重層的支援体制整備事業」への移行を引き続き進めていく必要があります。

 今回のアンケート調査結果を検証し、成果や市民ニーズの満足度が低い取組について、あらためて課題の整理を行い、今後策定予定の「第3期会津若松市地域福祉計画」へ位置づけるとともに、本市の福祉施策の向上に取り組んでまいります。
 

アンケート調査結果報告書

 

アンケート調査結果の概要

回答者の状況

年齢

○アンケート調査の回答者は60歳代以上が約半数を占め、年齢が低くなるにつれて、回答者の割合が低くなる傾向です。

10歳代 20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 60歳代 70歳代以上 未回答
1.5% 8.1% 11.9% 14.2% 16.4% 23.0% 23.8% 1.1%

性別

○性別については、女性が半数以上を占める状況です。

男性 女性 未回答
44.9% 54.4% 0.6%

居住年数

○居住年数については、20年未満の方が47.0%を占める状況です。

図1_居住年数

継続居住の意向

○現在の場所への継続居住の意向については、「住み続けたい」、「どちらかといえば住み続けたい」を合わせると79.2%となります。そのうち「住み続けたい」が、前回調査と比較して2.3ポイント増加しています。

図2_継続居住の意向

※ グラフ下段は、前回調査結果(令和元年)。以下同様。

家族との連絡方法やその頻度

○家族との連絡方法やその頻度については、「インターネット」による方は「週に1回以上」、「電話・FAX」による方は「月に1回以上」の連絡が多くなっています。また「直接会いに行く」方は「3ヶ月に1回以内」が約半数を占めています。

 図3_家族との連絡方法やその頻度

新型コロナウイルス感染症により受けた影響

○新型コロナウイルス感染症により受けた影響については、「家族との行き来が少なくなった」が31.0%、「地域の行事が減少しつながりが弱くなった」が21.2%となりました。一方で「特に影響はなかった」との回答も31.0%あります。

 図4_新型コロナウイルス感染症により受けた影響

 

地域福祉活動の現状と将来

地域活動への参加状況

○地域活動への参加状況については、全体では59.6%の方が参加し、前回調査と比較し大きな変化はありませんでした。若い世代の参加率は、他の世代と比較して低い傾向を示しています。

 図5_地域活動への参加状況

地域活動への参加状況(町内会加入別)

○町内会への未加入者は、加入者と比較し、地域活動への参加率が低い状況です。

 図6_地域活動への参加状況(町内会加入別)

参加している活動や行事

○参加している活動や行事については、「清掃活動等」が91.3%と最も多い状況です。(複数回答可)

 図7_参加している活動や行事

地域での役割

○地域での役割については、何かしらの役割を持つ方は回答者の29.7%でした。その半数が「町内会役員」となっています。前回調査と比較し、増加しているのは「スポーツ少年団の指導者」、「防犯・交通安全関係団体」、「農業関係団体の役員」ですが、一方で「消防団員」、「こども会・育成会役員」は減少しています。(複数回答可)

 図8_地域での役割

地域福祉活動への参加可能範囲

○地域福祉活動への参加可能範囲については、約7割の方が「隣組単位(近所)」や「町内会」の範囲であれば、地域福祉活動に参加できると回答しています。前回調査と比較し、「町内会」が増加した一方で、「隣組単位(近所)」は減少しています。

 図9_地域福祉活動への参加可能範囲

地域福祉活動のリーダー像

○地域福祉活動のリーダー像については、「意欲のある人」、「地域福祉の研修を受けた人」という意見が上位を占めました。前回調査と比較し「意欲のある人」が4.3ポイント増加しています。

 図10_地域福祉活動のリーダー像

災害時に備え情報を知らせてもよい範囲

○災害時の支え合いを目的とする個人情報の提供をしても良いとの回答は、前回調査と比較し、「近所の人」、「民生委員・児童委員」、「友人・知人」が大きく減少している一方で、「町内会」が大きく増加しています。(複数回答可)

 図11_災害時に備え情報を知らせてもよい範囲

地域生活課題への不安

○地域生活課題については、「現在もしくは将来的に手助けしてほしいこと」にあてはまるものすべてを回答してもらったところ、前回調査と同様に「安否確認の声かけ」、「玄関前の除雪」、「話し相手」、「ちょっとした買い物」、「ごみ出し」、「ちょっとした作業」、「悩みごとの相談」が上位を占めておりますが、「悩みごとの相談」、「安否確認の声かけ」、「話し相手」の順に大きく減少しています。(複数回答可)

 図12_地域生活課題への不安

将来の地域生活課題に対する支援の充足状況(期待値)

○将来の地域生活課題に対する支援の充足状況については、将来「手助けできること」と「手助けしてしてほしいこと」を比較したところ、多くの項目において、「手助けできること」が上回っていました。一方、「病気のときの看病」、「契約や支払いの手続き支援」、「経済的な支援」については、「手助けしてほしいこと」が上回っています。(複数回答可)

 図13_将来の地域生活課題に対する支援の充足状況(期待値)

※ グラフの数字は、「手助けできること」-「手助けしてほしいこと」

 地区担当民生委員・児童委員の認知度(年代別)

○地区の民生委員・児童委員については、若い世代の認知度が低くなっています。

全世代 20歳代以下 30歳代 40歳代 50歳代 60歳代 70歳代以上
30.8% 2.0% 8.2% 20.3% 19.8% 42.7% 57.3%

民生委員・児童委員の活動で充実してほしいこと

○民生委員・児童委員の役割については、「地域住民の見守り」が30.6%で最も高くなっています。
前回調査と比較し、「悩みや心配ごとの相談」が増加する一方で、「福祉情報の提供」や「課題解決に向けた仕組みづくり」が減少しています。

 図14_民生委員・児童委員の活動で充実してほしいこと

 

地域福祉活動を支え、発展させる社会福祉協議会

社会福祉協議会の認知度(年代別)

○社会福祉協議会の認知度については、「名前を聞いたことはあるが、活動内容までは知らない」の消極的認知度を加えると84.0%となっていますが、前回調査と比較し3.9ポイント減少しています。

 図15_社会福祉協議会の認知度(年代別)

社会福祉協議会への期待

○「地区社会福祉協議会」への期待については、「福祉の相談窓口」、「要支援者や団体への支援」、「在宅福祉サービス」が高い状況を示しています。前回調査と比較し「在宅福祉サービス」や「支え合い活動の支援」が大きく減少している一方で、「特にない」との回答が増加しています。(複数回答可)

 図16_社会福祉協議会への期待

ボランティアやNPO法人の活動への参加経験(年代別)

○ボランティアやNPO法人の活動への参加経験については、「参加したことがある」方は21.6%と前回より2.1ポイント減少しました。世代別では、「20歳代以下」や「40歳代」では参加経験者が増えている一方で、「30歳代」や「50歳代」では減少しています。

 図17_ボランティアやNPO法人の活動への参加経験(年代別)

 

 地域における地域生活課題と相談体制

優先的に解決しなければならない地域生活課題

○優先的に解決しなければならない地域生活課題については、「高齢者のみ世帯の安否確認」、「災害が発生した際の安否確認や避難誘導」、「働きながら子どもを育てることができる環境の整備」、「自力で除雪が困難な世帯への支援」、「空き家・空き地の適正な管理」が上位を占めました。前回調査と比較すると、「高齢者のみ世帯の安否確認」、「空き家・空地の適正な管理」、「孤立死の防止」が増加、「健康づくりへの取組」が減少しています。(3つまで回答可)

 図18_優先的に解決しなければならない地域生活課題

地域で優先的に解決しなければならない課題(類型化)

○地域生活課題を類型化すると「社会的弱者の支援」や「災害支援」が高い状況です。前回調査と比較すると「社会的弱者の支援」や「犯罪防止」が増加しています。

図19_地域で優先的に解決しなければならない課題(類型化)

地域生活課題の相談相手

○地域生活課題の相談相手については、回答者の95.1%が「相談する人がいる」一方で、4.9%が「相談する人がいない」という回答です。
相談相手は、半数以上が「家族・親戚」、次いで「友人」となり、身近な関係者が多い状況です。(複数回答可)

 図20_地域生活課題の相談相手

相談相手の充足状況

○相談相手について、「現在相談している相手」と「本来相談したい相手」を比較すると、「家族・親族」など身近な人への相談は充足している一方で、「市役所等行政機関」や専門機関については、相談したいもののつながっていない割合が高く、十分な充足に至っていない状況です。

 図21_相談相手の充足状況

※ グラフの数字は、「現在相談している相手」-「本来相談したい相手」

 

計画策定後の意識変化と今後の方向性

地域福祉計画の認知度

○地域福祉計画の認知度については、「知っている」が11.1%であり、「名前は聞いたことがあるが、詳しい内容までは知らない」の消極的認知度を加えても48.8%となります。今後、地域住民や関係機関と連携して取組を進めるためには、決して高いとは言えない状況です。

 図22_地域福祉計画の認知度

計画策定後の地域変化

○「第2期地域福祉計画」策定後の地域の変化については、「かかりつけ医・歯科医・薬局を持つことの意識」、「振り込め詐欺など消費者被害の防止」、「健康への関心や健康づくり」、「市政だより、ホームページからの情報取得」の項目で「良くなった・少し良くなった」の割合が30%を超えており、高い状況にあります。
一方で「地域の行事やサロン会など地域の人が集まる活動」、「若者の地域活動やボランティアへの参加状況」、「若者以外の地域活動やボランティアへの参加状況」の項目は、「悪くなった・少し悪くなった」との回答が20%を超えています。

図23_計画策定後の地域変化

充実を期待する福祉政策

○今後充実を望む福祉施策としては、「様々な相談に対応できる体制の整備」が31.9%と最も高く、次いで「手当などの給付の増額」、「生活困窮者が自立した生活を継続できるための支援」、「地域で支え合いの仕組みづくりの取組」が10%を超えています。

 図24_充実を期待する福祉政策

 

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