第2期会津若松市地域福祉計画概要版 会津若松市 第2期社会福祉法人会津若松市社会福祉協議会概要版 社会福祉法人会津若松市社会福祉協議会 1 地域福祉ってなに? 1.1 地域福祉とは 地域福祉とは、「地域生活課題」を市民の皆さんや地域の各種団体、企業や福祉関係団体などの地域で生活する全ての人と行政が協力しながら解決することで、住み慣れた地域の中で、一人ひとりがその人らしい生活がおくれるよう、地域づくりを進めることです。 こんなことで困っている人がいませんか? うちの子ども50代で収入がないけど、これから暮らしていけるのかしら…… 育児と親の介護が大変。誰か助けてくれる人がいないかな…… 一人暮らしで不安なので、ちょっとした相談ができないかな…… 災害のとき、一人で避難することが難しいけど、どうしよう…… 社会を取り巻く環境の変化により、子育てや介護に対する不安、ひきこもりなどの社会からの孤立、生活困窮、地域コミュニティの希薄化、災害時の避難など、これまでの福祉制度だけでは解決することが難しい「地域生活課題」が増えています。 1.2 どうすれば解決できるの? 一人ひとりが相手に思いやりを持って接し、理解し合い、認め合うことが大切です。 困りごとを我が事のように考え、お互いが支え合うことができる地域づくりが必要です。 例えば、あいさつ、話し相手や相談相手、町内会活動への参加、サークル・地域サロンへの参加、ボランティア・NPO活動への参加など、つまり地域福祉の推進です。 ※用語解説 「地域生活課題」とは、福祉や保健・医療のほか、住まいや就労、教育に関する課題、社会的孤立など、日常生活を営む上での様々な課題をいいます。 「地域サロン」とは地域住民が気軽に集まり、話し合いや生涯学習、運動などを行う場で、仲間づくりや社会参加、見守り、閉じこもりの防止につながります。 2 第2期地域福祉計画・地域福祉活動計画 2.1 地域福祉計画・地域福祉活動計画とは 地域福祉計画・地域福祉活動計画は、福祉分野における共通の理念と取組を定めることで、各分野横断の地域住民等が参加する地域福祉の推進によって、地域生活課題の解決を図る計画です。 2.2 計画の位置付け 市が策定した地域福祉計画は、市の最上位計画となる 総合計画の施策「健やかで思いやりのある地域社会の形成」や「次代を創る子どもたちの育成」の実現に向けた基盤として、高齢者、障がい者、子ども・子育て、健康づくりといった福祉分野共通の理念と取組を定めるもので、福祉分野の上位計画として位置付けます。 社会福祉協議会が策定した地域福祉活動計画は、地域の人と社会福祉協議会の連携による地域福祉活動に取り組むための計画で、社会福祉協議会の活動の指針となるものです。 地域福祉計画の理念を具体的な活動につなげていく必要があることから、両計画を一体的に策定しました。 2.3 車の両輪の関係性 社会福祉協議会は、民間の社会福祉活動を推進することを目的とした営利を目的としない民間組織で社会福祉法に位置付けられています。福祉サービスの実施や相談活動、ボランティア活動の支援、共同募金運動などの活動を行っています。 地域福祉の推進にあたっては、市が必要な環境整備や、公的福祉サービスの提供を図る役割であるのに対して、社会福祉協議会は、住民主体の地域福祉活動の推進や、地域の支え合いの取組を行う中核的な役割を担うなど、両者の関係性は、公と民の2つの視点から相互補完しながら、地域福祉を推進する「車の両輪」に例えられています。 2.4 6つの基本的な視点 本計画では、次の6つの基本的な視点から地域福祉の推進を図っていきます。 地域福祉の主役は地域で生活する市民一人ひとり 地域共生社会の実現を目指す 地域の特性を活かし、地域生活課題に対応する 分野を超えた多様な主体が連携する 人に寄り添った支援を行う 常時・非常時の切れ目のない支え合いを推進する 2.5 役割分担と連携 地域福祉を担うそれぞれの主体が、役割や認識を共有しながら、計画を推進していきます。 市民 地域社会を構成する一人として、生活する地域への関心を高め、可能な範囲から地域福祉活動に参加していくことが期待されています。 地域 地域には、町内会等の各種団体、企業・商店、農業、ボランティア、NPO、学校、民生委員・児童委員など様々な活動をする人がいます。それぞれの特色を活かした活動が期待されています。 医療・福祉の専門職 医療・福祉の専門職として、その知識や経験を活かした地域住民の福祉活動への参加支援、福祉分野のまちづくりへの参画が期待されています。 社会福祉協議会 地域における地域生活課題や福祉ニーズの把握に努め、地域福祉活動のコーディネートや課題の解決に向け、地域と連携した取組を進めていきます。 行政 地域福祉活動の充実に向けて、地域における課題解決に向けた仕組みづくりの支援やボランティアに参加しやすい環境の整備を進めていきます。 2.6 計画の構成 ※用語解説 「基本理念」は、計画を進めていくための基本となる考え方、「基本目標」は、基本理念を実現するための目標、「基本施策」は、目標達成のための方向性となります。 基本理念 誰もが安心して暮らせるよう地域で支え合うあいづわかまつ 基本目標1 みんなが活躍できる地域づくり〈地域福祉を推進するための人づくり〉 基本施策1の1 地域福祉の理解促進と福祉の心の育成 基本施策1の2 地域福祉活動の担い手の育成 基本施策1の3 誰もが活躍できる場の創出 基本目標2 みんなで支え合う地域づくり 〈住民が参加できる地域づくり〉 基本施策2の1 地域交流の推進 基本施策2の2 支え合い活動の推進 基本施策2の3 住民と関係機関の連携 基本目標3 みんなが安心して暮らせる地域づくり〈適切な福祉サービスに向けた基盤づくり〉 基本施策3の1 くらしを支える環境の整備 基本施策3の2 情報提供と相談体制の整備 基本施策3の3 医療・福祉サービスの充実 重点的な取組(会津若松市版地域包括ケアシステム) 重点的な取組1 住民参画による地域づくり 重点的な取組2 相談・支援体制の充実した地域づくり 重点的な取組3 常時・非常時の切れ目のない支え合いの地域づくり 地域における重点的な取組(地域福祉活動計画) 社会福祉協議会の活動の指針 成年後見制度利用促進基本計画 権利擁護支援の地域連携ネットワークの構築 2.7 計画の内容 基本目標1 みんなが活躍できる地域づくり みんなが活躍できる地域をつくるには、より多くの人が地域福祉活動に参加し、活動を充実することが大切となります。 年齢や障がいの有無に関係なく、全ての人の、それぞれの関係性や距離感で活躍(参加)したいという一人ひとりの思いの実現に向け、地域福祉の意識を高めるための幼少期からの福祉教育や生涯学習等の推進、地域福祉活動を行う団体への支援などの環境づくりを進めます。 市民の皆さんの役割 地域社会を構成している一人であることを認識します。 地域福祉に関する理解に努めます。 地域の行事や催事等に可能な限り参加するよう努めます。 地域福祉活動に住民同士が誘い合い参加します。 地域の団体や企業等の役割 多様な人が地域活動に参加できるよう努めます。 課題解決に向けて、可能なかぎり互助の取組を行います。 従業員や学生が活動に参加しやすい環境づくりや参加を促すよう働きかけに努めます。(企業・学校) 医療や福祉の専門職の役割 福祉教育や生涯学習への協力に努めます。 地域活動の支援に努めます。 地域活動団体やボランティア団体、NPO法人との連携に努めます。 社会福祉協議会の役割 人を慈しむ心、尊重する心を育むことを目的に幼少期からの福祉教育に取り組みます。 ボランティア学園を始めとした各種講座の開催により、地域で中心的に活動する人材の育成に取り組みます。 行政の役割 地域福祉の理解促進に向けて、地域との懇談会や勉強会、講演会を開催していきます。 社会福祉協議会や教育機関と協力し、地域福祉活動の担い手やリーダーとなる人材の育成に取り組みます。 地域活動団体やボランティア団体、NPO法人の活動へ、市民の参加促進を図ります。 ひきこもりなど社会的に孤立している人が活動に参加できる環境の整備に取り組みます。 基本目標2 みんなで支え合う地域づくり みんなで支え合っていく地域をつくるには、日頃から相手に思いやりを持ち、理解し合い、地域で生活する様々な人たちが協力し合える関係が大切となります。 支え合える地域に向けて、日常的なつながりや地域コミュニティーの構築、地区社会福祉協議会の組織化など、地域の全ての人が連携できる環境づくりを進めます。 市民の皆さんの役割 あいさつなど地域住民間のコミュニケーションに努めます。 町内会等の活動に関心を持ち、加入に努めます。 地域の行事や催事などに可能な限り参加し交流に努めます。 地域の支え合い活動への参加に努めます。 地域の団体や企業等の役割 地域サロンなど地域交流につながる機会の創出に努めます。 日頃から住民同士の交流を深め、支え合い活動が行える関係づくりに努めます。 健康教室の開催など、健康づくりに努めます。 医療や福祉の専門職の役割 地域サロンなど地域交流につながる活動へ、施設の貸出や活動の支援に努めます。 地域の支え合い活動の支援に努めます。 地域の健康づくり活動の支援に努めます。 社会福祉協議会の役割 活動・交流拠点としての空き家の利用を支援します。 新たなボランティア活動の仕組みづくりに取り組みます。 地域の支え合い組織となる地区社会福祉協議会の組織化を支援します。 行政の役割 多様な関係機関の連携による地域福祉活動を支援します。 活動・交流拠点となる集会所の整備に関する情報提供、空き家利用の支援を行います。 ICTを始めとした多様なコミュニケーション手段の利用ができるよう支援します。 地域の課題解決に向けて地域と協働で取り組む「地域づくり活動組織」の活動やその組織化に向け支援を行います。 基本目標3 みんなが安心して暮らせる地域づくり みんなが安心して暮らしていける地域をつくるには、地域で生活する様々な立場の人が、お互いの立場を理解し、支え合える関係が大切となります。 安心して暮らせる地域に向け、支援の必要な人に対する理解を深め適切な支援が届く環境づくりを進めます。 また、困ったときに適切な相談機関で相談できる体制づくりや利用者主体の福祉サービスの実現に向けて取り組みます。 市民の皆さんの役割 近所の災害時避難行動要支援者の支援について考えます。 医療・福祉サービス等に関心を持ち、状況に応じ適正なサービスを利用することに努めます。 地域の団体や企業等の役割 地域での防犯・防災訓練の実施など、日頃から防犯・防災意識の啓発に努めます。 住民間で医療・福祉サービス等の情報交換・収集ができる機会づくりに努めます。(地域の各種団体等) 医療や福祉の専門職の役割 地域生活課題の解決に向け専門機関同士の連携に努めます。 サービスに関する情報をわかりやすく伝えるよう努めます。 利用者からのニーズの把握に努め、更に利用しやすい事業の充実を図ります。 社会福祉協議会の役割 災害ボランティアセンターの機能強化に取り組みます。 支援の必要な人が支援につながるよう、戸別訪問による相談、インターネットを利用した相談など、積極的な相談に取り組みます。 行政の役割 身近な相談機関や断らない相談体制の整備に取り組みます。 総合的な相談窓口である生活サポート相談窓口において、生活困窮者の適切な支援を行います。 災害時避難行動要支援者名簿制度の啓発や個別計画作成を進めます。 医師会及び歯科医師会や薬剤師会を始めとする関係機関との連携のもと、地域医療体制の確保に努めます。 社会福祉協議会による各地域での取組(地域における重点的な取組) 社会福祉協議会では、本計画の理念の実現に向けて、地域の皆さんと協力しながら重点的に取り組む内容を地域ごとに定めました。これは社会福祉協議会の活動の指針となるもので、地域福祉活動計画の中核となります。 鶴城地区では、地域内有償ボランティア制度の研究に取り組みます。 行仁地区では、地域の交流・活動拠点の確保に向けた支援に取り組みます。 東山地区では、「東山・人と地域をつなぐ会」へ、地域の相談窓口の設置に取り組みます。 城西地区では、地域で活動するボランティア団体への支援に取り組みます。 謹教地区では、地域の交流・活動拠点の確保に向けた支援に取り組みます。 門田地区では、地域で活動するボランティアの組織化に向けた支援に取り組みます。 大戸地区では、地域の支え合いに向けたボランティアバンクの支援に取り組みます。 城北地区では、地域で活動するボランティアの育成に取り組みます。 日新地区では、地域サロンにおける介護予防や健康づくりの支援に取り組みます。 町北地区・高野地区では、買い物へ行くことが難しい人への支援体制の構築に取り組みます。 神指地区では、より身近な場所への交流・活動拠点の確保に向けた支援に取り組みます。 一箕地区では、子どもや高齢者、障がいがある人が参加できるイベントの実施に取り組みます。 湊地区では、「みんなと湊まちづくりネットワーク」の行う、「みなとたすけ愛サービス」の支援に取り組みます。 北会津地区では、「北会津ふれあいネットワーク」による地域サロン新設に向けた取組の支援に取り組みます。 河東地区では、「河東ふれあいネットワーク」と連携した、活動を支える担い手の育成に向けた研修会等の実施に取り組みます。 お互いさまでみんなをつなぐまち(会津若松市版地域包括ケアシステム) 本計画では、普段の生活の中において「お互いさま」の気持ちで地域の全ての人がつながる「お互いさまでみんなをつなぐまち」を会津若松市版地域包括ケアシステムの目指す姿とし、重点的に取り組む施策を設け、取り組んでいきます。 重点的な取組1 住民参画による地域づくり 住民参画によりお互いさまでつながる地域づくりを進め、日常の暮らしの中で行われる住民同士の支え合いや見守りにつなげていきます。 取組の目標 安心できる支え合いの輪を広げます 具体的な施策 多世代参加型の地域サロンを始めとした住民の居場所や活動の場の確保 地区社会福祉協議会の充実 重点的な取組2 相談・支援体制の充実した地域づくり 雑化・複合化が進む地域生活課題に対応できるよう相談・支援体制の充実に向け、様々な福祉制度の連携を強化します。 取組の目標 誰もが相談しやすくします 具体的な施策 多様な課題を包括的に受け止められる相談体制の整備 ライフステージの変化に応じた継続的な支援 重点的な取組3 常時・非常時の切れ目のない支え合いの地域づくり 近年の災害発生や感染症の状況から、これまで以上に常時と非常時の切れ目のないつながりや支援体制を構築していく必要があり、常時の連携体制が非常時に活かせるよう取り組みます。 取組の目標 普段からの取組で非常時に備えます 具体的な施策 災害時要支援者名簿作成への理解促進 災害時要支援者の個別計画の作成 2.8 計画の期間 令和3年度から令和7年度までの5年間とし、社会情勢の変化などに応じて、適宜必要な見直しを行います。 2.9 計画の進行管理 計画の進行管理を内部評価検証と専門的な視点からの外部評価検証を併用し、地域福祉の推進を図っていきます。 市においては、総合計画の進行管理を行うための行政評価により関連事業の評価を行います。 社会福祉協議会においては、経営戦略会議により事業の評価を行います。 市民や専門的知見を有する有識者等から構成される「会津若松市地域福祉計画等推進会議」において、毎年の取組内容を報告し、評価検証を行います。 3 地域で活動に取り組む皆さん 本市には、既に様々な地域福祉活動に取り組む人たちがいます。今回先進的な取組の一部を紹介します。 地区社会福祉協議会の取組 東山地区では、地区社会福祉協議会「東山・人と地域をつなぐ会」を設立し、地域の支え合い活動の充実に取り組んでいます。 当会では、「もっとみんなでよくすんべ東山・みんながいきいき暮らせるまちづくり」をキャッチフレーズに、地域サロン等の運営支援や認知症の人を支援する「認知症サポーター」の養成に向けた研修を行っています。 また、東山小学校の生活科の授業「団子さし」の支援では、地域の人が団子さしの由来の昔語りや団子作りを手伝いました。 地区社会福祉協議会は、現在、東山地区のほか、湊地区、北会津地区、河東地区で設立されています。 地域サロン会の取組 門田地区と大戸地区の地域サロンでは、家庭用テレビゲームを使ったボウリング大会「門田・大戸サロン大交流会」を行っています。 本物のボウリングと違いコントローラーを振ればボールを投げられるため、重いボールを持つことが難しい体力が低下した人でも参加できます。 大会での優勝を目指しての練習により、楽しみながら体力の維持・向上のほか、地域サロン会の参加者同士の団結力のアップにつながっています。 大会には、両地区のたくさんの人が参加するため、普段は付き合いのない人に会うこともあり「あら?お嫁に行って以来だごと」の声も聞こえるなど、両地区の交流にもつながっています。 自主防災組織の取組 災害時に地域に住む人の被害の防止や軽減を目的に、地域の皆さんが連携による「自主防災組織」を作っている地区があります。 自主防災組織とは、災害時の初期消火や被災者の救出・救護、誘導などの避難支援のほか、災害に備え避難訓練の実施や地域の危険個所の把握、防災用具の配置などを行う組織です。 現在、市内には9団体が設立され、災害時に備えた様々な取組を行っています。 第2期会津若松市地域福祉計画概要版 第2期社会福祉法人会津若松市社会福祉協議会地域福祉活動計画概要版 発行 令和3年3月 編集・発行 会津若松市健康福祉部地域福祉課 会津若松市東栄町3番46号 電話番号0242-39-1232 https://www.city.aizuwakamatsu.fukushima.jp/ 社会福祉法人会津若松市社会福祉協議会 会津若松市追手町5番32号 電話番号0242-28-4030 http://awshakyo.or.jp/