平成30年度施政方針

2018年2月25日

施政方針とは、新年度における市長の市政運営に対する基本的な考え方について述べたものです。

【はじめに】

 

 本日、平成30年2月市議会定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様にはご参集を賜り、厚く御礼を申し上げます。
 本定例会の開会にあたり、平成30年度会津若松市一般会計予算をはじめとする諸案件のご審議をお願いするとともに、市政執行に取り組む私の所信と施策の大綱を申し述べ、ご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 

【施政にあたっての基本的な認識・考え方】

 

 さて、平成29年度は今後10年のまちづくりの指針となる「第7次総合計画」の初年度でありました。
 計画のビジョンに掲げた「ともに歩み、ともに創る『温故創しん』会津若松」では、会津地方の風土と、今もなお息づく有形、無形の財産に光をあてつつ、そこに新たな考え方や方法、技術を積極的に取り入れながら、後世のさきがけとなる気概を持って、市民の皆様と一緒に、未来へのまちづくりを進めていこうとする姿勢をお示しし、将来に向けたまちづくりの第一歩を踏み出した年でありました。
 平成30年度は、戊辰から150年という節目の年として、改めて、先人が築き上げてきた「私たちのまち会津若松」の資産、魅力を最大限に生かしながら、将来に向かって「ひとが輝くまち」を市民の皆様と「ともに創り」、さらに未来の世代へ「つなぎ続ける」べく、未来を語り、未来を信じ、未来を創る年としてまいりたく、第7次総合計画に掲げる3つのまちづくりのコンセプトに基づき、市政運営に臨んでまいります。

 

【平成30年度の市政運営の考え方及び取組】

 

(ひとが輝くまちへ)

 

 はじめに、「ひとが輝くまち」に向けた取組であります。 

 私達の先人は、教育に力を注ぎ、国内外で活躍する多くの人材を輩出してきました。本市の「いま」があるのも、「ひと」の力に支えられており、将来の発展のためにも「ひとづくり」が何よりも大切であると考えております。
 特に、安全に安心して子どもを育てることのできる環境と特色ある教育環境を持つことは、本市で育った世代が、ここで次の世代を生み育てる、すなわち、本市が持続的に発展するための重要な要素であり、また他地域から本市へ移ってこられる方々にとっても大きな魅力となり得ると考えております。
 こうしたことからも継続して、子ども医療費の18歳までの無料化をはじめ保育所、幼稚園、認定こども園等での利用者負担の軽減を図っていくなど、安心して子どもを育てることのできる環境の維持・整備に努めていくとともに、子どもたちの夢や希望を叶えるため、その主な取組として「あいづっこ人材育成事業」や「グローバル人材育成事業」など、本市ならではの特色ある学習の機会づくりに努めてまいります。
 また、子どもたちが確かな学力を身に着け、さらに向上させていくことは、子どもたちの将来の可能性を広げ、幅広い分野での活躍が期待できることから、学力向上推進計画に掲げる「確かな学力の向上」に向けて、引き続き、実用英語技能検定、日本漢字能力検定などの受検への支援はもとより、小学校の英語教科化への対応やデジタル教科書への移行を見据えた、プロジェクター付き電子黒板の導入とデジタル教材の配置に積極的に取り組んでまいります。
 さらに、子どもたちが安全に安心して学習できる環境を整えていくため、平成30年度においては、河東学園中学校の移転・開校、行仁小学校の改築に向けた実施設計、城北小学校校舎北東棟(きたひがしとう)の整備といった学校施設の整備をはじめ、引き続き、子どもたちからの要望の高い学校トイレの洋式化や老朽化した設備の更新などの学校環境の整備について、計画的に進めてまいります。

 

(ともに創るまちへ)

 

 2点目は、「ともに創るまち」に向けた取組であります。
 社会情勢がめまぐるしく変化する現代にあって、市民の皆様が自分らしく豊かに、安心して生活することは、持続的な地域社会を形作る上で重要なテーマであり、住み、集う全ての方々が知恵や力を出し合いながら、実現に向けて歩んでいくことが望まれます。
 特に、福祉や防災、地域づくりやその運営などは、地域で暮らす方々の力の結集が不可欠であります。
 そのため、まず、福祉の分野においては、「地域福祉計画」や「障がい者計画及び障がい福祉計画と障がい児福祉計画」、また「高齢者福祉計画・介護保険事業計画」に基づき、高齢の方や障がいのある方をはじめ、地域の全ての方々が、互いに支えあう仕組みである地域包括ケアシステムにより、住み慣れた地域で暮らせるための支援を行ってまいります。
 さらに、国民健康保険制度については、平成30年度からの県単位での制度運営への移行を図り、健康づくりを推進しながら、市民の皆様が安心して医療を受けることができるよう、安定的な事業運営に努めてまいります。
 次に、防災対策においては、災害時においても行政サービスを円滑に行うため、「業務継続計画」を策定することに加えて、全てを消防力や行政で対応できない事態に備え、市民の皆様と防災意識を共有し、地域における自主防災組織の設立の支援に取り組んでいくとともに、高齢の方や障がいのある方などの避難体制づくりを進めてまいります。
 また、地域の新たな課題としての空家対策においては、地域の方々と実態の把握に努め、発生の抑制や適正な管理、利活用対策の推進など、地域や関係団体の方々と連携した対応を図ってまいります。
 この他、身近な公共施設や道路・水道などの社会基盤については、将来の維持管理やサービスに支障をきたすことのないよう、「公共施設等総合管理計画」に基づいた取組を進めているところであり、平成30年度においては、地域の方々と公共施設のあり方を考える場を設けながら、将来のマネジメントにつなげてまいります。
 以上のように「ともに創るまち」においては、地域組織の運営を着実なものとし、地域による地域に根ざした特色あるまちづくりを進めていくことが求められており、例えば、地域の公共施設のあり方を地域の方々と考える取組を通して、地区公民館を核とした地域コミュニティの運営などについて検討を進めてまいります。
 こうした取組の推進においては、北会津、河東の地域づくり委員会を核として、地域間の持続的な交通網の構築を図ってきたこと、また湊地区の地域活性化協議会の協力により、インターネットに接続するテレビを通して地域情報を提供する「みなとチャンネル」や地域内交通「みなとバス」の実証に取り組んでいることなどを先行事例として、これらから得られる知見を他地域への展開につなげながら、地域運営の主体的な活動が図られるよう支援してまいります。

 

(つなぎ続くまちへ)

 

 3点目は、「つなぎ続くまち」に向けた取組であります。 
 将来にわたって安心して暮らすことのできるまち、魅力的で活力のあるまちをつくっていくためには、暮らし続けるための経済活動や「しごと」が必要であり、雇用の維持とともに「子育て・教育」環境が整備され、元気でいきいきと暮らしているまちは、人々を引きつけていくための戦略を有していると考えております。
 このため、企業誘致を推進するとともに地場産業をはじめとする既存産業の事業拡大により、雇用の創出と労働力の地域内定着に向けて、事業者の方々の協力を得ながら取り組んでまいります。

 こうした中で、新たな雇用を生み出し、人口の定着・増加に寄与する工業団地については、現在、分譲中の徳久工業団地への成長産業をはじめとした企業の誘致に取り組んでまいります。さらに、産業集積の高度化に向けて、引き続き会津地域での県営工業団地の整備を要請していくとともに、本市独自の新たな工業団地整備についても検討してまいります。
 また、IoTや人工知能を活用した政策が国において推進されている中で、民間事業者との連携のもとに進めているICTオフィス環境整備事業においては、平成31年3月の開所に向けて、その整備とICT関連企業の誘致を進め、入居企業と本市の知的資源である会津大学や地元企業との技術交流などが図られていくことにより、新たな設備投資や産業創出に努めてまいります。
 一方、商工業の振興においては、引き続き中小企業等の資金調達の円滑化や中小企業振興条例に基づく補助制度などにより、経営支援に努めていくとともに、歩いて暮らせる賑わいのあるまちづくりに向けて、商業や公共交通などの融合を図る中心市街地活性化対策に努めてまいります。また、漆器や酒造などの地場産業については、伝統技法の継承や海外も見据えた販路拡大により、移出型の産業として、さらなる成長が図られるよう、担い手の育成や異業種交流による商品開発などの支援策を講じてまいります。
 さて、本市の基幹産業というべき観光関連産業についてであります。

 今年は、戊辰150周年の年であります。次年度の誘客促進の柱として、「『義』の想い つなげ未来へ-。戊辰150周年。」のキャッチフレーズのもと、鶴ケ城天守閣における企画展を主軸としながら、特別映像の民放BS4局ネットでの全国配信、白虎隊の史実をオペラ化した「オペラ白虎」の公演、市内展示施設周遊ラリーや記念式典を開催してまいります。
 また、これまで交流人口の拡大に向けて取り組んできた数々の観光誘客対策や教育旅行の誘致施策に加え、産業観光やコンベンションなどの新たな観光誘客の取組、さらには、2020東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた、タイ王国選手団の事前キャンプの実現に取り組み、タイ王国はもとより外国人観光客の誘致に努めることで、観光関連産業の一層の活性化につなげてまいります。

 次に、もう一つの基幹産業である農林業を持続可能な産業としていくため、その振興策として、間伐材の搬出支援による森林整備面積の拡大や、新たに農業に取り組む方々に対する総合的な経営支援により、新規就労者を確保してまいります。また、園芸作物への施肥や水田の水管理にICTを活用し、遠隔操作していくシステムの導入に加え、土地改良事業による基盤整備を推進していくことで、農業の労働生産性の向上を図り、本市農林業の安定的な経営に努めてまいります。
 さらに、平成30年度からの米政策転換に対応するため、「特A」評価の本市産コシヒカリの中から、さらに厳選した米を、集荷業者とともに統一したネーミングとパッケージデザインによる新たなブランド米として創出することで、価格の向上につなげてまいります。
 また、旬の食材を市内飲食店や宿泊施設で提供する「あいづ食の陣」の開催などによる情報発信やブランド化の推進、会津フェスタなど、首都圏でのイベントへの出展や量販店での流通・販売を通して、農産物のさらなる消費拡大を図ってまいります。
 こうした産業の活性化対策とともに、豊かで魅力があり、次世代につながるまちづくりを進めるため、景観条例をはじめ、新たに制定した「屋外広告物等に関する条例」に基づき、本市らしい景観を「まもり、つくり、そだてて」まいります。また「第2期環境基本計画」の中間見直しを踏まえ、良好な環境の保全を図ってまいります。
 さて、以上申し上げてきた点は、主に産業振興の視点での「つなぎ続くまち」についてでありましたが、公共施設整備とともに財政運営などを踏まえた公共サービスのあり方にも、目を向けていく必要があります。
 これからのまちづくりの基盤となる取組として、第7次総合計画において「まちの拠点」としてお示しした、「市役所庁舎の整備」、「会津若松駅前の基盤整備の検討」、「県立病院跡地などの利活用の提案と検討」にあたっては、本市の魅力向上に寄与し、市民の皆様の利便性の向上や定住人口、交流人口の増加に結びつくよう取組を進めてまいります。
 その中で、一つ目の市役所庁舎の整備については、今年度実施している本庁舎旧館の保存活用を核とした計画作成及び庁舎整備行動計画を踏まえ、次年度においては、専任組織を設置し、庁舎整備の方向性を示す基本計画を策定してまいります。
 また、基本計画策定とともに庁舎敷地に係る測量・地盤調査を実施していく予定であり、事業の具現化からも庁舎整備基金を充当し、庁舎の整備に着手してまいります。
 二つ目の会津若松駅前については、道路動線や駅前広場など公共基盤の課題解決、整備の具現化に向けて、関係機関との協議・調整を進めてまいります。
 三つ目の県立病院跡地については、用地取得に向けて県との協議や諸条件の整理を進め、市民の皆様からの提案を整理した県立病院跡地利活用懇談会からの「意見書」を踏まえ、事業手法のあり方の検討などを含む基本構想を策定してまいります。
 なお、こうした駅前や県立病院跡地の整備に要する資金需要、また民間による魅力あるまちづくりへの資金組成への支援なども検討していくため、会津若松地方広域市町村圏整備組合から返還される「あいづふるさと基金」を原資とした「まちの拠点整備等基金」を設置してまいります。
 次に、財政運営においては、これまで市債残高の低減や実質公債費比率の改善など、財政の健全化に努めてきたところであり、中期財政見通しの策定を通して進行管理に努めていくとともに、将来の地域を担う人材の育成や新しい価値を生み出す産業分野の育成、魅力あるまちづくりなど「未来への投資」についても、財政状況を見極めながら取り組んでまいります。
 

【結び】

 

 以上、第7次総合計画に基づくまちづくりの推進並びに市政運営の基本的な考え方について申し述べましたが、私は本市の将来を担う子どもたちの育成を含め、本施政方針でお示しした取組について、市民の皆様とともに考え、活動していくことが、市民生活の安定、そして地域経済の活性化につながっていくものと確信しております。
 こうしたことは、例えば、平成27年に会津縦貫北道路が全線開通し、移動時間の短縮による生産性向上や交通事故減少による安全性向上など、いわゆるストック効果と言われる施設整備の効果が現れているように、今後、会津縦貫南道路の整備も進められていくことで、会津の新しい発展、躍動が大きく期待されております。このように会津地方の各自治体、ゆかりの自治体などとのつながりをさらに強め、本市で活動するすべての主体を含め、お互いの運動量を高め合うことが「新しい会津」の創造につながるものと考えております。
 また、あらゆる機器がインターネットにつながる技術と通信手段の高度化は、今や事業変革を促す起爆剤となっており、「つながる」という面で、今までの規模を超えて拡大化させていく機能を有し、新たなシステムや仕組みが創られていくこととなります。

 こうした取組が、経済活動はもとより、健康・医療、公共サービスなどの幅広い分野に及び、働き方やライフスタイルにも影響を与えており、人工知能や情報技術のさらなる進展が図られている取組が「生産性革命」、または「第4次産業革命」と表現され、例えば、医療分野では「遠隔医療相談」、建設分野では災害復旧などでの「建設機械の遠隔操作」といったように、通信システムと異業種の技術が融合し、次々と新しい事業が創出されております。
 こうした状況を踏まえ、私は、これからの地方都市の発展、とりわけ地方創生の深化に向けての取組は、より良い未来を創る好機であると考え、これまで多くの知見を得るため、産学官連携による人材交流や企業との提携による提案や協力を求め、地域の力の引き出しに努めているところであります。また、事業変革への対処にあたっては会津藩校「日新館」の名称が「苟(まこと)に日に新たに、日々に新たに、また日に新たなり」という言葉に由来し、「今日の行いは昨日よりも新しく、明日の行いは今日よりもさらに新しく」という日々の成長への思いが込められているように、この教えを念頭に、自分たちの住み暮らす地域を、より良くしていく活動と共感づくりに努めていくとともに、市民生活と切り離すことができない社会資本の整備や都市機能の維持・向上に取り組んでいく所存であります。
 何卒、市民の皆様並びに議員の皆様におかれましては、引き続き市政運営について、一層のご支援とご協力を賜りますよう心から念願申し上げます。

 

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