公開日 2018年10月01日
更新日 2020年05月12日
市では、スマートシティ会津若松の地方創生の取り組みとして、湊地区をモデルとして「ICTを活用した中山間地域づくり事業」に取り組んでいます。
目次
ICTを活用した中山間地域づくり事業について
- 事業の目的
「ICT(情報通信技術)の力で、生活を便利に、地域の活性化を目指します。」
人口減少が進み、地域コミュニティの活力向上が求められる中山間地域の地域課題解決の手法の1つとして、
・生活支援(情報配信)システムの構築
・通信網の整備
・デマンド型乗合自動車の導入と運用
などの「中山間地域づくり生活支援システム」の構築・運用により、中山間地域のコミュニティづくりを推進していくものです。
- 事業内容
(1)中山間地域生活支援システムの構築と運用
1.生活支援(情報配信)システムの構築
湊地区をモデル(湊地区)として、各世帯に「会津若松+(プラス)」と連携させたセットトップボックス(STB)を設置し、行政情報、地域内交通などの情報を提供する
「中山間地域生活支援システム」を導入して地域団体と協働により運用します。
2.通信網の整備
湊地区でサービスを提供するADSL通信事業者の関西ブロードバンド(株)と連携し、地区内の通信環境を整備します。
(2)中山間地域における地域内交通システムの構築と導入
・デマンド型乗合自動車の導入と運用
地区内の風力発電所の再生可能エネルギーを活用した電気自動車(日産自動車株式会社からの無償貸与)を地域内交通として導入し、人の移動はもとより、
地域の農産物直売所への野菜集荷などにも活用を検討します。
*運用に際しては、中山間地域生活支援システムで予約受付・運行情報の表示を行い、地域の団体が主体的に取組む仕組みを構築します。
- スケジュール
平成28年度:実態調査・事業計画の策定
平成29年度:システム構築・導入及び実証
平成30年度:実証継続と評価及び今後の運用展開への調整
生活支援システム(みなとチャンネル)・地域内交通(みなとバス)の実証を開始しました。
平成29年10月より、各家庭のテレビでご活用いただく生活支援システムの運用を一部地域から開始しました。
また、電気自動車を活用した地域内交通(みなとバス)も11月から本格運行を開始し、本格的な実証がスタートしました。
左側より 湊地区地域活性化協議会 会長 小檜山様
関西ブロードバンド株式会社 代表取締役 三須様
富士通株式会社 会津支店長 日高様
会津若松市長 室井照平
今後は湊地区全域へ機器の設置を進めながら、機能の拡張を進めていく予定です。
EST交通環境大賞を受賞しました
このたび、本市湊地区において湊地区地域活性化協議会と会津若松市が連携・協働するこの取り組みが、第10回 EST交通環境大賞の大賞(環境大臣賞)を受賞することとなりました。
EST交通環境大賞は、ESTの更なる普及のために、地域の交通環境対策に関する取組み事例を発掘し、優れた取組みの功績や努力を表彰するとともに、その取組みを広く紹介し、普及を図るために平成21年度に創設されたものであり、今回は応募のあった18件の中から、EST普及推進委員会における審査を経て決定されました。
- EST普及推進事業とは
環境的に持続可能な交通(EST:Environmentally Sustainable Transport)、すなわち長期的視野に立って交通・環境政策を策定・実施する取組みは、運輸部門が地球・地域環境に及ぼす負荷の削減、とりわけ脱温暖化社会を目指した温室効果ガスの長期的・継続的な排出削減を目指すものであり、短期的には、京都議定書遵守のために政府が掲げる2010年度の温室効果ガス削減目標の達成を目指しています。
- 受賞理由(第10回 EST交通環境大賞審査結果より抜粋)
人口減少を背景としたコミュニティの維持や高齢者の移動の確保等の地域課題に、市、協議会、関係者が連携して取り組みつつ、再生可能エネルギーの地産地消とCO2削減に繋がる運行を目指し、電気自動車が中山間地域の低炭素化と地域の活力維持に貢献している点を高く評価した。電気自動車を効率的に運行するためにICTを活用しつつ、農産物の貨客混載等にも取り組む点も評価できる。
湊地区での取組は、今後、交通分野の地域循環共生圏を検討する上で重要であり、近年増加している中山間地域の課題解決に向けて参考となることから、大賞を授賞することとした。
環境的に持続可能な交通(EST)ポータルサイト(外部サイト)
関係機関との連携や支援による取り組み
この事業は、地域住民の皆様や関係する機関・団体など、様々な関係機関との連携や支援により取り組まれています。
- 湊地区地域活性化協議会(令和元年度より「みんなと湊まちづくりネットワーク」に改名)
湊地区では、、少子高齢化、人口減少が加速する中、地域活動の維持が困難になりつつあります。このような状況に対し、地域の課題を解決するために、地域住民自らが考え、実践することにより地域づくりを推進することを目的に湊地区地域活性化協議会が設立され、この実証事業を含めて、様々な取り組みが進められています。
- 日産自動車株式会社
日産自動車株式会社では、まちづくりの取り組みなどに電気自動車を貸し出す事業を行っており、この実証の取り組みに「e-NV200」を1台、3年間無償で貸与いただきました(令和2年2月で貸与終了)。貸与いただいた電気自動車は、環境に配慮しながら地域内交通の車両として活躍しています。
- コスモエコ・パワー株式会社(会津若松ウィンドファーム)
コスモエコ・パワー株式会社では、せあぶり山に設置する風力発電所「会津若松ウィンドファーム」において発電した電力の一部を、地域貢献のために、湊地区に設置する急速充電施設で無償で充電できるようにしています(4~11月まで)。実証で運行する電気自動車は、この電力を活用させて頂くことで、ランニングコストを抑えるとともに、環境に配慮した運行を行うことができています。