平成29年度 會津稽古堂市民講座「立正大学デリバリーカレッジ」を開催しました

2017年7月1日


「立正大学デリバリーカレッジ」とは…

 
立正大学は、1872年開学、開校140有余年を数える総合大学です。8学部15学科、大学院7研究科を擁し、自由闊達な学風の中で多くの学生が学んでいます。
「立正大学デリバリーカレッジ」は、地域社会への開放的で知的な貢献を目指し、平成20年からはじめられた事業です。大学の専任の教員が全国各地に赴き、各分野の最新の研究成果を分かりやすく伝えるもので、本市でも會津稽古堂が開館した平成23年から毎年開催してきました。歴史、文学から心理学、教育学等々、多岐にわたる内容の中から市民のみなさまのニーズにあわせたカリキュラムを選び、毎年好評をいただいています。

今年の講座の様子

本年度は昨年度と同様に、6月の第1週をのぞく毎土曜日(10日、17日、24日)にわたり、3講座を開催しました。
全3回で受講いただいた方の人数は133名。1回あたりの平均参加者数としては過去最高でした。
それだけ多くの方の学習ニーズがあるということを改めて感じました。
多くの方に全3回出席していただいき、「毎年楽しみにしているのよ」というお声かけを多くいただきました。
講座の運営をしているものとしては、とてもやりがいを感じるお言葉です。
 

【第1回】 ケネディも絶賛した上杉鷹山の統治を解明する

日時:6月10日(土)
講師:立正大学名誉教授 池上 和男 先生
  
池上先生は立正大学の経営学部を中心に教鞭をとっていらっしゃいます。
「経営」なのに「上杉鷹山」?と最初に思ってしまいましたが、講義をお聞きするとその理由がよくわかりました。
上杉家は私たちの住む会津に縁があることから、全3回の講座のうち最も多くのお客様が参加され、池上先生の講義を熱心に耳を傾けていらっしゃました。
    
  第1回1.JPG
 まずは、上杉鷹山といえば有名な
 「なせば成る なさねば成らぬ何事も ならぬは 人のなさぬなりけり」について、教えていただきました。
 これは家臣団への教訓であったのですね。
 上杉鷹山は行政の不正に対して厳しく処罰を与え、新進気鋭の人材を役人として起用しました。
 また、藩財政の状態をこまめに開くなど、現代の情報公開に通じることや、自らに批判的な人たちとも話し合いを通して意見を吸い上げるなど部下や民とのコミュニケーションを大切にするといった、今でも大切なことをきちんと行っていたことを教えていただきました。
 上杉鷹山は、細井平洲や藁科松柏などから影響を受け、主に、民(主に農民)のことを考えて統治することを重視していたのですね。
 このことが、「ケネディ(大統領)も絶賛する」という本講義のメインテーマに繋がり、受講生も納得の様子でした。
 
  第1回の様子3.JPG
講義終了後にはたくさんの質問がだされました。
やはり「上杉家」、会津との関わりもとても深いようで、今後、もっと上杉鷹山や上杉家について学びたいという感想も聞かれました。
次の学習につながる、生涯学習としてもとても意義のあるお話でした。
また、経営の視点から歴史上の偉人の功績を解き明かすということも新鮮に感じるとても良い講義でした。
 

【第2回】 ヘレン・ケラーが目標とした日本人 ~盲学者・塙保己一の生涯から、幸せについて考える~

日時:6月17日(土)   
講師:立正大学非常勤講師(元教授) 堺 正一 先生
 
堺 正一先生は、特別支援学校等で長らく教壇に立ち、校長先生などをご経験ののち埼玉県立総合教育センターにおいて教育相談等にあたられてきました。
その後は立正大学において社会福祉学部の教授としてご活躍されていた、教育分野のエキスパート。言葉の一つ一つに経験に裏打ちされた重みを感じました。
現在は、一般的な「教授」のイメージとは全く違ったイメージの「紙芝居屋しょうちゃん主宰」でいらっしゃいます。
地域では「しょうちゃん」の愛称で親しまれ、高齢者施設や保育所、障がい者団体等の地域社会でのボランティア活動に取り組まれているそうです。
穏やかな表情の先生ですが、全国各地で毎週のようにボランティアに取り組まれているお話からは、先生の教育に掛ける熱い思いをひしひしと感じました。
そんな、地域貢献に取り組んでいらっしゃる先生の講義は、穏やかなに進みつつもとても深いお話でした。
塙保己一研究の第一人者として、塙保己一が世界に残した偉大な功績について教えていただきました。
目が見えないにも関わらず、人生をかけて 『群書類従』を編纂した塙保己一の功績は、現代においても色あせない偉大なものでした。
  堺正一先生.JPG
世の「偉人伝」には必ず登場する三重苦の女性、ヘレン・ケラーが人生の目標とした塙保己一。
生きた時代は違っても、失望から立ち上がり困難を乗り越えた二人の生きざまは、現代に生きる我々にいろいろなことを問いかけているように感じました。
  中村久子.JPG
最後に様々な障がいをもちながらも活躍した方や今現在取り組んでいらっしゃる方々の紹介をいただきました。
とても印象に残ったのが、中村久子さんの「ある ある ある」
みなさんは朝起きた時に、何気ない日常のひとつひとつがそこに「ある」喜びを感じながら生活をしていますか?
忘れがちな、「ある」ことの喜びをずしんと感じたお話がありました。
  堺正一先生2.JPG
「共生」とはなにか、ひとりひとりが考えさせられる素晴らしい講義でした。
担当職員も、もっと聞いてみたい、そんなお話をお聞きすることができました。
参加された方の感想では、
  • 不自由なところが何もなく生きているのに、人と比べてないものに不満をもっていたように思います。
  • あることがありがたいことと思い生きていきたいと思いました。
  • もっと多くの方に聞いていただきたい、そんな講義でした。
  • はじめて「塙 保己一」を知りました。障がいについての理解が深まりました。
 等のたくさんの感想をいただきました。
 

【第3回】 少年非行の理解と対応

日時:6月24日(土)   
講師:立正大学教授 村尾 泰弘 先生
   
村尾先生は横浜国立大学大学院で教育学を修められたのち、家庭裁判所調査官として少年非行や離婚など多くの家庭問題にかかわってこられました。
その後、立正大学社会福祉学部・大学院社会福祉学研究科でそれまでの経験を活かして教育活動にあたられています。
教員としてだけでなく、日本司法福祉学会会長や、NPO法人「神奈川被害者支援センター」副理事長を務め、臨床心理士・家族心理士としてもご活躍しておられます。
『家裁調査官は見た―家族のしがらみ』等の著作も数多く発表されています。
 
最終回となる第3回は、子供たちへの教育分野に関する講義ということで、會津稽古堂「PTA研修・親子力アップセミナー」と合同で開催しました。
学校の先生や今まさに子育てをされている親御さんが多く参加されるなど、若い方の参加が多かったのが印象的でした。
  
  村尾泰弘教授1.JPG
臨床心理士・家族心理士の経験から、子どもの話を「聴く」ことの大切さ、「善悪」という判断を抜きにして「受容」することの重要性を教えていただきました。
また、「聴く」こと「受容」することを重視しながらも、子どもたちが抱えている問題を少しずつひも解いて明らかにすることが必要であることを参加者全員が学びました。
  村尾泰弘先生.JPG

○手のかからない子だった…実は「手をかけていない」からでは? 手をかけていなければ、印象は「手のかからない」なるほど。

○困った子…「困っている子」では? 本当に困っているのは、子どものほうでは?

という視点は多くの受講者の方に気づきを与えてくれたようです。

罪を犯す子どもの多くは、過去に虐待などの被害者であることが多いそうです。被害者の視点を取り入れた教育(更正)という考え方を学ぶことができました。

  

貧困や環境の連鎖が問題となっている現代。地域で地域の子どもを支えていく、他人事と思わず教育を考え取り組んでいく大切さを、私たち教育にかかわる職員も改めて感じる講義内容でした。

  

受講した方の感想からは

  • 子育ての中で子どもの問題行動に対して、つい頭ごなしに怒ってしまうことが多いので、なぜそのようなことをするのか、何に困っているのかを考えてみたいと思います。
  • 地方に住み都市部の大学の講義を聴く機会をいただきありがとうございます。
  • 罪を犯した人の被害者意識に対処する必要性や傾聴について教えていただきとても勉強になりました。

 

といった感想が多く寄せられました。

今年も多くの市民の方々に参加いただいた立正大学デリバリーカレッジ。

様々な学問分野の本格的な講義が受けられるこの講座、 「ぜひ継続してほしい」というお声も受けております。
立正大学の社会貢献事業の一環として連携して実施している本講座ですが、来年も開講できるよう努力してまいります。
  
お忙しいなか、ご参加いただきました市民のみなさま、そして、はるばる本市にお越しいただき、貴重な研究成果をお聞かせくださった、
池上先生、堺先生、村尾先生、本当にありがとうございました!

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