會津稽古堂×会津大学協働事業「あいづまちなかキャンパス」を行いました

2017年2月14日


「あいづまちなかキャンパス」のはじまり…

 現在、公民館には、多様な人々が集い、学習することなどを通じてネットワークを構築し、特色のある地域づくりを行うことにより、地域の絆・地域コミュニティをつくり上げていくという役割が強く求められています。
 一方、大学には、地域社会における「知の拠点」として、公開講座などにより大学教育の成果や研究を地域に還元することが求められています。
 当市では、こうしたお互いに求められている役割を融合させ、より質の高い教育機会の提供ができるよう、様々な取組みを行ってきました。
 会津大学との度重なる意見交換の中で、「まちなか」で大学の講義を体験できる公開講座を公民館と協働して開催することが発案され、議論を重ねた結果…
 「あいづまちなかキャンパス」として、大学の講義の一部を市内中心部に位置する會津稽古堂で実施することとなりました。
  
  ○地域住民にとって最も身近な学習拠点であるだけでなく、交流の場として毎年約60万人にお越しいただいている會津稽古堂(生涯学習総合センター)。
  ○日本で最初のコンピュータ理工学専門大学として世界をリードする一方、教育学、法学、哲学、保健体育、社会学といった文系の専門家も多く在籍する会津大学。
 
  互いの“強み”を活かして、地域の学習ニーズに応えていこうという、公民館と大学の“挑戦”が始まることとなりました。

平成29年1月7日 「見て聴いて学ぶ!会津の歴史と文化」開催

 はじめての「あいづまちなかキャンパス」は会津大学の甘泉 瑞応 教授の担当する、「会津の歴史と文化」(ICTグローバルプログラム全英語コース)の一環として行われるとともに、會津稽古堂市民講座として一般参加者も募りました。
 男性25名、女性29名の計54名が講義やグループワーク、史料や作品を見るなどし、「見て」「聞いて」会津の歴史と文化を学習しました。
  
甘泉先生講義写真

会津大学甘泉瑞応教授によるオリエンテーションの様子

参加者写真

会津大学の先生4名、会津高校の先生2名、會津稽古堂の職員10名が出席

野口先生の講演写真

会津歴史考房主宰 野口 信一氏の講演

野口氏は元会津図書館長

英語による同時通訳の写真

野口氏の講演をなんと英語同時通訳

通訳は會津稽古堂利用者の方2名!

 甘泉先生は、世代や文化を超えた学習の重要性について受講者に語りかけました。
 アクティブ・ラーニング(教員による一方的な講義形式の教育ではなく、学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称)により、地域を見つめなおし、新たな発見や気づきをこの機会に味わってほしいことを受講者に伝えました。
 会津歴史考房主宰の野口 信一 氏 は、歴史的に裏付けされた証拠(エビデンス)に基づき、会津という地域の成り立ちから、現代に至るまでの流れをわかりやすく講義し、以下のような興味深い内容について教えてくれました。
 
  • なぜ「会津」という地名になったか。
  • 大塚山古墳から発掘された鏡から、大和朝廷に認められるほどの権力が会津に存在していたこと。
  • 勝常寺の薬師如来や日光菩薩・月光菩薩など、貴重な仏像について。
  • 葦名氏から松平氏までの会津のまちづくりについて。
  • 会津という地域が蒲生氏郷の時代に、当時日本にあった200の国のうち4番目に大きな国になれた原因とは。
  • 会津120万石の規模や石という単位について。
  • 会津藩の優れた教育制度について。
  • 戊辰戦争から若松市の誕生と、会津に残る気質と精神性の成り立ちについて。
 
 野口先生の講義は、会津に長く住んでいる市民の方でも「知らなかった!」という声が上がるほど興味深いもので、あっという間の講義になりました。
 会津大学の学生さんの約半数は県外出身の方。せっかく会津にきたのに、自分の学び舎がある地域について知れないのはもったいない!県外出身の学生さんからは、会津が歴史的に非常に重要な場所であることを「初めて知った」との声が多く聞かれました。
 約半数の県内出身の大学生も、なんとなくの『会津の歴史』は一通り知っていても、詳しくは知らないという方も多いようでした。
 大学生や高校生の中には「戊辰戦争」ってなんで起きたの?という疑問を持っている人も多い様子。
 野口先生は、留学生にも分かりやすいように、平易な言葉で講義をされたので、参加者は会津の歴史と文化の基礎から学習を深められました。
 会津大学の講義は英語で行われるため、英語の同時通訳を実施することで、12月に会津(日本)に来たばかりの留学生も、会津について学ぶ良い機会になったようです。
 なんと、同時通訳は、會津稽古堂を利用している市民の方にお願いしました。…公民館の持つ地域の繋がりを活かせた結果でしょうか。

野口先生の講義後には1階で開かれていた會津稽古堂開館5周年記念事業「古地図・古写真・絵画でたどる懐かしの会津」展を鑑賞

 本講座の目的の一つとして、大学の講義(座学)では難しい、「実物」を見ながら学習をするということがありました。
 元会津図書館長でもある野口先生の講義では、市が所蔵する資料についても詳しく解説をいただきました。野口先生、会津大学の先生方や、市の司書、学芸員、社会教育主事などが展覧会の会場で貴重な資料に関する解説を行い、受講生は熱心に聞き入っていました。
 展覧会の鑑賞には、司書から「お気に入りの1枚を見つけよう」というテーマが課されました。
 飛行機やヘリコプター、ドローンやカメラが無い時代に描かれた鳥瞰図や鶴ヶ城を真上から描いた城下絵図などに参加者は見入っていました。
 その他、今も面影を残す会津の古い街並みを記録したガラス写真や、会津が生んだ美術家たちによる絵画作品などを鑑賞する貴重な機会とあって、参加者は「お気に入りの1枚」を探すのに苦労した様子でした。
学芸員からの解説

市の学芸員から絵画の解説を受ける受講生。もちろん英語の同時通訳です。

展覧会の鑑賞写真

市が所蔵する美術作品を展示しました。とても貴重な機会です!

展示解説の様子

城下絵図を鑑賞しています。非常に大きな掛軸の作品です。

鳥瞰図の鑑賞

鳥瞰図を鑑賞しています。ヘリコプターがない時代にどうやって描いたのでしょう

 なんと!会津大学副学長の程 子学 先生にもご参加いただきました。
 
 會津稽古堂1階で開催されていた、  「古地図・古写真・絵画でたどる懐かしの会津」展については、
 

福島県立会津高校の生徒さんにも参加いただき、活発なグループワークを実施!

  平成28年度復興と未来を担うグローバルリーダー育成事業の指定を受けている、福島県立会津高等学校グローバルリーダー部のみなさんも、本事業にご協力いただきました。
  高校生の繊細な感性と知的好奇心は、グループワークをとても明るく、楽しいものにしました。
  「お気に入りの1枚」というテーマに、226枚の史料の中から印象に残った1枚について発表、グループで共有しましたが、結果はご覧のとおり。
  グループワークのまとめ.JPG 
  ↑会津大学上級准教授 青木 滋之 先生がグループワークを進める様子。  
  • 1 . 鳥瞰図                会津出身の図案家・青木 志満六が描いた『会津若松市及附近案内図』等 大正から昭和初期のコレクションが中心
  • 2 . 東山温泉・飯盛山          江戸時代後期の東山温泉を描いた『陸奥会津天寧温泉図』や明治以降に描かれた絵手紙等
  • 3 . 鶴ヶ城・会津若松市中心部    市街地や鶴ヶ城の古写真や絵はがき、昭和22年にアメリカ軍が撮影した若松市内の写真等
  • 4 . 磐梯山・猪苗代湖・周辺市町村  噴火前の貴重な錦絵『猪苗代湖図』と『磐梯山噴火之図』、会津地方の神社仏閣等
  • 5 . 掛軸                  江戸時代の若松城下を描いた掛け軸。大須賀 清光が鳥の目線で描いた『若松城下絵図』等を展示
  • 6 . 絵画                  会津の著名な版画家 斎藤 清や画家 角田 行夫、石山 富彦、渡部 常好 等の作品
 
  会津高校生は黄色の付箋、会津大学生は赤色の付箋、一般参加者は青色の付箋で各々の「お気に入りの1枚」をはり出しました。
  どの世代からもまんべんなく「気に入られた」1枚は、絵画作品であったようです。
  絵画作品の中でも、選んだ「お気に入りの1枚」は人それぞれで、人それぞれの感性や考え方の違いを実感できたグループワークでした。
  会津大学准教授 川口 立喜 先生をはじめ、市の社会教育指導員などがファシリテーターとして各テーブルごとに参加し、積極的なグループワークとなりました。なかでも会津高校生はとても積極的に発言し、大学生や一般の参加者とコミュニケーションをとり、世代を超えた学習ができたようです。
グループワークの様子 高校生

会津大学生と高校生のグループワークの様子

ファシリテーターは会津大学 齋藤 有史 先生

会津高校生の発表

会津高校生の発表の様子

すばらしい英語での発表でした。

グループワークの写真2

司書から展示品の解説を受けています。

「お気に入りの1枚」はなかなか決められません…!

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  • 会津若松市生涯学習総合センター【會津稽古堂】
  • 電話:0242-22-4700
  • FAX:0242-22-4702
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  • 郵便番号:965-0871
  • 所在地:会津若松市栄町3番50号

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