平成28年度會津稽古堂市民講座「立正大学デリバリーカレッジ」開催報告

2017年1月9日


「立正大学デリバリーカレッジ」とは…

 
 立正大学は、1872年開学、開校140有余年を数える総合大学です。8学部15学科、大学院7研究科を擁し、自由闊達な学風の中で多くの学生が学んでいます。
 「立正大学デリバリーカレッジ」は、地域社会への開放的で知的な貢献を目指し、平成20年からはじめられた事業です。大学の専任の教員が全国各地に赴き、各分野の最新の研究成果を分かりやすく伝えるもので、本市でも會津稽古堂が開館した平成23年から毎年開催してきました。歴史、文学から心理学、教育学等々、多岐にわたる内容の中から市民のみなさまのニーズにあわせたカリキュラムを選び、毎年好評をいただいています。

今年の講座の様子

  本年度は、6月の第1週をのぞく毎土曜日(11日、18日、25日)にわたり、3講座開催しました。
  
  11日、第1弾の講義がありました。
  テーマは、「昭和30年代はなぜ、憧憬の対象となるのか」。
 
  浅岡先生.JPG
  講師の浅岡隆裕先生は、社会学がご専門。
  特にメディア(テレビや本など)が、人のイメージや記憶に与える影響を研究されています。  
  
  講義の様子③.JPG
  映画「ALWAYS 三丁目の夕日」をご覧になった方も多いと思います。
  あの映画に代表される、「貧しかったけど希望に満ち溢れていた」というポジティブ・イメージ。
  実像は本当にそうだったのか、なぜそうした認識が定着したのか―「現代」を考察する社会学の観点
  からひも解かれていきます。
 
  講義の様子①.JPG
  受講生のほとんどは、リアルタイムで昭和30年代を体験してきた人ばかり。
  実像ではない、「イメージの昭和30年代」というものを実感されたのではないでしょうか。
  実は講師の浅岡先生は、昭和30年代を知らない世代(私もですが)。
  「今日の講義は手ごたえがあった!」とおっしゃっていました。
  
  講義の様子②.JPG
  盛りだくさんの内容で、あっという間に時間が過ぎてしまったという感じです。
  個人的には、こうしたレトロブームや懐古主義が現代日本に限ったものではなく、実は欧米や台湾にもあるというお話が印象的でした。
  人類に共通する普遍的な感覚なのでしょうか…もっと聞きたかった!
 
 
   つづく第2弾は6月18日。
   立正大学名誉教授 清水多吉先生による「『カチューシャの唄』から100年目」です。
 
  清水先生.JPG
   清水多吉先生は本市のご出身。御歳なんと82歳!
  東京大学大学院で哲学を修められたのち、1963年から立正大学で教鞭をとられ、現在は名誉教授として
  若い後進の教育にあたられています。18世紀~19世紀のドイツで活躍した軍事学者、クラウゼヴィッツの
  御研究をはじめ多くの著作を発表されている、とても有名な先生なんです。
  
  授業風景.JPG
  『カチューシャの唄』は、『復活』という劇の中に登場する劇中歌。
  『復活』は、大正時代に芸術座(本市にも興行にきたそうです)を率いて近代演劇に大きな影響を
  与えた劇作家、島村抱月の代表作の一つです。
  『カチューシャの唄』は、当座の看板女優だった松井須磨子が唄い、日本全国で大ヒットしました。
 
  授業風景①.JPG
  報告者は、正直、『カチューシャの唄』って、どんな唄なのか知りませんでした…
  でも、受講生はみなさんご存知で、CDがかかると、一緒に口ずさむ方もいらっしゃいました。
  抱月の発表した劇は、ロシア文学をもとに、当時としてはかなり斬新な内容で、男女の恋愛シーンがあったり、
  革命家を主人公にしたものもあったため、当局からは睨まれ、批判も受けました。
  でも、若い世代を中心に一般の人々からは熱狂的に支持されます。それはなぜなのか-
  そのなぞを「大正時代」という時代背景から読み解いていきます。
 
  授業風景③.JPG
  清水先生は、大正時代を、「日本の伝統と西欧文化を融合することに成功したユニークな時代」と
  位置付け、そうした時代背景の中から、この『カチューシャの唄』も誕生したといいます。
  「ヨナ抜き」という言葉をご存知でしょうか。音階のうち4番目の音(ファ)と7番目の音(シ)がないメロディーのことで、
  日本人が最も好む、いわば日本人の心みたいな曲調のことなのですが、これが『カチューシャの唄』にも使用されていて、
  ロシア(西欧)文学に日本の伝統的メロディーを見事に融合させたのが、『カチューシャの唄』だったのです。
  当局の弾圧や批判に押しつぶされることなく、唄われ続け、今にいたるのも、その底に日本人にとっての普遍的なものが流れているからなのですね。
  
  個人的に大正時代にはとても興味があるので、今回の講座はすごく勉強になりました。
  また、「ヨナ抜き」メロディーは、古賀政男をはじめ、昭和以降も受け継がれていくという話にも引き込まれました。
  おそるべし「ヨナ抜き」です!  
 
  
  そして、最終日の25日。
  立正大学名誉教授の原田壽子先生による「今、子ども、保護者に必要なことは何か-ごいっしょに考えましょう-」です。
 
  
  原田先生は、立正大学をはじめとする各大学で教鞭をとられる一方、千葉県の男女参画会議議長や
  NPOなでしこ保育研究所理事なども務められる、健康教育・幼児教育の専門家。
  『生涯健康論』等の著作も数多く発表されています。
 
  原田先生授業風景①.JPG
  今回の講座は、やはり稽古堂市民講座の一つである「PTA研修・親子力アップセミナー」と合同で
  開催しました。学校の先生や今まさに子育てをされている親御さんが多く参加されるなど、
  若い方の参加が多かったのが印象的でした。
 
  忙しい現代。でも子どもたちとの時間を大切に、ていねいに話しかけ接してあげてくださいという
  原田先生のメッセージは、あたりまえかもしれないけど、やっぱり重要なことなのだと。  
  受講生も同じお気持ちだったのでしょう、 「参考になりました。家に帰ったら、良いところをみつけて、ほめてあげたいと思います」というお声が
  多く聞かれました。
 
 
 
  今年も市民の方々に参加いただいた立正大学デリバリーカレッジ。受講生がちょっと少なかったのが残念でしたが、
  様々な学問分野の本格的な講義が受けられるこの講座、 「ぜひ継続してほしい」というお声も受けて、来年もぜひ開講したいと思います。
 
  はるばる本市にお越しいただき、貴重な研究成果をお聞かせくださった、浅岡先生、清水先生、原田先生、本当にありがとうございました!
 
  「立正大学デリバリーカレッジ」は来年も開講を予定しております。ぜひご参加ください。講座内容及び受講方法は、来春、市政だより等でご案内する予定です!
 
  

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