平成29年度施政方針

2017年2月27日

 施政方針とは、新年度における市長の市政運営に対する基本的な考え方について述べたものです。

【はじめに】

 平成29年2月市議会定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様にはご参集を賜り、厚く御礼を申し上げます。
 本定例会の開会にあたり、平成29年度会津若松市一般会計予算をはじめとする諸案件のご審議をお願いするとともに、市政執行に取り組む私の所信と施策の大綱を申し述べ、ご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 

【施政にあたっての基本的な認識・考え方】

  さて、平成28年度は「第6次長期総合計画」の最終年度であり、締め括りの年度でありました。当計画は、合併による「新市建設計画」を踏まえ、魅力ある「会津若松市」を築いていくための指針として策定したものであり、一体的なまちづくりに向けて様々な施策を推進してきたところであります。
 また、東日本大震災や原子力発電所事故による市民の皆様の生活への大きな影響があった中においても、行政評価を踏まえ、「地域活力の再生に向けた取組み」による復興再生への重点事業を取りまとめ、子どもたちの育成、未来に向けた施策はもとより、地域産業の再生や安全・安心な生活の確保に努めてきたところであります。
 さらには、東日本大震災を契機に、情報通信技術や環境技術などを活用し、持続可能な災害に強い豊かなまちを創る「スマートシティ会津若松」を標榜し、安心して快適に生活のできるまちづくりに取り組むとともに、平成26年には、国の「成長戦略」に基づく「地域活性化モデルケース」事業の採択を受け、ICTの活用や地域イノベーションの展開による地域産業の成長、これに伴う人材育成などに取り組んできたところであり、本市の地方創生の基本目標として、また、平成29年度を初年度とする「第7次総合計画」における「まちづくりのビジョン」の考え方につなげているところであります。

 

【平成29年度の市政運営の考え方及び取組】

 さて、平成29年度は、行政評価による第6次長期総合計画の総括とともに、「スマートシティ会津若松」、地方創生に係る取組をさらに深化させ、地域の豊かさを実感できるまちを実現すべく、新たなまちづくりに向けて動き出します。
 「未来につなぐひとづくり」「強みを活かすしごとづくり」「安心、共生のくらしづくり」「安全、快適な基盤づくり」「豊かで魅力ある地域づくり」といった、第7次総合計画に掲げた今後10年間の5つの政策目標に基づき、これから申し上げる考え方や主な取組をもって市政運営に臨んでまいります。

 

未来につなぐひとづくり

    1点目は、「未来につなぐひとづくり」であります。
  先人達が築いてきた「会津若松市」を継承し、守り育て、次代に引き継いでいくのは、子どもたちをはじめとした多様な人材であり、学びの機会や環境の整備・充実に取り組んでまいります。
   子ども・子育ては、未来につなぐ基本的な課題であり、子ども医療費の18歳までの無料化や保育所・幼稚園・認定こども園の利用における負担軽減の継続、また、ひとり親家庭医療費の原則窓口無料化に向けた取組などを進め、それぞれの家庭環境や事情に応じた子育てしやすい環境を整備してまいります。
   さらには、子どもが生まれ育った環境に左右されることなく、夢や希望を持って健やかに成長できるよう、新たな基金の創設などにより、地域における子どもたちの支援の充実を図ってまいります。
  一方、学習環境の整備に向けては、教科指導におけるICTの活用やデジタル教材の導入などを踏まえ、電子黒板機能付きプロジェクターの配置に努めていくとともに、今後10年間を展望した「あいづっこ学力向上推進計画」に基づき、児童・生徒の確かな学力の向上を図る基盤づくりを進めてまいります。
   また、学校施設の耐震化対策の継続、(仮称)河東学園中学校や城北小学校校舎北東棟の整備、そして、行仁小学校の改築に向けた取組などにより、児童・生徒の安全・安心な学びの環境を確保してまいります。
  さらに、市民の皆様の生活をより豊かにしていくためには、生涯にわたり参加できる、自由で質の高い学びの場や機会を設けていくことが必要であると考えており、生涯学習の機会を充実していくために、一例として、「會津熱中塾」や東公民館を拠点とした「ひがしカフェ」などの取組を拡充し、学びの成果が地域の活性化や社会貢献に結びつくよう支援してまいります。
  さて、スポーツ分野に目を転じれば、昨年は、ふくしま駅伝における2年連続3度目の総合優勝や、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会におけるタイ王国のホストタウンとして登録されるなど、喜ばしい話題がありました。
   今年は、夏季の南東北インターハイにおいて、テニス、ソフトテニス、ボクシングが本市で開催されることからも、オリンピック・パラリンピックへの対応を含め、スポーツ振興の好機と捉え、気運の醸成とともに交流人口の拡大に向け取組を進めてまいります。

 

強みを活かすしごとづくり

   2点目は、「強みを活かすしごとづくり」であります。
  本市を支える産業や就業の構造においては、漆器や酒造といった伝統産業をはじめ、伝統や文化、歴史を活かした観光業、豊かな自然環境や森林資源を基盤とした農林業、また、電子精密機械や医薬品関連などの各種製造拠点の立地・集積のほか、会津大学の研究や人材育成などを通して、ICT・IoT関連の実証事業及びサービス開発などを担う新たなビジネスが創出されてきております。
  第7次総合計画の策定に係る市民意識調査においても、「雇用を安定的に確保し、労働福祉が充実したまちをつくる」ための施策が重視されていることから、既存産業の高付加価値化、伝統とICTを融合させていく取組などにより、地域活力の向上に努めてまいります。
   さて、国が進める地方創生の展開策の1つに、地方におけるIoTビジネスの創出や社会実装の実現が掲げられております。
   本市はこれまで、会津大学の立地を有効な資源として、先駆的なIoTプロジェクト事業はもとより、ICTオフィス環境の整備計画を進めてきたところであり、このほど、地方創生拠点整備交付金の対象事業決定がなされ、ホルダー企業による事業が開始されることで、ICT関連企業の誘致促進とともに、地域内への波及効果の向上に努めてまいります。
   一方、ものづくり産業の集積に向けては、昨年分譲を開始し、現在2社の立地が決定している徳久工業団地について、残りの3区画を移出産業型の企業を中心に誘致・集積に努めてまいります。
   また、地場産業などの中小企業の振興に向けては、ブランド力の向上や展示会出展などへの支援による販路拡大、さらには、資金調達環境などの各種支援制度等を充実しながら、経営基盤の強化につなげてまいります。
   次に、商店街の活力の再生や魅力あふれる商店街づくりにおいては、地域内経済循環の活性化とまちなかの賑わいづくりを図っていく観点から、「中心市街地活性化基本計画」に基づき、商店街によるアーケード整備などの商機能向上に向けた取組や、中心市街地のさらなる魅力向上に向けた「まちなか賑わいプロジェクト事業」などの取組を支援してまいります。
  さて昨年は、「会津の三十三観音めぐり」が日本遺産に認定されたことをはじめ、JR東日本の「TRAIN(トラン)SUITE(スイート)四季島」の会津若松駅停車や、東武鉄道の新型特急「リバティ会津」の会津鉄道乗り入れの決定など、本市の観光誘客にさらなる追い風となる話題がありました。
   また、平成30年の戊辰150周年記念に向けた取組にも着手したところであり、次年度は、こうした話題や取組を広く発信し、受入体制の充実を図りながら、「第3次観光振興計画」に基づき、教育旅行をはじめとした誘客並びに、増加傾向にある訪日外国人の誘客に力を入れ、本市の基幹産業である観光業の活性化を図ってまいります。
   さらに、もう一つの基幹産業である農林業の振興においては、間伐材等を発電事業に活用するなど、豊かな森林資源の循環による地域林業の活性化や森林環境の保全をはじめ、ウルシ樹の植栽など林業と他産業の連携を進め、地域内資源を活用した会津ブランドの創出に努めてまいります。
  また、「第3次食料・農業・農村基本計画」に基づき、付加価値の高い売れる農産物づくりへの支援をはじめ、地場産品や観光を紹介し、原発事故による風評払拭を図るために、これまで進めてきた「あいづ食の陣」や「会津フェスタ」などにより、地産地消はもとより、集荷体制の強化による販路の拡大に取り組んでまいります。
   一方、農産物の生産振興においては、ICTを活用した「スマートアグリ」の導入による農業生産の低コスト化と高品質化を目指す取組などを拡充し、これを地域のブランディングとして高めていくことをはじめ、担い手の育成による地域農業の持続的な発展に向けて、施設園芸農業などの経営支援や、農業生産基盤の整備を進め、農産物の生産性の向上や農家経営の安定に努めてまいります。
   こうした各分野における地域の「しごと」づくりへの取組は、「しごと」の創出が「ひと」を呼び、「ひと」が集まることにより「しごと」が増えるといった好循環を生み出していくものであり、会津大学をはじめとした本市の教育機関で学んだ若者などの地元定着を図っていくことはもとより、地域が持つ魅力ともいえる「知恵・人材・資源」を最大限に引き出し、新たな人の流れとしごとの確保に努めてまいります。

 

安心、共生のくらしづくり

    3点目は、「安心、共生のくらしづくり」であります。 
  高齢の方々や障がいのある方々、子どもたちなどが、住み慣れた地域で自分らしく安心して暮らし続けることができる仕組みの構築や、人と自然が共生し、健やかで豊かに暮らすことのできるまちづくりを進めてまいります。
  地域福祉の充実に向けては、昨年策定した「地域福祉計画」を踏まえ、地域の方々や社会福祉関係団体との協働により、地域における生活や福祉の課題を解決するための仕組みづくりを進めていくとともに、市民の皆様への理解促進に努めてまいります。
   また、地域社会の機能や世帯構成が大きく変化する中、高齢者福祉の取組では、介護保険制度の運用や認知症対策などの課題も踏まえながら、高齢の方々が住み慣れた地域で自分らしい生活を営めるよう、地域における見守りや支え合いの仕組みである「地域包括ケアシステム」の構築を進めてまいります。
  あわせて、高齢者支援の根幹をなす次期「高齢者福祉計画及び介護保険事業計画」を策定し、予防を重視するサービスの拡充など、「介護予防・日常生活支援総合事業」への円滑な対応に努めてまいります。
  さらに、障がい者福祉の取組では、次期「障がい者計画及び障がい福祉計画」の策定に着手し、相談支援体制の充実のほか、緊急時の入所支援及び地域生活体験の提供などによる地域生活支援拠点の整備を図るとともに、重度の障がいのある方の医療費を原則窓口無料化していくなど、地域生活支援の充実や経済的負担の軽減などに取り組んでまいります。

 

安全、快適な基盤づくり

    4点目は、「安全、快適な基盤づくり」であります。
  様々な災害への備えや除排雪への対応、道路や上下水道、公共交通といった社会・生活基盤を適切に維持していくことにより、市民生活の快適性の向上や、安全・安心な暮らしづくりを実現していくことに加えて、本市らしい景観の維持や形成により、魅力あるまちづくりを進めてまいります。
  具体的には、震災を教訓とした様々な災害への備えとして、「地域防災計画」の周知・啓発による防災意識の醸成や防災体制の充実、自主防災組織の設立支援など、自助・共助・公助の連携による対応に努めてまいります。
  また、ICTの活用による「除雪車運行システム」の本格導入により、市民の皆様と情報共有を図りながら、「見える化」による効果的な除排雪に努めていくとともに、水害に強いまちづくりを実現していくため、計画的な河川の改修整備や生活排水路などの整備による溢水対策を進め、洪水などによる災害の防止、良好な水辺環境の保全を図ってまいります。
   さらに、魅力にあふれ賑わいのある景観の形成に向けて、景観条例の改正と併せて策定を進めてきた「景観計画」に基づき、「景観重点地区」を指定するなど、景観に配慮したまちづくりとまちの魅力向上に努めてまいります。
   一方、景観面を含めて社会問題化している空家等については、昨年策定した「空家等対策計画」に基づき、空家等対策協議会と連携しながら、生活環境への影響や防災の観点、個人財産への関わり方や所有者の事情も考慮し、空家を増やさない取組とともに利活用などの対応を講じてまいります。
  さて、次年度においては、健全な水道事業の運営を図るため、平成6年以来、23年ぶりとなる水道料金の改定をさせていただくところであり、市民の皆様にご理解をいただきながら、水道施設の計画的かつ適切な維持・更新により、安全・安心な水を安定的に供給してまいります。

             

豊かで魅力ある地域づくり

    5点目は、「豊かで魅力ある地域づくり」であります。
  少子高齢化・人口減少といった趨勢を踏まえ、地域コミュニティの維持・再生や、安全で適切な機能を有する公共施設の運営、そして、健全で安定した財政運営により、本市の持続可能性を高めながら、魅力と活力にあふれた地域づくりに取り組み、交流人口や定住人口の増加につなげてまいります。
  特に、賑わいと活気にあふれ、市民の皆様に親しまれるまちの拠点を目指していくため、市役所庁舎の整備に向けた取組に着手し、有識者などの知見も取り入れながら、本庁舎旧館の保存・活用に向けた検討を進め、学校施設耐震化などの各公共施設整備の進捗を見据えたうえで、第7次総合計画の期間内である平成38年度末までの供用開始に向けて取組を進めてまいります。
  また、まちづくりに資する新たな用地と目される県立会津総合病院跡地については、本市のまちづくりのために有効な活用方策が図られるよう、継続して県と協議を進めてまいります。
  庁舎をはじめとする公共施設は、公共サービスの拠点として適切に管理・運営を図ることが必要であり、「公共施設等総合管理計画」に基づき、市民の皆様と情報共有を図りながら、公共施設の維持・更新や有効活用に向けた検討を進め、最適な公共サービスの提供につなげてまいります。
  一方、持続可能な財政運営に向けては、市債残高の低減や実質公債費比率などの改善とともに、財政調整基金の確保など財政健全化の取組に努めてきたところであります。
   引き続き、選択と集中による行財政資源の最適な配分に意を用いながら、市民の皆様の快適で安全・安心な暮らしの確保、地方創生の取組、ICTを活用した持続的な発展のために必要な投資、さらには、未来を拓くための人材育成や地域経済の活性化など、複雑化・多様化する行政需要に対応していくための安定した財政基盤の構築に努めてまいります。

 

【結び】

  以上、平成29年度の市政運営における主な事項について申し述べたところでありますが、第7次総合計画に基づくまちづくりの推進にあたりましては、市民の皆様をはじめ、農業や商工業などの各事業者、金融機関、大学など、本市に住み集い、活動されている全ての皆様が、それぞれの強みや特性を活かしながら運動量を高め、ともに取り組んでいくことで、相乗効果を生み出していくことができるものと考えております。
   例えば、地域づくりにおいては、昨年制定した「自治基本条例」の目的に掲げる「自主自立のまちの実現」とともに、暮らしやすいまちの実現を基本目標とする「ユニバーサルデザイン」への取組を踏まえ、それぞれの役割を果たしながら参画や協働による活動を積み重ねていくことで、地域の絆の再構築が図られていくものと考えております。
   また、地域力の再生においては、国の成長戦略においても「蓄積したデータから新しいサービスや製品を生み出しやすくする環境の整備が政策として重要である」と掲げているように、地域の雇用や経済を支える中小企業やサービス産業の付加価値を高め、「域際収支」の改善による地域経済の好循環を目指してまいりたいと考えております。
   地域づくりや地域力の再生に向けては、それぞれの自治体が変化や成長に対応していく機会を平等に与えられているなかで、私はこれまで、先例となるものを作り出していくという気概とともに、実績を積み上げ地道に取り組んでいくことの大切さをお示ししてきたところであり、そして、平成29年度からの第7次総合計画のスタートにあたりましては、「利(り)を求(もとむ)るは田を耕す者に先(さき)んずるはなし、一(いち)を種(う)えて万倍(まんばい)す」という「一粒万倍(いちりゅうまんばい)※」という言葉のように、改めて「会津創生」につなげていくための種、すなわち、市民の皆様の発意を活かし、未来を創る投資に十分留意しながら、「ともに歩み、ともに創る『温故創しん』会津若松」の実現に努めてまいります。
   何卒、市民の皆様並びに議員の皆様におかれましては、引き続き市政運営について、一層のご支援とご協力を賜りますよう心から念願申し上げます。

※「一粒万倍」(出典:報恩経)
   一粒の種を撒けば、それが実って何倍もの粒になるという事柄であり、「世間に利を求むるは、田を耕す者に先んずるはなし、一を種えて万倍す」(報恩経)による言葉。                                                         

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