公開日 2016年03月17日
更新日 2018年12月12日
Q4:子どもが低線量で長期に被ばくをすると、将来、親になった時に生まれてくる子どもや子孫に影響は出ないですか。 また、同じ様に母親や父親が現在被ばくしていますが、これから生まれてくる子どもや子孫に影響はないのですか。
平成25年4月11日更新
平成28年3月16日内容一部修正
回答
被ばくした人から生まれた子供やその子孫に、何らかの影響が出ているかと言うことですが、一時的に約400 ミリシーベルトを浴びたと見積られている広島・長崎の原爆被爆者では見られていません。これは、1958年の第1回の「原子放射線による影響に関する国連科学委員会」で「低線量の被ばくが長く続いた場合の影響の可能性に注意する必要がある」という内容が決議されて以来、ずっと調査されてきたものです。
では、もっと低い年間数十ミリシーベルト程度の線量で、長く継続して被ばくした場合はどうかと言うことですが、そのような例はチェルノブイリ事故で被ばくした人々の調査が重要になります。そのチェルノブイリ被ばく者では、幼児の時に浴びた人が甲状腺がんを発症したことはわかっていますが、生まれてきた子供に影響が出たという明確な報告はありません。
また、自然放射線によって、年間10~15ミリシーベルトぐらいを浴びている人は、世界に多くいますが、そのような集団で異常な影響がみられると言うことは、これまでに報告されていません。
同じ線量でも、低い線量で長い期間浴びた場合は、一度に浴びた場合よりも影響が小さいことがわかっています。このことは、人は生まれながらに細胞の修復機能や免疫機能を備えていることから、納得がいくと思われます。
幼児の被ばくの影響については、大人より感度が2~3倍程高いとされていますが、それでも数十ミリシーベルトより低い線量であれば、遺伝的な影響が出ることはまず無いものと考えられます。
会津若松市内で最も空間線量が高い場所では、平成24年4月時点の線量を基に計算した追加被ばく線量推計値は年間1.5ミリシーベルト、11月の時点では年間1.2ミリシーベルト程度になります。(H27年度詳細調査による最も高い場所(0.16μSv/h)での追加被ばく線量推計値は0.63ミリシーベルトに減少)
また、※平成23・24年度に市が実施した個人のバッジ式積算線量計による被ばく線量調査では、平均で年間0.2~0.3ミリシーベルト程度、最高でも年間1ミリシーベルト未満と推計され、さらに低い結果となっています。
この値は、私たちが日常的に受けている自然放射線からの被ばく量の、地域の違いによる差の範囲内に入ってしまい、遺伝的な影響を心配することはありません。
文中の※印の項目をクリックすると詳細な調査結果にジャンプします。
【回答者】会津若松市放射線管理アドバイザー・藤田保健衛生大学客員教授 下 道國先生
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