年頭所感
最終更新日:平成24年1月5日
市民の皆様におかれましては、健やかに新春をお迎えのことと心からお慶び申し上げますとともに、日頃から市政にお寄せいただいておりますご支援、ご高配に対しまして厚く御礼を申し上げます。
また、昨年3月に発生いたしました東日本大震災におきましては、市民生活における様々なご不便やご苦労のなか、本市に避難された方々に、昼夜を問わず、温かい手を差し延べ、懸命なるご支援、ご協力を賜りましたことに対し、この場をお借りし、心から感謝を申し上げます。
私は、昨年8月の市長就任以来、課せられた使命の大きさと重責を痛感するとともに、市民の皆様の温かいご支援とご協力を大きな力とし、「活力に満ちた新生会津若松」の実現に全力で取り組んでまいりました。新春に臨み、諸課題の解決と着実な施策の実行に向け、決意を新たにしているところであります。
さて、昨年を振り返りますと、長引く経済不況に加え、豪雪、さらには、東日本大震災、その後の原発事故による深刻な風評被害を受け、本市産業、経済は極めて厳しい状況にあります。
これを受け、現在、風評被害を克服すべく農業・観光業の再生を図るとともに、豊かな人材や震災の被害を免れた本市の産業基盤などをもって地域活力の再生を図りながら、「福島の復興」の先導的役割を担うべく、全力で取り組んでいるところであります。
加えて、本市は被災地である大熊町の行政、教育機能をはじめ約5,000人にも及ぶ住民の皆さんを受け入れ、国、県、ならびに避難自治体との連携を図りながら、避難者の方々の生活再建に対するご支援に努めております。
そうした中、まずは、市民の皆様の安全・安心な生活を最優先とし、食の安全面におきましては、福島県で実施した米の放射性物質モニタリング検査に加え、市独自に水稲作付けのある全集落で検査を実施、市内全ての地域での不検出を確認したことをはじめ、本市の農産物等の安全性について広く周知に努めてまいりました。
さらに、福島第1原子力発電所から100キロ離れた本市は、中心市街地で計測される空間放射線量が、毎時0.12マイクロシーベルト程度と国の基準値0.23マイクロシーベルトを下回っております。しかしながら、市民の皆様には少しでも放射線の不安を和らげていただきたく、ホームページにおける測定結果の随時公開やインターネットや新聞折込チラシ等を活用した市長メッセージの配信など積極的な情報発信、情報公開、さらには、線量計の貸し出しや市民の皆様の放射線の線量低減化に向けた各種活動等に対し、様々な支援を実施してまいりました。
一方、深刻なる風評被害の克服に向けた取り組みとして、首都圏の旅行エージェントや教育旅行関係者の方々に対し、会津の現状説明と送客をお願いするとともに、「企業マルシェ」と称し、大手企業において「食」を中心としたイベントを開催するなど、本市の安全性を強く訴えてまいりました。
また、10月に開催された「鶴ヶ城健康マラソン」では、溝畑観光庁長官とともに10キロの部に参加、沿道での皆様の熱心な応援のもと、無事完走し、参加者の皆さんと一緒になって元気な会津をアピールすることができました。
さらには、世界的企業であるアクセンチュア㈱が本市に福島イノベーションセンターを開設するとともに、中国の大手重機メーカーでコンクリート圧送ポンプ車製造としては、世界トップレベルのズームライオン社が本市の企業と業務提携し、大きなビジネスの可能性が広がってまいりましたことも、本市が安全であることの証しと認識いたしております。
こうした状況において、現在本市では「地域活力の再生に向けた取り組み」として、「放射線対策など市民や本市に避難されている方々が、安心した生活を送ることのできる環境を整えること」「本市の地勢や産業、交通等の優位性を活かし、福島復興に貢献していくとともに、本市経済の活力再生を図ること」「将来に向けて、災害に強いまちづくりを進めること」といった3つを今後のまちづくりを支える重要な柱として掲げ、国、県の復興に関する取り組みや、民間の動向を踏まえながら、各種事業を着実に推進してまいりたいと考えております。
加えて、本市の主要産業である観光の振興は、地域の総合産業として本市のみならず、福島の復興における先導的役割を担うものであり、そうした中、今秋公開される会津藩藩祖保科正之公ゆかりの映画「天地明察」や平成25年の
大河ドラマ「八重の桜」の放送といった明るい話題を、観光誘客の好機と捉え、市を挙げて全力で取り組んでまいります。
とりわけ、「八重の桜」の主人公、新島八重は、戊辰戦争で賊軍の汚名を着せられ、多くの人々が尊い命を落とし、故郷を追われ、絶望的とも思える苦境にもかかわらず、会津武士道精神で、生涯自分の可能性に挑み続け、すべての人の幸福を願い続けた偉大なる先人であります。その生き方は、きっと復興を目指す福島・東北、そして日本への力強いメッセージになるものと確信いたしておりますますことから、市では現在、「八重の桜プロジェクト」により、新島八重、並びにその時代の検証を進めるとともに、市民一丸となった機運の醸成に努めているところであります。
こうした取り組みを進めるとともに、新年度の予算編成においては、事務事業の徹底した見直しによる事業のスクラップ・アンド・ビルド、「選択と集中」などから財政の効率化をより一層図るとともに、一方で、この平時ではない困難な状況を乗り越え、ふるさと会津を復興・再生に導くとともに、新たな未来を切り拓いていくため、厳しい財政状況であっても、将来を見据えた戦略的あるいは特色ある事業を実施するため、予算に「汗動・協働・創造」枠を創設し、各種施策を積極的に展開してまいります。
結びに、本年も市民の皆様との確かなパートナーシップのもと、本市の新しい未来の創造のため、全力で取り組んでまいりますので、なお一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げますとともに、皆様のご健康とご多幸を祈念いたしまして新年のごあいさつとさせていただきます。
会津若松市長 室 井 照 平
