
第21回 「白漆喰(しっくい)塗り仕上げ」
復元する干飯櫓(ほしいやぐら)・南走(みなみはしり)長屋の壁は白漆喰塗り仕上げです。この仕上げは、乾燥させた土壁に「砂漆喰」という塗り材を下塗りとして施工し、その上に白漆食を塗り重ねて仕上げます。
砂漆喰とは砂と漆喰を練り合わせたもので、混ぜた砂が壁土に食い込んでから固まることで、仕上げ材が剥(は)がれ落ちるのを防ぎます。また、白漆喰の水分が乾いた土壁に奪われないように保護し、壁土のあくが表面に滲(にじ)み出てくるのを抑える役割もしています。このように砂漆喰を土壁と白漆喰の間に下塗りすることで、漆喰仕上げがいつまでもきれいに保たれるよう内側から支えているのです。 上塗りは、下塗りを施した壁面に白漆喰をこすりつけるように、薄く塗り重ねて仕上げます。白漆喰は塗ってからしばらくすると水分が表面に浮き出てきますが、これを再度鏝(こて)ずりし、壁一面を切れ目なく塗り仕上げます。白漆喰とは顔料などを混ぜない漆喰のことで純白に仕上がりますが、斑(むら)なく仕上げることによって、建物を保護しながら美しく装う、衣のような働きをしています。 若松城の古写真に写る走長屋や二重櫓の壁から大きく迫(せ)り出した軒は、波形に白く写し出されていることから、復元工事における軒の天井も白漆喰を塗って仕上げます。また、外に面した建具や窓の格子なども、白漆喰で塗り上げます。 このように、瓦(かわら)を葺(ふ)いた屋根以外の外部に面する部分は白漆喰で覆ってしまいます。このことを「総塗り籠め(そうぬりごめ)」といいます。壁や軒を塗りごめることによって火災の延焼を防ぎ、有事の際には銃弾が内部に貫通するのを防御します。また、厚く塗られた壁などは外気温を遮断し、湿度を調節する機能をあわせ持っています。 このような壁の構造や、土葺き工法により厚く施工した軒の深い瓦屋根の構造が、食料の貯蔵や武器の収納に適した室内環境を作り出していました。 |