
第18回 「壁下地と壁土」
復元する干飯櫓・南走長屋の壁は、「小舞(こまい)」という下地に土を塗って造る「土塗り壁」です。小舞とは、木枝などを使って格子状に編んだ塗り下地を指します。若松城の古写真の中に、土壁の破損部からのぞく竹の小舞が鮮明に写っているものがあることから、復元工事においても竹小舞を使うことにしました。竹は丈夫でまっすぐな虫の入っていないものを選び、一番身の締まった状態となる秋に刈り採った、3年ものの真竹(まだけ)を使っています。
外壁は、外からさまざまな力を受けるので、小舞も頑丈にする必要があります。直径約3cmの竹をそのまま使い、太い藁縄で縦横ともに、20cm間隔程度の格子状になるように組み上げます。また、部屋の間仕切壁は、直径約2cmの竹を四つに割ったものを使い、細縄で網目状になるように編んで造ります。小舞は柱などに取り付け、軸組み(じゅくぐみ)(骨組み)と土壁が一体になるように施工します。 壁土は、小舞に絡みつく粘着力と、乾いたときにに固まる性質が求められることから、粘土を用います。これを壁塗り材として利用できるようにするには、細かく刻んだ藁と水を加え、かき混ぜてから寝かせます。この状態を「養生」といいますが、養生中も田畑を耕すように、何度か攪拌(かくはん)して空気を入れます。そうすることによって、藁が泥の中で徐々に発酵し分解され、土に溶けん込んでいきます。これにより、粘着力を増すばかりでなく、割れにくい壁土となります。 壁土を造るときには、藁を一度にたくさん投入したり偏って入れたりすると固まりとして残ってしまい、かえって土を損ねてしまいます。このため、適量を散布するように何度か同じことを繰り返します。さらに、藁の発酵には暑い季節が必要であり、壁土を作るためには大変な労力と長い時間を必要とします。 復元工事では、新鶴村産の粘土を用い、工事現場内で約1年半という長い時間をかけて壁土を造りました。 |