
第12回 「瓦の作成」
復元工事における屋根の仕上げは、日本瓦(がわら)本瓦葺(ぶ)きとなります。
瓦は、土(粘土)を固めて成形し、それに釉薬(うわぐすり)を施し焼成してでき上がります。これは、手作業と機械作業の違いはあるものの、今も昔もほぼ同じ工程で製作されています。 元来日本の瓦は、地域色の豊かな材料で、その地方風土に合わせて作られてきました。その製法や仕上がりは、生産地ごとにさまざまな特徴がありますが、若松城の瓦を焼いていたといわれる会津本郷町では、残念ながら現在瓦は焼かれていません。 そこで、瓦の復元にあたっては、発掘調査により出土した瓦の素地土の定量分析(土に含まれている物質の比率の調査)、釉薬部分の蛍光X線分析(物質にX線を照射し、発生した物質固有のスペクトル解析で含まれる微量元素の調査)をし、その特徴を調べました。そして、現在の瓦の産地である、安田瓦(新潟県)、石州瓦(島根県)、三州瓦(愛知県)、大和瓦(奈良県)などに試作を依頼して、それぞれを分析、比較したところ、土の成分については、安田瓦が当時の瓦により近いものであることが分かり、復元瓦は、安田町で焼かれることになりました。また、瓦の色を決める釉薬については、分析結果を踏まえ、配分成分の調合、濃度の調整を図りながら、何度ものし焼きを繰り返しました。このような調査、分析、試作の結果復元瓦が完成しました。 その赤瓦は、現在機械化によって生産されている、艶があり鮮やかな色の画一的な規格品の赤瓦とは違い、釉薬が窯(かま)のなかで高温で焼かれ化学変化し、さまざまな色や光沢を発しながらも、全体的には赤褐色の色を鈍く呈しています。また、焼かれる時のさまざまな条件により、瓦一枚一枚の色や艶が微妙に異なり、自然で味わい深い瓦に仕上がりました。干飯櫓・南走長屋の屋根は、17種類、約2万4千枚の赤瓦で葺かれます。
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