公開日 2023年12月28日
更新日 2025年02月21日
本講座は、会津の伝統である漆工芸の素晴らしさや魅力を知っていただきたいと始まったもので、40年以上の歴史があります。実際に地元会津で活躍している蒔絵師 照井克弘先生(蒔絵工房てるい)と国分幸一先生(国分漆工房)のご指導のもと、1枚の漆パネル作品を制作しながら、伝統的な技法を学ぶ講座を開催しています。
講座の様子
令和5年度は5月から12月にかけて合計15回の講座を行いました。漆蒔絵教室では、古くからの蒔絵の技法の一つである研出(とぎだし)蒔絵を学び、受講生が自らデザインした図案をパネル画1枚に仕上げました。制作には本漆や銀粉など本格的な材料を使用しました。
本講座は3年間継続して受講できますが、その後も続けていきたい方は、受講生OBによって結成された漆蒔絵サークル「水芭蕉」で、さらなる研鑽を積むことができます。漆蒔絵サークル「水芭蕉」では、毎月2回制作活動を実施しており、春の展示会や秋の稽古堂まつりなどで制作した作品を展示しています。
研出(とぎだし)蒔絵
絵漆で文様を描き、乾かないうちに金・銀の金属粉を蒔き付けます。乾燥後、彩漆をほどこし、透漆か黒漆にて塗り込み十分乾かし、研いで文様を表します。さらに、胴摺りして摺漆をし呂色仕上をします。工程を簡単に表すと次のようになります。
1 図案構成・置目
文様の下書きを紙に行い、輪郭を絵漆で細く描く。研出面に文様を転写。
2 地描き
絵漆で描き、ただちに金・銀粉を蒔く。
3 粉蒔き
粉筒にて蒔き、毛棒で蒔き詰める。
4 彩漆
各種の色漆をつくり、文様の上に平らに描く。
5 荒研ぎ
炭などで金粉等が淡く現れるまで研ぐ。
6 研ぎ出し
荒研ぎよりも一層注意して研ぐ。
7 胴摺り・磨き・仕上げ
呂色炭の微粉を潤した布につけ、円形を描きながら平均に充分磨く。
受講生の作品紹介
教室の最終日には、受講生の皆さんから作品に込めた想いや制作で苦労した点などを発表していただきました。「楽しかった」「親切ていねいに指導してもらった」「じっくり学べて勉強になった」などの感想をいただき、会津の伝統工芸を学ぶこの講座が受講生の皆さんにとって充実した時間であったことが感じられました。研出蒔絵は難しい工程の技法ですが、受講生の皆さんの作品はどれも素敵な出来栄えで8か月にわたる学習の成果が表れていました。
その他
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