第4次会津若松市ユニバーサルデザイン推進プラン(概要版) 会津若松市では、年齢や性別、身体的能力、言語などの違いにかかわらず、すべての人の多様な人格や個性が尊重され、一人ひとりが主体的に社会に参加・参画し、安心して心豊かにいきいきと暮らすことのできる社会の実現に向け、ユニバーサルデザインの理念に基づいたまちづくりに取り組んでいます。 このたび、令和4年度からのユニバーサルデザインのまちづくりの基本計画となる「第4次会津若松市ユニバーサルデザイン推進プラン」を策定しましたので、計画の概要をお知らせします。 ■「ユニバーサルデザイン」ってなぁに? 「ユニバーサルデザイン」とは、「ユニバーサル」(すべての)と「デザイン」(計画、設計)という二つの単語を組み合わせた言葉で、「はじめから、すべての人にとって安全・安心で利用しやすいように、建物や製品、サービスなどを計画・設計する」という考え方のことです。 ●すべての人が対象 ユニバーサルデザインは、高齢者や障がいのある人などの特定の人だけでなく、すべての人を対象にしています。 ●はじめからの発想 ユニバーサルデザインは、建物や製品、サービスなどを計画・設計する前から(はじめから)、すべての人の多様なニーズを考慮して、生活・活動しやすい環境づくりを行うものです。 ●終わりのない取組 ユニバーサルデザインの取組は、今よりも少しでも多くの人が利用しやすいものにすることを目指して、絶えず見直し、改善し続けるものです。 ◎本プランの基本目標 「すべての人にやさしく、暮らしやすいまち」の実現 本プランは、会津若松市第7次総合計画の政策目標の一つである「安心、共生のくらしづくり」を念頭におき、前プランに引き続き「すべての人にやさしく、暮らしやすいまち」の実現を基本目標とし、取組を推進していきます。 ◎本プランの4つの重点事項 ア ユニバーサルデザインに対する理解促進 ユニバーサルデザインの取組を全市的に進めていくためには、まずは一人ひとりがその考え方を理解することが重要であることから、出前講座や講演会、ワークショップ等の開催とともに、ホームページ等を活用した事例紹介などにより、身近なところからユニバーサルデザインの考え方を知っていただけるような情報発信に努めます。 ●目標値 ユニバーサルデザインの認知度(考え方や意味も知っている人の割合) 現状値(令和3年度)30.9% 目標値(令和8年度) 57.5% イ 「こころのユニバーサルデザイン」の推進 誰もが人権や尊厳を傷つけられることなく主体的に社会参加・参画できる環境を実現するため、一人ひとりが他者の個性を理解し、互いの意思や尊厳を尊重し合う意識といった「こころのユニバーサルデザイン」の推進に重点を置き、ユニバーサル社会の基盤となる意識づくりと行動の促進に努めます。 ウ ICT、IoT、AI等の様々な分野への活用による利便性の向上 「スマートシティ会津若松」の取組のもと、ICT、IoT、AI等の様々な分野への活用による利便性の向上と併せて、すべての人がその利便性を享受できるような仕組みづくりや支援の取組に努めます。 エ 安全・安心で快適なまちづくり 高齢者や障がいのある人の自立した生活や、多様な方の社会参加・参画、災害時でも安全かつ安心して暮らしやすい環境づくりのため、施設や道路等のハード整備、サービスや情報提供等のソフト整備の両面から、ユニバーサルデザインに対応した安全・安心で快適なまちづくりに重点を置き、取組を進めていきます。 ◎「こころのユニバーサルデザイン」 「すべての人にやさしく、暮らしやすいまち」を実現するためには、建物・設備・製品等の開発、サービスや情報の提供などがありますが、その理念は人々の意識や行動に当てはめることもできます。 本プランにおいて推進する「こころのユニバーサルデザイン」とは、すべての人に人権や尊厳があることを理解し、互いを一人の人として認め、尊重し合う意識とともに、社会に内在する様々な差別や不平等に目を向け、その原因と解決策をみんなで考え、改善するために行動することを指します。 今より多くの人にとって暮らしやすい社会にしていくため、今日できることから、意識・行動してみませんか。 ●「こころのユニバーサルデザイン」の意識の例 ・他者の個性や置かれている立場・状況等を理解しようとする意識 ・すべての人を大切に思い、対等に接し、互いの意思や尊厳を尊重しようという意識 ・他者の困っていることや危険なことに気づこうとする意識 など ●「こころのユニバーサルデザイン」の行動の例 ・あいさつから始まる様々なコミュニケーションを通じて、相手のことを知る ・道端にゴミを捨てない、落ちているゴミを拾ってまちをきれいに保つ ・誰もが個性を発揮することができる家庭づくりや、働きやすい職場づくり ・みんなで使うものは、自分の後に使う人のことも考えて使う ・多様な人がいることを理解し、必要に応じて様々な選択肢を用意する ・不便や不平等を感じている人がいたら、意見を聞き、物やルール等の従来のあり方を見直す など ◎分野別取組の基本方針と主な取組内容 1 「すべての人のため」という意識づくり ●基本方針 ・行政、事業者、市民一人ひとりがユニバーサルデザインの考え方を理解し、日頃の生活や社会の仕組みづくりなどに、その考え方が反映されるよう、ユニバーサルデザインの考え方の普及啓発に努めます。また、家庭や地域、学校などにおいて、多様な価値観・個性を認め、すべての人の意思や尊厳を尊重する心を育てる取組を継続して進めていきます。 ●主な取組内容 講座等の開催や情報発信等による普及・啓発、市職員に対する研修など 2 「すべての人のため」の暮らしづくり (1)地域・社会環境 ●基本方針 ・住み慣れた地域の中で、すべての人が共に支え合い、自分らしい生活を送ることができるよう、一人ひとりが地域社会に主体的に参加・参画しやすい仕組みづくりや環境づくりを進めていきます。 ・各行政機関や関係団体、地域住民と連携した防災・防犯対策の推進により、誰一人取り残されることなく安全・安心に暮らすことのできる環境づくりに努めます。 ●主な取組内容 ボランティア活動の促進、就労機会の確保、防災・安全情報の充実、災害時要配慮者支援 など (2)情報 ●基本方針 ・すべての人に必要な情報が届き、かつ内容が正しく伝わるよう、多様なニーズに合わせた様々な手段を用いた分かりやすい情報の提供に努めます。 また、誰もが容易に情報を入手することができる場づくりや、ICT等を活用した情報の入手に向けた支援に取り組みます。 ●主な取組内容 点訳・英訳・音声等の様々な手段による情報提供、大きな文字や見やすい色づかい等に配慮した分かりやすい情報提供、ICTに関する学びの場の提供、デジタル活用支援員の育成など (3)サービス ●基本方針 ・多様な利用者の声を踏まえた継続的な事務の改善と窓口サービスの向上に努めるとともに、すべての人が利用しやすく、職員もスムーズな窓口対応ができるよう、窓口環境の点検や改善に継続的に取り組みます。 また、利用者の声に基づき、取組の点検や改善を継続的に行い、誰もが利用しやすい行政サービスの提供に努めます。 ●主な取組内容 手続きの簡素化・様式の標準化、利用しやすいフロアー環境の整備や行政サービスの提供など 3 「すべての人のため」のまちづくり (1)公共建築物等 ●基本方針 ・すべての人にとって安全・安心で快適に利用しやすい施設となるよう、ハード・ソフトの両面から多様な市民ニーズを踏まえた継続的な施設整備を推進していきます。 また、市全体での取組の継続的な改善に向け、新たな施設整備や改修等にあたっては、計画の初期段階から、施設利用者や関係者など、多様な方の意見等を取り入れながら、ユニバーサルデザインの視点からもよりよい施設・機能のあり方を検討していきます。 ●主な取組内容 ユニバーサルデザインに配慮した施設整備、公共施設等の整備への多様な意見の反映など (2) 道路・公共交通 ●基本方針 ・ハード・ソフトの両面の改善に一体的に取り組み、市民や観光客などのすべての人が安全・安心に歩行できる道路の整備や、利用しやすい公共交通サービスの提供に努めます。 ●主な取組内容 都市計画道路の整備、冬期間の歩行環境の整備、誰もが利用しやすい公共交通ネットワークと地域内交通の構築と維持など (3) 公園などの憩いの空間 ●基本方針 ・公園施設の長寿命化や良好な維持管理等により、すべての人が安全・安心で利用しやすい公園環境等の整備に継続的に取り組みます。 ●主な取組内容 ユニバーサルデザインに配慮した広場や公園等の整備など (4) 住宅 ●基本方針 ・年齢や身体状況、家族構成の変化などに対応し、住む人が安心して生活できるよう、ユニバーサルデザインに配慮した、快適で安全な市営住宅の整備を推進していくとともに、ユニバーサルデザインの考え方を民間住宅にも取り入れられるような支援を継続して行っていきます。 ・ユニバーサルデザインに配慮した建物とすることで、将来にわたってどのようなメリットがあるかを、参考事例などを活用しながら普及啓発し、良質な住宅ストックの形成を図っていくことで、住宅建設関係者や市民へ、ユニバーサルデザインを取り入れた住宅の普及促進に継続して努めます。 ●主な取組内容 ユニバーサルデザインに配慮した市営住宅の維持管理、市民・事業者への普及啓発など (5)製品 ●基本方針 ・ユニバーサルデザインの考え方が取り入れられている製品を広く市民に紹介し、普及と利用を促進していくとともに、ものづくりにもユニバーサルデザインの考え方が取り入れられるよう、事業者への情報提供に努めます。 ●主な取組内容 ユニバーサルデザイン製品に関する情報発信、市役所での率先利用など ◎プランの推進 ユニバーサルデザインはすべての人にとって暮らしやすい社会を目指す「終わりのない取組」です。そのため、よりよい取組を目指して、絶えず見直し、継続的な改善(スパイラルアップ)に取り組んでいくことが重要です。 本プランを推進するにあたっては、策定した計画(Plan)に基づき、実施(Do)し、その結果を検証(Check)、改善(Action)していくというPDCAサイクルの手法により施策の進行管理を行い、このサイクルを繰り返すことによって施策や事務事業の継続的な改善を図っていきます。 (概要版 ここまで)