平成30年度ユニバーサルデザイン講演会を開催しました

公開日 2018年12月28日

 ユニバーサルデザインとは年齢や性別、身体的能力、言語などの違いにかかわらず、すべての人が生活・活動しやすい環境づくりを行うものです。

 そうした中でも特に高齢者や障がいのある方、外国の方、妊婦の方などが困っているのを見かけたとき、どのように声をかけたり、対応したりしたら良いかがわからないといった声が聞かれます。 

 市では、様々な状況の方への接し方について意識と知識を学ぶ、「ユニバーサルサービス」について講演会を開催しました。

 

  • 会津若松市ユニバーサルデザイン講演会
  • 演題   ユニバーサルサービス ~すべての人が暮らしやすい社会へ~
  • 講師   全国ユニバーサルサービス連絡協議会 代表 紀 薫子(きの かおるこ)さん
  • 開催日  平成30年11月2日(金)  午後2時~午後3時30分
  • 開催場所  生涯学習総合センター 會津稽古堂  多目的ホール

 

講演の内容

 

  • 主な内容
  • ユニバーサルデザインとユニバーサルサービスの考え方
  • ユニバーサルサービスが求められる社会背景
  • 高齢者、認知症のある人、視覚、聴覚障がいのある人、妊婦、外国の方への理解と対応 (体験グッズを使用しての疑似体験の実施)


○障がいのあるなしに関係なく、普通のくらしができる「ノーマライゼーション」、文化的背景の違いや性の違い(LGBTも含め)など、多様性を認める「ダイバーシティー」、共に社会を作っていく「ソーシャルインクルージョン、共生社会」がユニバーサル社会の実現に必要です。

○障がい者に関する世論調査では、約半数の人が、障がいを理由とする差別や偏見があると回答していますが、リオ・パラリンピック男子1,500m(視覚障害、陸上競技)に出場した選手のうち上位4名の記録が、同種目オリンピック金メダリストの記録を上回りました。このことから障がいのある人が健常者の運動能力より劣る訳ではないことが証明されました。
○障害者差別解消法では、施設利用・サービス提供・情報提供の拒否など正当な理由なく、障がいがあることを理由とした差別的取扱いを禁止しています。また、合理的配慮については、国や自治体は義務であり、事業者は努力義務であるため、案内等できちんとした表示が必要となります。
○ヘルプマークに関しては、すでに24都府県で使用されており、GISマークに追加されています。このことから2020東京オリンピック・パラリンピックでは、必ず必要とされるものになると予想されます。
○色覚異常は、程度により3パターンあります。色覚に異常のある方がどのように見えるか確認できるアプリが無料で配布されており、チラシの作成時などに役立ちます。
○外国の方への対応については、スマートフォンのカメラ機能を使い、日本語で書かれた文書を写すと選択した言語に変換できたり、マイク機能を使い、選択した言語で会話できる無料アプリを使った実演を行いました。

 

【体験グッズを使用しての疑似体験の内容】

○車いすの方について、車いすの使い方から実際の対応の仕方について説明いただき、実際に、車いすを用いた体験を行いました。
○目の不自由な方について、対応の仕方(いすに座る際には、対象者の手を借り、いすに触れさせ、安心してもらうなど)について説明いただき、白杖とアイマスクを使用した体験を行いました。
○高齢者への対応については、高齢者体験セットを使用し、視野が狭くなった状態において、文書を読んでみる体験などを行いました。
○妊婦の方への対応については、妊婦体験セットを使用し、地面に落ちたものを拾うなどの体験を行いました。

 

  • どのような場合においても、「自分だったらどうしてほしいか」「受けての気持ちになって考えること」が重要です。

 

   【当日の様子】

 
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■受講後に行った今回の講演会で参考になった点や感想等についての参加者アンケートの一部をご紹介します。

○マークやアプリなど便利なものが色々あると思いました。うまく活用していきたいです。(40代男性)
○目の不自由なお客様へ接客することがあるので、案内方法を改めて知ることができて良かった。(40代女性)
○マークの意味など、わからないところが知ることができてよかったです。(30代女性)
○目の不自由な方への対応(案内方法)について、今回初めて細かい部分(配慮すべきところ)まで教えていただくことができ、参考になりました。(40代女性)
○今日まで知っていたことが、余りにも少なく、知っていたつもりが多いことに気づいた。正しい知識を得られて良かった。(70代男性)
○ユニバーサルデザインについて考えることは、今後の高齢化社会の生活環境を考えることに繋がるということが参考になった。(40代男性)
○障がいや肢体不自由の方への案内、接客対応の方法など普段意識していないことに気づかされ、とても参考になるものだった。
○障がい者支援マークの再確認ができた。人はそれぞれ考えや思いに違いがある。体験型(疑似体験)ができて良かった。(60代男性)
○自分が相手を思って行った行動でも、状況によっては、余計なことになってしまうことがある。(40代男性)

○相手のニーズに合わせた声かけ、難聴の方でもわかるような声かけが必要だと改めて感じました。(40代女性)
○様々な情報を知るきっかけとなりました。(40代女性)
○体験してみないとわからないことが多い。(40代男性)
○妊婦体験セットはとても良いものであった。(20代男性)
○車につけるマーク(初心者マークなど)の種類について知ることができてよかった。(20代男性)
○妊婦体験セットは多くの男性に体験させたほうが良い。(20代男性)

 

講師略歴

 

講師.jpg  紀 薫子(きの かおるこ)さん

 

1987年  立教大学卒業
同年より 専門商社勤務
1993年  育児・介護のため退社
2000年  心の東京革命チーフアドバイザー
2004 年  全国ユニバーサル連絡協議会発足時より事務局長。2006 年より同会代表。静岡ユニバーサルデザイン大賞委員他、全国各地の自治体、企業、学校などでの「ユニバーサルサービス接客研修」「ユニバーサル社会創造へ向けて」「バリアフリー実務」「育児支援」講義など多数実施。ユニバーサルサービス、ディスアビリティースタディー研究のため、2006 年より2年間渡米。
2015年より公益財団法人人権教育啓発推進センター啓発アドバイザー
著書:「接客・接遇のためのユニバーサルサービス基本テキスト」
    日本能率協会マネジメントセンター
監修:「接客・接遇に活かすユニバーサルサービス」日本経済新聞出版社
資格:介護福祉士

 

お問い合わせ

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