第1章 総 論 第1節 計画の基本的事項 第2節 障がいのある人を取り巻く現状 第1節 計画の基本的事項                            第1 計画策定の趣旨  本市の障がい福祉施策については、「障がいのある人もない人もお互い人格と個性を尊重し合い、人としての尊厳が守られ、共に生きることのできる地域社会の実現」を基本理念として、平成30年3月に策定した「会津若松市障がい者計画」(以下「障がい者計画」という。)に基づき、障がい者施策の総合的な推進に取り組んでいます。  第5期障がい福祉計画と第1期障がい児福祉計画の計画期間が令和2年度までであることから、両計画の策定を行い、引き続き、「障がい者計画」の基本理念の実現に向け、取り組んでまいります。  第2 計画の性格と位置づけ 第6期障がい福祉計画は、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(以下、「障害者総合支援法」という。)第88条に定める「市町村障害福祉計画」として、また、第2期障がい児福祉計画は、児童福祉法第33条の20に定める「市町村障害児福祉計画」として、国の「障害福祉サービス等及び障害児通所支援等の円滑な実施を確保するための基本的な指針」(以下「国の指針」という。)に基づき、障がい福祉サービス等及び障がい児通所支援等の提供体制の確保に係る目標を設定し、各年度におけるその種類ごとの必要な量の見込み、その見込量の確保のための方策などについて策定するものです。  なお、「第6期障がい福祉計画・第2期障がい児福祉計画は、障がい者計画の6つの基本方針のひとつである「地域生活支援の充実」のうち、「地域生活の基盤づくり」の実施計画としての位置づけとなります。  また、「障がい者計画」が本市のまちづくりの基本計画となる「第7次総合計画」のもと「地域福祉計画」「高齢者福祉計画・介護保険事業計画」などの関連計画との整合を図りながら、基本理念の指針を定めていることから、その実施計画である第6期障がい福祉計画・第2期障がい児福祉計画についても整合性を図ってまいります。  なお、本計画は、SDGs※の17の目標のうち、次の目標達成に寄与するものです。 3.すべての人に健康と福祉を 8.働きがいも経済成長も 10.人や国の不平等をなくそう 11.住み続けられるまちづくりを 16.平和と公正をすべての人に ※SDGsとは、平成27年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略称についてであり、2030年度までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標として17のゴールと169のターゲットから構成されています。 第3 基本的な考え方  「障がい者計画」の目標を達成するためには、障がいのある人や障がいのある子どもが社会生活を営むうえで基礎的な条件となる障がい福祉サービス等について、必要に応じて利用できる体制づくりが不可欠です。  第6期障がい福祉計画・第2期障がい児福祉計画においては、次に掲げる基本的な考え方に基づき、障がい福祉サービス等の提供体制の整備を推進します。 【第6期障がい福祉計画の基本的な考え方】 1 障がいのある人や障がいのある子どもが、いつでも希望するサービスを受けることができる体制づくりを推進します。 2 障がいのある人の地域移行をより一層推進します。 3 障がいのある人や障がいのある子どもが安定した生活を送れるよう、相談支援体制のさらなる充実を図ります。 4 障がいのある人の一般就労が進むよう、関係機関との連携のもと支援体制の充実を図りながら、取り組みを推進します。 【第2期障がい児福祉計画の基本的な考え方】 1 障がいのある子どもとその家族が、身近な地域で希望するサービスを受けることができる体制づくりを推進します。 2 保育、教育分野等との連携体制のさらなる充実を図り、障がいのある子どもの地域社会への参加を推進します。 3 重い障がいや強度行動障がいのある子ども、医療的なケアの必要がある子どもなど、特別な支援を必要とする子どもの支援体制づくりを推進します。 4 障がいのある子どもとその家族の支援の中核として、相談支援体制のさらなる充実を図ります。 第4 計画の期間 「障がい者計画」は、障害者基本法に基づき障がいのある人が暮らしやすくなるための施策に関する基本的な事項を定める中長期の計画であり、平成30年度から令和5年度までの6年間を計画期間としております。 「第6期障がい福祉計画」及び「第2期障がい児福祉計画」は、国の指針に基づき、令和3年度から令和5年度までの3年間を計画期間とします。  第5 計画の推進体制及び評価・見直し  障がい福祉計画・障がい児福祉計画の推進にあたっては、計画の推進状況の確認及び障がい者施策や関連施策の動向も踏まえながら分析及び評価を行い、必要に応じて計画の見直しの措置を講じることが必要です。  そのため、PDCAサイクルを用いて、「計画(Plan)」・「実行(Do)」・「評価(Check)」・「改善(Act)」のプロセスを実施します。 計画(Plan) 目標を設定し、目標達成に向けた活動を立案する 実行(Do) 計画に基づき活動を実行する 評価(Check) 活動を実施した結果を把握・分析し、考察する(学ぶ) 改善(Act) 考察に基づき、計画の目標、活動などを見直しする 具体的には、庁内においては、関係課長により構成する「障がい者計画・障がい福祉計画・障がい児福祉計画庁内連絡調整会議」において、関係部局との連携・協力を行い障がい者施策が効果的・効率的に行えるよう進行管理等を行っていきます。 また、庁外においては、教育研究機関をはじめ、保健、医療、福祉、教育、雇用、労働等の関係機関、団体、民間事業者などで構成する「地域自立支援協議会」において計画策定からご意見を頂き、進行管理等も含め一体的に行っていきます。 さらに障がい福祉サービス事業所で構成する「障がい福祉サービス事業所等連携推進会議」ではその活動などを通して連携強化を図り、計画に基づく施策の推進に取り組みます。 1-2概要版 施策体系は省略されます。 第2節 障がいのある人を取り巻く現状                           第1 障がいのある人の状況 本市の障がい者手帳所持者は、令和2年4月1日現在で身体(身体障害者手帳)が6,827人、知的(療育手帳)1,036人、精神(精神保健福祉手帳)1,015人の合計8,878人で、平成27年度と比較し424人(伸び率△4.6%)減少しています。 1 身体障がい者の推移 年齢別に平成27年度から令和2年度までの6年間の身体障害者手帳の交付状況の推移をみると、身体障害者手帳の交付を受けている65歳未満の人が177人(14.7%)、65歳以上の人が599人(10.8%)減少しましたが、身体障害者手帳所持者全体における高齢者の割合は8割以上を占めている状況で推移しています。 また、令和元年度に、死亡等による返還届の勧奨や職権消除を行った結果、令和2年度に手帳交付数が大きく減少しています。 手帳所持者の障がいの部位別の交付状況は、腎臓機能障がいや心臓機能障がいなどの内部障がい者の割合は近年約3割で横ばいで推移しており、令和2年4月に手帳を新規交付した277人のうち、内部障がい者は131人となっています。 2 知的障がい者の推移 療育手帳所持者数は、平成27年度から令和2年度までの6年間で105人(10.1%)増加しています。療育手帳の交付を受けている18歳以上の人は101人(13.9%)、18歳未満の人は4人(1.9%)増加しています。主な要因としては、療育面・雇用面での助成制度や福祉サービスの制度充実などによる手帳取得の増加が考えられます。 3 精神障がい者の推移 精神保健福祉手帳所持者数は、平成27年度から令和2年度までの6年間で278人(37.7%)、自立支援医療(精神通院)受給者数は、平成27年度から令和2年度までの6年間で422人(26.1%)増加しています。 主に自立支援医療(精神通院)受給者の一部が精神保健福祉手帳を取得している実態にありますが、精神保健福祉手帳の所持者は障がい者雇用や公共交通機関の割引の対象となるなど、制度が充実したことから手帳を取得する人が増えていると考えられます。 4 難病患者の推移 平成25年から施行された障害者総合支援法により、障がい者の定義が見直され、国が指定する難病患者も新たに障がい福祉サービスを受けられるようになりました。 指定難病に関しては、毎年指定範囲が拡大している状況ですが、平成30年に難病法施行における経過措置期間の終了に伴い、難病に該当しても重症度が医療費助成の要件に該当しない方が増加したことにより、受給者数が減少しました。令和2年の特定医療費(指定難病)医療受給者数は、789人でした。 第2 国の障がい者政策の動向  ≪障害者総合支援法の見直し≫ 平成25年4月に施行された障害者総合支援法は、地域社会における共生の実現に向けて、障がい福祉サービスの充実等障がいのある人の日常生活及び社会生活を総合的に支援することを目的に、障がいのある人の範囲の見直しや障害支援区分の創設、障がいのある人に対する支援、サービス基盤の計画的整備など障がい者福祉施策を講じています。また、施策を段階的に講じるために法の施行後3年を目途とした見直しが行われ、平成30年4月には改正障害者総合支援法が施行され、自立生活援助などの新たなサービスの導入や高齢障がい者の介護サービスの利用にあたっての利用者負担の軽減策などが講じられたところです。 ≪障がい者制度改革≫  国では、障害者権利条約の締結に必要な整備がされたことから、平成25年12月に国会で批准の承認を受け、平成26年1月20日に国連に批准書を寄託し、2月19日からは効力が生じています。 この条約は、締約国に対し障がいのある人に健常者と同等の権利を保障し、社会参加の促進に必要な措置を取ることを求めており、日本においては、国内法が未整備であったため、以下のとおり関係法の整備を進めてきた経過にあります。       ・平成23年7月   障害者基本法の改正       ・平成24年10月   障害者虐待防止法の施行       ・平成25年4月   障害者総合支援法の施行(翌年4月に全施行)       ・平成28年4月   障害者差別解消法の施行       ・平成28年5月   成年後見制度の利用の促進に関する法律施行       ・平成30年4月   改正障害者総合支援法の施行       ・令和2年度~   障害者差別解消法の見直し(法施行3年度を目安) このような国の動向を踏まえると、障がいのある人が地域で生活する権利を保障する更なる取り組みが市町村に求められおり、障がいのある人が地域で主体的に生活できる地域社会を構築するためには、行政だけではなく、市民・事業者の理解と協力による福祉のまちづくりに向けた基盤づくりが必要不可欠です。